アメリカの混乱は続いています。「この選挙は盗まれたものである」、この根拠の無いデマ(Disinformation)に揺動された多くのトランプサポーターが議事堂を襲撃するという最悪な事態が、先週6日に起きてしまいました。騒ぎから約1週間経ちますが、TVやニュースサイトはもっぱらこの事件を報道しています。
襲撃から程なくして、更なる暴力を誘発するとの理由でTwitter はトランプさんの個人アカウントを永久凍結すると発表しました。Facebookやsnapchatも同様の処置を採っています。一方、トランプさんに近しい陣営はTwitter に代わると言われるParlerへの移行を誘導していますが(実際、Parlerのダウンロード数はここ1週間で急増)、しかし昨日、Apple/Googleは各々のプラットフォームからParlerの削除を発表しました。また、AWSはParlerサーバをホストする事を拒否しています。理由は同じく「暴力や差別を助長する」ことからです。
政敵の悪口(エリザベス・ウォーレンスさんをポカホンタスと呼んだりしてました)から主要人事、政策に至るまで、多くをSNSで発信してきたトランプさんは、遂にSNSから『村八分』となってしまいました。注: こちらでは "Deplatform" と呼ばれています。
この影響は大きいように感じます。自分の主義主張(根拠を示さなくとも、また幾らか差別的であっても)を一方的に発信出来るツール、それに熱狂するサポーター、それを報道するメディア、この三つの要素が互いに絡み合う事で制御不能な迄の増幅を可能にしたシステムが、もはや機能しなくなる可能性がある訳です。
トランプさんのDisinformationを巡る疑惑は4年前の選挙(ロシアのハッカーが政敵のヒラリーさんのシステムをバックしてネガティブな情報を拡散、当時のトランプさんの疑惑の目をそらすことが出来たと言われている)から始まったとも言えますが、現在、『SNSから村八分』の地点にまで到達しました。しかし、ここが最終地点では無いように思えます。各SNSプラットフォーマーはアメリカ大統領のアカウントを停止する事は出来ましたが、一方で、多くデマ・ウソ・Disinformation はネット上にまだ溢れ、アメリカを深く分断する一因となり続けています。
私を含め多くの人は信じたい物を信じる訳ですが、それを変な形で増幅してしまうDisinformationへの対策は、SNS各社にとり今まで以上に急務となるでしょう。また、「Twitter達SNSプラットフォーマーがアメリカ大統領を制御できるなら、そのTwitter達を誰がどの様ようにコントロールするのか?」、そんな議論も出て来るのではないでしょうか。
皆さんはどう思いますか??
Twitter CEOのJack Dorsey氏は、CNBCの取材に対し、今回のようなインターネット企業が独自判断する危険性、一企業や個人に寄らない公平で自由なDecentralized Modelの BTCのファンであるとコメント。
https://www.cnbc.com/2021/01/13/twitter-ceo-jack-dorsey-internet-companies-too-powerful.html