つい先ほど、COVID19ワクチンを接種して来ました。
私の住むサンタクララ群では、先週より全年齢(16才以上)で接種が可能となりました。アメリカでは、病院・薬局、スーパーマケット等、様々な所が接種会場となっていまして、私はアメフトチームの49'sの本拠地であるリーバイス・スタジアムで接種してきました。
<まさに大規模な接種会場でした。>
<待っている間は正直緊張しました。>
<接種後、何か症状が出ないかの確認に15分の待機が求められました。>
さて、少し話しが変わりますが、ワクチンの接種が全米で進むにつれて、「ワクチンパスポート」と言う単語をTVやニュースで見聞きするようになりました。今後、社会活動が徐々に再開されるはずです。飛行機の搭乗時・スポーツ観戦・コンサート会場など、色々な時と場所で「誰がワクチン接種済であるのか?」を知りたいシチュエーションが多く予想されますが、このワクチンパスポートで誰がワクチン接種済みであるかをチェックしようと言う訳です。
このワクチンパスポートの機能要件は以下2つに集約されるのかと思います。
ヘルスケアなどのAuthority(権限者)が、パスポート保有者がCOVID19ワクチンを接種済みである事を記す
第3者、例えば航空会社やイベント会社がそれにアクセスし、確認出来る
しかし、このワクチンパスポート、全世界規模やアメリカ全土で通用する統一パスポートかと言うと、実状は違うようです。と言うのも、バイデン政権はワクチンパスポートの取り組みからは距離を空けているようにも見えていまして、そのためアメリカ政府主導の統一ワクチンパスポートは望めず、民間の取り組みが主体となる模様です。ですので、現在、ワクチンパスポートの発行には多くの団体が乱立しつつあり、Standardizationも無く混迷とした状態、とも言えそうです。スマホのコロナアラートアプリも各州での取り組みで混沌とし、上手く機能しなかった印象ですが、どうも同じ事が起きそうな印象です。
偽造されないように作るのも非常に大事です。ワクチン懐疑論者も一定数いる米国ですので、パスポート偽造なんて話も出てきたりしています。($150で偽造ワクチンパスポートが売られていた、という話しです。)テクニカルな観点ではこのような分野にはBlockchainが最適かと思っていたのですが、実際、ニューヨーク州のExcelsior Pass という名のワクチンパスポートはBlockchainの仕組みが使われていました。Blockchainにより、DataのTransparency(透明性)、Integrity(改竄されていない事)、そしてプライバシーへの配慮が実現されているようです。Blockchainは、とかく暗号通貨のマネーゲームなイメージが強すぎるテクノロジーとなってしまいましたが、このような社会基盤で使われているのはエンジニアとしては嬉しいです。
このように、一見すると米国のワクチンファーストな雰囲気が感じ取れてしまいますが、実際はそうでも無さそうです。政治的な動きも加速しているようでして、共和党出身者が知事を勤めるテキサスとフロリダでは、政府機関やビジネスで「ワクチンパスポートの提示を求める事」を禁止すると表明しています。また、政府による監視に繋がるとの懸念から、政府主導のワクチンパスポートの発行を禁じる法案が共和党より提出されています。
これはアメリカが自由とプライバシーを重んじる国であることが大きな理由なのでしょう。ワクチンを受ける受けないは個人の自由、ワクチンを接種していない人が不自由を被るような事はあってはならない、この様な思想がベースとしてあるように感じます。自由・プライバシーのようなアメリカが重きを置く価値観と集団免疫獲得による公衆衛生、この両者のバランスを取るのは意外に難しいようです。
また私は40代ですが、ありがたい事に1回目のワクチンを既に接種することが出来ています。一方でハイリスクでありながらまだ接種できていない方々は世界に多くいますので、それに対して一種の後ろめたさ、不平等も感じてしまいます。
Blockchain が提供するData Integrity・Data Transparencyが、『自由・プライバシー』と『集団免疫』の双方を汲み取り、且つ『各国間のワクチン分配の不平等』に光を当てることに期待したいです。
皆様はどう思われますか??