Weekly Newsletter #117
Microsoft - 産業向けメタバースチームを僅か4ヶ月で閉鎖 / Blue OriginがNASAの火星ミッションの契約を獲得 / Twitter - 広告収入の分配モデルを導入か? / Metaが管理職の削減を開始
ベイエリアはダイバーシティに富んでおり、色々な国の料理が楽しめます。そして、私は最近、中東料理にハマっています。何と無くなんですが、中東料理は日本人の舌に合う気がします。量も結構あるのですが、なんだかんだで完食でした。また太ってしまいますw
Microsoft - 産業向けメタバースチームを僅か4ヶ月で閉鎖
MS社が昨年10月に発足した産業メタバースチームを僅か4ヶ月で解散
コカコーラなどの大手顧客も獲得していたため、多くの人が驚く発表となった
(収益化までの)時間はビジネスの大きな要素となるか・・
マイクロソフト社が今週、昨年10月に作られた産業向けメタバースチームを解散し、所属する約100名の従業員を全員解雇したようです。このメタバースチームは、発電所や産業用ロボット、輸送ネットワークなどで必要となる「制御システム」を操作するソフトウェア・インターフェースの開発を担っており、ソフトウェア開発の経験が無くとも産業用機器やプロセスにAIを追加できるようにするAzureクラウド サービスのBonsaiプロジェクトが母体であったようです。コカコーラやユニリーバなどの大手企業を顧客として獲得しており、また、Microsoft 会長兼 CEO のSatya Nadellaも同チームの支持を表明していたため、この解散は多くの人にとり驚きとなりました。
この発表は「収益化までに時間の掛かる領域よりも短期的なプロジェクトを優先する昨今のMicrosoftを反映したもの」とも捉えられているようです。今後、同社のHoloLens2にも注目ですね。
Blue OriginがNASAの火星ミッションの契約を獲得
ジェフ・ベソスのBlue OriginがNASAの火星ミッションの契約を獲得
同社のNew Glennロケットが打ち上げに利用される
「新技術へのリスクをNASAが請け負う」ことで宇宙ビジネス加速している
Amazon創設者のジェフ・ベソスによって設立された民間ロケット会社のBlue Originが、NASAの火星ミッションの契約を獲得しました。このミッションは火星の磁気圏のデータを取得するものであり、そのための装置(ESCAPADE)の打ち上げに、Blue OriginのNew Glennロケットが使用される事となります。同社はNASAが昨年に選定したライドシェア ミッション (VADR) プログラムの13社の内の1社であり、SpaceXやUnited Launch Allianceとの競合は今後更に加速するでしょう。
VADRは「実績が証明されてない(失敗の可能性が高い)新たなロケットにNASAのミッションを割り当てることで、民間宇宙ロケットの開発を促進する」ことを目的としています。そういった意味でNASAは「リスクがあり、民間企業としては最初にはやりたくない、しかし将来は有望なロケット技術」を利用することで、民間の代わりに大きなリスクを負うことになります。しかし、このようにして宇宙ビジネスを加速するのは、いかにもアメリカらしく感じますね。
Twitter - 広告収入の分配モデルを導入か?
イーロン・マスクがTwitterでの「広告収入の分配モデル」の導入をツイート
その資格を得るには月額8ドルのBlue Verified の加入者である必要あり
「Twitterを動画コンテンツの投稿先にしたい」とのアイディアもあり、収益化を多方面で模索か
先週金曜、イーロン・マスクが「Twitterの広告収入をクリエイターと共有することを始める」とツイートしました。これはYoutubeやTikTokが行う広告収入の分配モデルであり、所謂、クリエータエコノミーの代表例でありますが、その資格を得るにはTwitter の月額 8 ドルのサービス Blue Verified の加入者である必要があります。つまり「お金を稼ぐためには、先ずお金を使う必要がある」モデルですので、これがクリエイター達に受け入れられるかは微妙なところのようです。
イーロン・マスクは、これ以外にもTwitter社の収益化の施策を幾つか検討中であり、昨年11月のスタッフミーティングでは、YouTube が支払う金額よりも 10% 高い金額を提供することでYouTubeクリエイターが Twitter に動画を投稿するよう奨励するというアイデアも出ていたようです。このNewsletterで利用しているSubstackの買収にも興味を寄せており、イーロン・マスクはクリエータエコノミーの有様も変えてしまうのかもしれません。
Metaが管理職の削減を開始
Facebookを運用するMetaは、社内のマネージャーの数を削減する取り組みを開始しました。今後数週間で、所謂、中間管理職にあるマネージャー達に、個々のコントリビュータ(人材管理業務を行わないプレイヤー)として働くか、会社を去るかの選択を求めていくようです。CEOのMark Zuckerbergは、今月初めの第 4 四半期決算説明会で、意思決定をスピードアップするために「中間管理職の層を取り除く」ことを計画していると発言していましたので、これが形となったようです。ここ数か月で同社は従業員の13%を解雇し、人事評価の基準をさらに厳しくしていると伝えられています。
Zuckerbergは今年1年を「効率化の年」と位置付けています。色々な施策は現在のMetaの苦境を表しているとも受け取れられていますが、同社のメタバースに期待したいです。
実はポッドキャストも細々とやっています、試しに聞いてみてください。