Weekly Newsletter #112
サウスウエスト航空の大混乱はITシステムが原因? / AmazonとSalesforceが新たなレイオフを発表 / MS - ChatGPTのBingへの組み込みを検討か / ChatGPTが犯罪に利用される?
2023年となりました。本年度も、このニュースレターを宜しくお願いいたします。
皆様は年末年始をどのように過ごされましたでしょうか。私は東海岸の各所、アメリカ独立宣言や南北戦争に関連する都市を巡り、フロリダまで南下する旅行をしてきました。途中、ライト兄弟の初飛行を記念する公園にも立ち寄ったのですが、彼らの初飛行は1903年、そしてアポロ計画で人類が月面に着陸したのが1969年ですので、僅か63年での偉業に改めて凄いなと感じ入ってしまいました。
2023年が全ての人にとり良い年となることを願います。
サウスウエスト航空の大混乱はITシステムが原因?
USを襲った大寒波により、サウスウエスト航空は最大8億2500万ドルの被害
主な原因は、同社の独自で複雑なフライト調整モデルや時代遅れのシステムが原因
企業活動におけるITの重要性を再認識させる事例か
年末年始にアメリカ中西部を襲った大寒波によるサウスウェスト航空の大混乱は、同社に最大8億2500万ドルの売上損失と追加費用を会社にもたらしました。同社は11日間にわたって16000以上のフライトをキャンセルを余儀なくされ、影響を受けた旅客に補償を発表しています。コストの半分は売上損失によるものですが、残りのコストは補償・フレキシブルフライヤーポイント、および従業員の追加補償に充てられるようです。このサウスウエスト航空の歴史的な規模の欠航は、同社の独特で複雑なフライト調整モデルと時代遅れの内部スケジューリング システムに起因すると、フライトの専門家やサウスウエスト航空の関係者は言います。サウスウェスト航空は、将来のキャンセルを避けるために内部プログラミングシステムを更新する計画を発表しました。
この事例は、企業活動におけるITの重要性を再認識させるものとなりそうです。
AmazonとSalesforceが新たなレイオフを発表
AmazonとSalesforceが新たなレイオフを発表
Amazonは18000名規模のレイオフであり業界最大規模
各Tech企業はコロナ禍に従業員を大幅に増やしていたことから、雇用調整に意味合いも強い
今週、AmazonとSalesforceが新たなレイオフを発表しました。Amazonは18000人、Salesforceは7000人規模のレイオフであり、IT業界で最大規模となる模様です。ビックテックを取り巻く状況は厳しく、昨年11月にはMetaが従業員の13%を、Snap は20%のレイオフを実施しています。しかし直近のテック企業のレイオフは、苦境と言うよりも、コロナ禍の拡大の反動(雇用調整)とも見て取れます。実際、Amazonは2019年の79.8万人から2021年には160万人に従業員を倍増させており、また、Metaは2019年から22年まで約3万人増加(現8.7万人)していました。つまりコロナ禍の需要を見越して(見誤って?)増やした授業員を今になって調整し始めた、というのが実態なのかもしれません。
コロナの初期にトイレットペーパーが不足しましたが、主要トイレットペーパーメーカーは、この需要を満たすための生産ラインの増築を断りました。彼らは人々がトイレットペーパーをこれまで以上に沢山使う未来を見ておらず冷静に判断した訳ですが、Tech業界は彼らから学ぶこともあるのかもしれません。
MS - ChatGPTのBingへの組み込みを検討か
マイクロソフトがChatGPTのBingへの組み込みを検討か
単純なURLよりも質の高い文章での回答により、検索ユーザーの獲得を期待
Googleはこの状況は「コードレッド」の脅威と宣言
Microsoftは、Alphabet Inc.のGoogle検索エンジンと競合するため、OpenAIのChatGPTチャットボットをBing検索エンジンへの追加を計画しているようです。チャットボットは、ユーザーのクエリによりより会話的で文脈的な回答が出来るので、従来の検索エンジンが提供するリンク(URL)よりも質の高い回答を提供することで、検索ユーザーを獲得出来ると目論んでいるようです。一方のGoogle は対話アプリケーション システムの言語モデルである LaMDA で同様の技術に取り組んでいますが、ミスやエラーによる評判のリスクに直面していると 2 人の幹部は述べています。CEOのピチャイ氏と同社の経営陣は研究チームを動員して ChatGPT に対応し、この状況は「コードレッド」の脅威であると宣言した、とニューヨーク タイムズは報じています。
検索が変わると世の中も変わりそうですね。
ChatGPTが犯罪に利用される?
ChatGPTが犯罪に利用される可能性を研究者が警告
シンプルなランサムウェアやバックドアの作成に利用される可能性
説得力・魅力ある文章によるフィッシング詐欺への利用も懸念される
更なる利用規制が必要か
OpenAIのChatGPTが犯罪に利用される可能性が指摘されています。研究者は、サイバー犯罪者がOpenAIのChatGPTを使用して、シンプルなランサムウェアやバックドアなどの悪意のあるツールを迅速に構築可能となる、また、説得力のある人格を持つ若い女性を偽装するチャットボットを作成するために使用され得る、と警告しています。ChatGPTはまだ複雑なランサムウェアをコーディングするには十分な能力がないようですが、初心者が基本的なマルウェアを構築する障壁を下げることができるようです。また、ChatGPTが作成する魅力ある文章は、悪意のあるウェブサイトやフィッシングキャンペーンにも使用される得ると警告しています。
OpenAIはいくつかの制御を実装しましたが、ハッカーはそれらを回避する方法を見つけているようであり、ChatGPTを犯罪的に使用するのを防ぐためには、規制が必要なのかもしれません。
実はポッドキャストも細々とやっています、試しに聞いてみてください。