Weekly Newsletter #121
シリコンバレー・バンクが破綻(僅か48時間で)/ フォードの自動運転技術で債権者の車を回収? / 自動運転トラックのEmbarkが会社精算へ / Google、Amazon、Facebookの元の名前をご存知です?
3月に入り寒さも緩んできたなと思っていたのですが、また雨降りとなりイマイチな天気が続いています。でも今週は日本からやってきた人が数名いまして、その中のアウトドア好きな人とピナクルズ国立公園へハイキングに行きました。途中小雨にも遭いましたが、概ね天気ももってくれました。楽しかったです。皆様も是非ベイエリアにお越しくださいw
シリコンバレー・バンクが破綻(僅か48時間で)
今週金曜、多くのスタートアップやベンチャー・キャピタルを顧客に持つシリコンバレー・バンクが経営破綻しました。この経営破綻はアメリカ史上2番目の大きなものであり、また僅か48時間で起きてしまった事から、多くの人が衝撃を受けています。簡単にまとめた時系列は以下となります。
水曜:
FRB(連邦準備制度理事会:インフレを食い止めるべく40年振りの高金利を導入)の金利引き上げに伴い、同行がバランスシート強化のために22 億 5000 万ドル相当の株式を売却する方針を発表。これが信用不安を呼び同行の株が30%急落。
木曜:
ベンチャー・キャピタルがヒステリックに反応。スタートアップにも現金回収を催し、取り付け騒ぎに発展。木曜時点で420億ドルという脅威的な預金が同行より引き下ろされる。同行の株価も60%ダウン。
金曜:
債務不履行に陥り経営破綻、規制当局が閉鎖
育成してきたベンチャー キャピタル コミュニティによって引き起こされたパニックで経営破綻というのは、何とも残念な事です。この経営破綻により、スタートアップが従業員への給料支払いが出来なる可能性もあるようです。また、有力VCの1つであるFounders Fundが前年度のファンドの半分に相当する10 億ドルをクローズして将来に回すとの発表もあり、スタートアップの資金調達が益々難しくなるのかもしれません。
フォードの自動運転技術で債権者の車を回収?
フォードが自動運転技術を使った「差し押さえコンピューターシステム」を特許出願
債権者の車両に嫌な音を絶え間なく流す、回収機関への自動運転、など
子供の送り迎えや食料品店への運転等、最低限の利用は可能とのこと
米国特許等が先月に公開した特許の中に、面白い技術がありました。米フォードが出願した技術なのですが、「差し押さえコンピューターシステム」というもので、車のローンを支払わない債権者の車両をリモートで操作して支払いを催し、それでも支払わない場合は最終的には車を差し押さえてしまう、というものです。具体的には複数の機能が検討されているようでして、「カーラジオから不快な音を絶え間なく発する」「エンジン、ブレーキ、アクセル、ライト、クルーズ コントロール、ウィンドウ コントロール、GPS などの機能を無効にする」「回収機関へ自動運転する」、などが検討されているようです。
流石にこれはやり過ぎなんじゃないか、とも感じますが、所有車が食料品店や子供たちを学校に送るなどの必要最小限の利用は、「地理要件」により可能にすることも出来るそうです。フォードがこの機能を実際に開発する予定は無いようなのですが、何とも面白い発想ですね。
自動運転トラックのEmbarkが会社精算へ
自動運転トラックの開発会社であるEmbarkが会社精算間近と見られている
同社は16ヶ月前にSPAC上場を果たしが収益化が出来ず
Embark以外の自動運転トラックを開発するスタートアップ達も厳しい状況下に
自動運転トラックの開発会社であるEmbarkが、先週金曜に大半の従業員へのレイオフと南カリフォルニアとヒューストンの両オフィスの閉鎖を発表、それを受け月曜時点で時価総額が6000万ドルにまで下がり会社精算間近と見られています。同社は16ヶ月前にSPAC上場を果たし一時は時価総額50億ドルにまで拡大したのですが、収益化を果たせず、苦境が続いていました。同社のSPAC上場は技術への楽観論から来ていたのですが、時代は変わり、「資本主義は収益前の企業へ背を向けるようになった」と共同設立者のRodrigues氏は金曜のメールで述べています。
Embark以外にも、自動運転トラックを目指す複数のスタートアップは苦境下にあり、また既に事業を閉じており(Otto: Uberに買収された後に閉鎖 / Starsky: 2020年に閉鎖 / Peloton: 2021年に閉鎖 / TuSimple: IPOを果たすも現在株価が95%ダウン / Aurora: SPACでIPOするも現在株価が90%ダウン)、この事業分野の難しさが浮き彫りとなっています。
Google、Amazon、Facebookの元の名前をご存知です?
景気の悪い話が続いてしまったので小ネタを1つ。GoogleやAmazon、Facebookの元の名前をご存知ですか?私も知らなかった事が多かったので、以下、ご紹介します。
Facemash -> thefacebook ->Facebook -> Meta
Facebookは元は “Facemash” として2003年にハーバード大学で始まりました。その後、ザッカーバーグが規律違反を起こし、thefacebookを別で立ち上げ、2005年にtheを取ってFacebookとなりました。2021年に社名をMetaに変更し、今に至ります。
BackRub -> Google -> Alphabet
後のGoogleはWebsiteのバックリンク解析を行なっていた事から ”BackRub” と名乗っていました。その活動において検索機能が発達した事から、社名をGoogleとして会社化し、今に至ります。
Odeo -> Twitter
Twitterはポッドキャストを提供する “Odeo” としてスタートしましたが、当時、iTuneが最大ライバルであったので、他事業領域としてマイクロ・ブログのTwitterを開始しました。
Relentless -> Amazon
ブラウザにrelentless.comと入力すると、amazon.com にリダイレクトされます。これは “Relentless“ がAmazonの元の名前だったからです。しかし、ジェフ・ベソスは辞書を引いていた時にAmazonという単語に出会い、会社名をAmazonに変更しました。
実はポッドキャストも細々とやっています、試しに聞いてみてください。