メタバースとは具現化されたインターネットであり、現インターネットの後継者(進化版)である。仮想と現実がアバターで同期し、その仮想空間上で労働や消費行動などの全てが継続する。
メタバースがにわかに注目を集めています。これはCOVID19によりIn-personでのコミュニケーションが難しくなった事が大きな要因であるように思えますが、加えて、FacebookのCEOが「Facebookをメタバース企業にする」という意欲的な戦略を発表した事も、少なからずこの熱に寄与しているように思えます。既知な点もあるかと思われますが、ここで今一度、メタバースとは何ぞや?、を触れておきたいと思います。
正確な定義はまだ無いように思えますが、ここ数年で認知され始めている定義は、「具現化されたInternet」であり、「多くのデジタルエクスペリエンスへの入り口」、と表現されています。また企業活動の「新たなアプローチ」とも捉えられる動きがあり、同じ物理的空間にいない人々との創造、存在しない物・事柄のリアルなシミュレーションをメタバースで実現しようとする先進的な企業も出現し始めています。一例を挙げますと、NVIDIAはOmniverseと呼ばれる人工環境スイートを立ち上げましたが、ここにはPixar(アニメーション映画スタジオ)の「Universal Scene Description」ソフトウェアが内包され高度なアニメーション再現が可能となりました。BMWはドイツのレーゲンスブルクにある自社工場の厳密なシミュレーションに、このOmniverseを採用しています。またオフィス利用のシーンでは、Facebookより、場所の制限から解放された新たな働き方、同じ空間にいなくとも「存在」を感じられるプラットフォームが、Horizonとしてリリースされます。RobloxやEpicのようなゲーム業界が率先していたメタバースが、今やエンターテイメントのみならず、生産現場やオフィスといった商業的な領域に裾野を広げています。「メタバース経済は現実世界の経済よりも大きくなる」というNVIDIAチーフのJensenの予測もあながち見当違いでは無い様に感じられます。
メタバースは人々のデマンド変化の象徴であり、それを実現するメタバース経済は新たなイノベーションである。
VCOINで注目されるTogether Labsは、このメタバースへの急激な「うねり」を、「人々のデマンド変化」と捉えているようです。世界中の人々と繋がりたい、アイディアを共有したい、認知されたい、そして収入を得たい、このような要望は多くの人が持つものでありますが、メタバースという新たな世界が出現したことで、この願望は手の届く身近な物となりました。同社はメタバース上の経済が「クリエータとのパートナーシップ」に重きを置き、そしてその経済の基盤たる各Platformに「エンゲージ出来る」ことを以て革命的なInnovationであると説明しています。しかし同時に現在のメタバースが抱える課題点にも注目しています。それは、今時点では統一したメタバースは存在しておらず、各Platformが各々個別にメタバースをリリースしている点です。これは初期のInternetのように、個々のネットワークが集まりInternetが形成された事に近しいのですが、問題は各々のPlatformを統合するネットワークで言うIPのような決まり事が存在しないことのようです。つまり、個々のメタバースPlatformを超えて価値を共存させる事が難しい事実です。同社のVCOINは正にこのペインポイントにフォーカスしたものであり、Platformを跨ぐ価値の伝搬が可能となるとようです。VCOINのNFT(Non-fugible token)により、ユーザーは各メタバースPlatformを超えてアバターやアイテムのやり取りを可能となり、盛り上がりつつあるクリエーターエコノミーを意識した取り組みと思えます。
メタバース経済の可能性を広げるVCOINのような発想は新しく、このアイディアがどう広がり新たなInnovationを産むのか、今後もしっかりと注視し、その過程を皆様にお伝えしたと思います。