Weekly Newsletter #102
Metaのアバターに待望の「足」が生える / NASAの技術でEV車の充電時間が5分に / エコな紙製の回路基盤とは / 採用AIツールではバイアスを減らせないとの研究結果が
秋はスポーツ観戦の季節です。アメフトやバスケットボール、アイスホッケーもシーズンが始まりますので、何かと忙しくなります。私はテレビで見るのはアメフト、実際に現地で観戦するのはアイス・ホッケーが好きです。アイス・ホッケーは選手同士の乱闘時にも独自のルール(必ずグローブを外さないとならない等)があったり、それを会場が煽ったりと(会場の音楽が煽るものに変わりますw)、知らなかった世界がそこにあり、とても楽しいです。
今日はこれから、地元チームの応援観戦ですw
Metaのアバターに待望の「足」が生える
Metaのメタバース・アバターに足が生えるとの発表
発表時はモーションキャプチャーによるものであるが、今後はAI予測モデルが使われる
メタバース空間上での「体感・認知」の向上が期待される
今週に開催された年次イベント「Meta Connect」にて、メタバース上のアバターに足が生えることが発表されました。これ迄、Meta Horizon Worlds上のアバターには足がなく、中に浮いているような変な感覚だったのですが、ここが改善されるようです。今回の発表時にあった「足」は、このコンセプトを伝えるための、モーションキャプチャーで作成されたアニメーションによるものだったのですが、今後はAIを使用した予測モデルで足を生やすとのことです。
ザッカーバーグ氏も言っていましたが、仮想空間で足を生やすのは技術上難しいと言われています。ヘッドセットから見える画像だけを基に足を生やすと、机の下に足が入ったりすると機能しなくなります。そのため、全身の位置を予測するAIモデルの構築、が必要なんだそうです。これからMetaはこのAIモデルを作り上げていくのでしょうが、足が生えることでのメタバース体感の向上がどの程度なのか、早く試してみたいですね。
NASAの技術でEV車の充電時間が5分に
NASAの冷却技術により、EV車への充電時間が5分に短縮
充電ゲーブルを冷やすことで実現している
ウィークポイントの1つであった充電時間のクリアとなり、EV車への移行が加速するか
NASAの宇宙技術(冷却システム)により、EV車の充電時間が5分に短縮出来るかもしれません。現状、一般的な充電ステーションでは約20分、家庭では1時間ほど掛かっていますので、大きな進歩と呼べそうです。充電時間は、「電源の出力仕様」「ケーブルの出力仕様」「EVバッテリーの入力仕様」の3つのコンポーネントに依存するのですが、従来は電気を運ぶケーブルに技術的な課題があったようです。今回のNASAの冷却システムによりケーブルを冷やすことで、より多くの電力を短時間で運ぶことが出来るようになるとのことです。(現在市場で入手可能な最速の電気自動車充電器の4.6倍の電流を供給可能となる。)
充電時間はEV車のウィークポイントの1つでしたので、この技術はEV車にとり大きなブレイクスルーとなりそうですね。
エコな紙製の回路基盤とは
Adapted from ACS Applied Materials & Interfaces 2022, DOI: 10.1021/acsami.2c13503
環境にやさしい「紙製の回路基盤」の研究が進んでいる
紙に金属インクで回路を描くことで、抵抗・コンデンサ・トランジスタを作成した
金属インクを使うため完全に環境に無害とは言えないが、従来技術よりも遥かに環境に優しい
環境に配慮した「紙製の回路基盤」の研究が進んでいます。従来の電子回路は、廃棄時に重金属やその他の有害物質を放出し、また一度出された物質は回収が難しいという環境面での課題があります。この研究では、蝋と伝導性インク・半伝導性インク、銀ベースにインクなどを組み合わせて紙に回路を描くことで、抵抗・コンデンサ・トランジスタなどの機能を備えた、紙の回路基盤を作成することが出来たとのことです。紙の回路基盤上でインクとして使われる銀などの金属は自然分解されるまで時間がかかり、環境にとり有害である可能性は残りますが、従来の回路基盤と比較すると環境面で遥かに優れているようです。そして、現在、金属インクに代わる物質の研究が進められています。
このような発想は素晴らしいですね、是非、実現してほしいです。
採用AIツールではバイアスを減らせないとの研究結果が
人材採用AIではバイアスを防げない、との研究結果(アルゴリズムをトレーニングする上で、人種や性別は重要な要素)
画像解析アプローチも検討されるが、上手く行っていない
人を見るには人の目が必要か・・
AIを用いた人材採用ツールでは、採用バイアスを減らすことは出来ない、と研究者は述べています。2020年の調査では、回答者(人事担当)のほぼ4分の1が人材獲得にAIを用いていることが示されましたが、残念ながら、偏見を減らし多様性を獲得するには逆効果であったようです。これは、「優れた従業員であるとみなす属性情報に人種や性別を取り除くことは非常に難しい、故に採用AIのアルゴリズムをトレーニングするのにはこれらの属性が必要であった」という理由からであるようです。そこで最近では、候補者の表情や話し方をAIが動画として解析するアプローチが検討されています。しかし、この方法も上手くいっていないようです。AIによる画像解析の結果は、その時の照明の当たり具合だったり、メガネを掛けている、スカーフをしている、といった些細な事柄で変わってしまったようです。
人を見るには人の目が必要ということなのでしょうか・・。
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