Weekly Newsletter #105
テック企業での雇用凍結・レイオフが加速 / スマホからゴールデン・ゲート・ブリッジの修理時期を特定する / 2021年度のランサムウェア支払いは12億ドル / Meta - AIで医学とクリーンエネルギーを加速
ハロウィンも終わり、ベイエリアもだいぶ秋めいてきました。朝晩は寒いですし、樹木の葉も赤や黄色に色付いてています。そして、こちらでは夏時間(Day light savinfg)が11月6日に終わりました。夏時間の終わりは1時間時計が早くなることを意味しますので、7時間寝たつもりが実際は8時間寝たことになります。ですので、なんだか今日はスッキリした気分です。
テック企業での雇用凍結・レイオフが加速
数十年にわたり、またコロナ・パンデミック期においても米国経済を率先していたテック企業ですが、最近の「経済成り行きの不透明感」「インフレ」「金利上昇」への強い警戒感から、新規雇用の凍結、レイオフを開始しています。
Amazon - 今後数ヶ月間にわたる新規雇用凍結を発表(経済状況が不安定であると認識)
Lyft - 13%のレイオフ(5000名の従業員中、650名をレイオフ)
Strip - 14%のレイオフ (1100名をレイオフ)
Meta - 新規雇用は概ねしないと発表
Snap - 20%のレイオフ
Microsoft - 本四半期の新規採用を最小限にすると発表
Alphabet - 新規雇用を前四半期の半数に満たない数へ
Twitter - 75%のレイオフを実施か?
嫌なニュースですが、引き続きの注視が必要です。
スマホからゴールデン・ゲート・ブリッジの修理時期を特定する
ドライバーが持つスマホのデータから、橋の修理時期を特定する研究が進められている
橋を通過する度にスマホから加速度データを取得し、端の振動性(周波数)を測定する
スマホを使ったスケールするソリューションとしても注目か
ドライバーが持つスマホから、橋の修理時期を測定する研究が進められています。従来、橋の修理状況は、目視検査によるひび割れチェックや設置されたセンサーからの振動データなどを基にして、修理の必要性を判断しています。橋は様々な方向に振動するので、その周波数を常時計測することは橋の状態を把握する上で重要です。そのため、加速度計などのセンサーが橋に設置されています。今回の研究では、開発したスマホのアプリが橋を通過するたびに加速度計データを収集するのですが、このスマホ経由のデータが(設置している)センサーデータと本質的には同じであった、と言うものです。つまり、誰もが持つスマホのデータが将来的にはセンサーに変わる可能性がある、この点が注目されているようです。
スマホデータで街を最適化するアプローチは、きっとスケールしますし、なかなか面白い発想ですね。
2021年度のランサムウェア支払いは12億ドル
昨年度のランサムウェアによる支払いは、12億ドル近くに上る
インシデント件数は約3倍、支払い金額は約2倍の増加
「ランサムウェアの巧妙さと侵入ペースは米国の防御能力を超えている」- バイデン政権高官
米国財務省によると、昨年度、ランサムウェア関連と思われる支払いが12億ドル近くに上るとの報告がありました。(米国では、政府がマネー・ロンダリングやその他の犯罪行為を把握出来るように、銀行は疑わしい活動を報告する必要があります。)2021年のランサムウェアインシデントは1489件であり、前年度の487件から急増しています。また、支払い金額の12億ドルは、2020年と比較すると2倍近くの増加となります。支払いに関連するランサムウェアの上位5つは、ロシアのサイバー犯罪者に関連しているとも言われており、その被害は2 億 1,900 万ドルを超えたとのことです。
バイデン政権高官は「ランサムウェアの巧妙さと侵入ペースは米国の防御能力を超えている」とコメントしており、国家・企業は早急な対策が求められています。
Meta - AIで医学とクリーンエネルギーを加速
Metaが大規模言語モデルAIのアプローチを用いて、タンパク質の分子構造データベースを作成
病気の治療や環境の浄化、クリーンエネルギーの生成に役立つタンパク質の発見が期待
AIのブレークスルーか
Metaがタンパク質の分子形状予測を加速するAIを発表しました。このAIを用い、研究者たちは、地球上の全生命の構成要素であるタンパク質の分子構造データベースを作成しました。このデータベースは6億を超える構成物であり、従来の3倍の大きさとなります。データベースの作成には大規模言語モデルのアプローチが活用されており、次の文字を予測するかの如くタンパク質の構造を予測することで、膨大なモデルの作成を可能としたとのことです。
このデータベースによるメタゲノム構造の解読で、病気の治療や環境の浄化、クリーンエネルギーの生成に役立つ可能性があるタンパク質の発見が期待されているようです。AIのブレークスルーとも呼べるですね。
実はポッドキャストも細々とやっています、試しに聞いてみてください。