<https://thehustle.co/02052020-section-230-tech/>
現在のインターネットを形作ったとも言われる「26文字」をご存知ですか??
No provider or user of an interactive computer service shall be treated as the publisher or speaker of any information provided by another information content provider.
双方向コンピュータサービスの事業者及びユーザは、他者が発した情報の発行者やスピーカーとして扱われる事は無い。
これは "Section 230 (通信品位法230条) " の条文でして、ざっくり言うと、「GoogleやFacebook、Twitter等のプラットフォーマーは、基本、そこに掲載されるコンテンツ内容に責任を負わない」、 というものです。現在のInternetサービスの根幹とも言えるものでして、SNS等のPlatformを介してユーザーが双方向にコミュニケーションを取る事が出来るのも、実は、このSection 230の思想が大きく貢献しています。もしもこのSection 230が無かったら、Yelpに載ったネガティブなコメントへの店からのクレームに、Platformerが常に対応しなければなりません。恐らくはこのようなサービスは成立しなくなり、今のInternetはもっと一方的なものとなっていたでしょう。
実は今、アメリカでは、このSection 230への議論が再燃しています。
このSection 230の思想はPlatformerの中立性を前提に語られています。実際、Facebook CEOのザッカーバーグさんは、2018年の公聴会にて自社Platformの中立性を宣言していました。しかし、Twitter達PlatformerがFact Checkをし出してから潮目が変わったように感じます。そもそも、このFact Checkはトランプさんのヘイト的・嘘デマが含まれるツイートが原因の1つではあったのですが、トランプさんはそれを受けてSection 230の撤廃検討を表明していました。つまり、『利用者のコンテンツに口を挟むなら、Section 230は取り上げるぞ、プラットフォームに乗る全てのコンテンツに責任を持て』、と。
これはとても皮肉で逆説的に感じます。自らのPlatformの健全性に対し努力をしたが故に、現在のInternetの基本思想の1つであるSection 230を失う可能性が生じたのです。
個人的には、政権交代によりこの流れは変わるのかなとも思っていました。しかし、バイデン政権下でも、このSection 230変更・撤廃への流れは継続しています。バイデンさんは明確にSection 230は廃止されるべきだと答えています。思えば、Google/Facebookなどの主要Platformer解体を叫ぶエリザベス・ウォーレンを擁する民主党ですので当然と言えば当然なのかもしれませんが、昨日、民主党よりSection 230修正法案と呼べるSafe Tech Actが提出されました。これはSection 230の撤廃にまでは行きませんが、殺人の様な重大な事件や国際的な人種差別、米国の市民権を脅かすようなコンテンツ(投稿)に対しては、Section 230は適用されない、つまりPlatfomerが責任を負うと言うものです。
一見すると的を得ている様にも感じますが、私は、「ITが産むInnovationの観点ではどうなのかな・・」、と感じました。FacebookやGoogleのような、自社で膨大なコンテンツモデレーターを雇える、またAIを駆使出来るTech Giantなら対応可能と思われますが、これから次のFacebook、Twitterを狙うStartupはユーザーコンテンツの精査など、そのサービスがスケールすればする程に無理になる、つまり、Section 230の撤廃は今後生まれるであろうInnovationの阻害となり得る、とも思われるのです。
しかし、様々な所に商機を見出すのがStartupです。きっと鼻の利く起業家達は、この大きな変化に順応するStartupを画策しているのかもしれません。
皆様はどう思いますか??
たぶんもうあるのでしょうけど、カスタマーサポートのように、外部委託先の監視サービス会社とか AI サービスとかでしょうかね。