Weekly Newsletter #128
GoogleのCloud事業が初の黒字化(会計上の変更で / AppleがEpic Gameとの訴訟に勝利 / OpenAIが企業向けのデータ・プライバシー施策を発表 / AIが仕事を奪う(給料を奪う?
日本は連休ですがベイエリアは通常運転です。皆様、良いGWをお過ごし下さい!!
でも世界は動いていますので、少しだけ、テック業界のトレンドをこのNewsletterでキャチアップしておいてくださいw
GoogleのCloud事業が初の黒字化(会計上の変更で
第一四半期にGoogle Cloudが初の黒字化を達成
会計上の変更が大きな要因であるが、社内外のモメンタムはプラスに
AIチップ・ソフトウェア開発チームがCloud部門に移動、AIを活用したCloudビジネスの強化へ
Googleのクラウド部門が今季第一四半期にて初の黒字化(1.9億ドル)を達成しました。前年度同期には7.6億ドルの損失であったので大幅な改善と言えるのですが、この要因の多くは会計上の変更によるものです。具体的には、共有開発者ツール等の「一元的に共有されるR&D コスト」や「消費者向け活動をサポートする企業のイニシアチブに関連する特定の費用」はCloud事業に割り当てられていたのですが、それを各部門へと変更することでCloud事業へのコスト割り当てを削減したとのことです。この会計上の変更は、AWSとAzureに遅れをとるGoogle Cloud事業の市場シェアには影響しませんが、社内外の評判・モメンタムにはプラスに働くと見られています。
また、Google はクラウド部門にAI チップとソフトウェアを開発する主要チームを移動させました。これにより、クラウド顧客へのAIソリューション販売の強化を見込んでいるようです。検索ビジネスの転換期を迎えているGoogleの戦略に今後も注目です。
AppleがEpic Gameとの訴訟に勝利
AppleがEpic Gameとの訴訟に勝利
裁判所はAppleが州及び連邦レベルで反トラスト法を順守していると結論
Epic Gameの次の一手に注目か
AppleがEpic Gameとの訴訟で勝利しました。このApple対Epic Gameの訴訟は、Epic Gameがユーザーのアプリ内での購入に際し、Appleによる30%の手数料の支払いを不服に思いそれを回避する策を講じた事で、AppleがApp StoreからFortniteを削除し、Epic GameがAppleを控訴したことで始まりました。月曜の判決は、App Store が連邦法に違反しているというEpicの主張を却下し、Appleは州および連邦レベルで反トラスト法を順守していると結論付けるものでした。Appleはこの判決を「圧倒的な勝利」と呼び、App Store の継続的なメリットを宣伝しています。一方、「Appleが開発者をサードパーティの支払いオプションに誘導することを禁じることはできない」とした最初の判決を裁判所が支持したことについては、依然として「丁重に同意しない」と述べています。この判決は、売上高で少なくとも 4 億ドル相当を失った可能性があるEpic Gameにとり、大きな痛手となるでしょう。
しかし、セキュリティーに価格を設定するのは難しいですね、30%は確かに高いと感じますが。
OpenAIが企業向けのデータ・プライバシー施策を発表
OpenAIが企業向けのデータ・プライバシー施策を発表
ChatGPT利用による企業データを、OpenAIのモデル学習には使わないように
データ・プライバシーにセンシティブな大企業の利用が加速か・・
OpenAIが企業向けのデータセキュリティー施策を発表しました。「履歴オフ機能」の有効時は、ChatGPTの会話は履歴サイドバーに表示されず(新しい会話は 30 日間保持され、完全に削除される前に、不正行為を監視するために必要な場合にのみ確認される)、且つ、OpenAIのモデルトレーニングにも使用されません。また、企業向けのサブスクリプション・サービスでは、エンド ユーザーのデータはデフォルトでモデルのトレーニングには使用されません。これは、OpenAIがデータセキュリティー・プライバシーに敏感な大企業を含む、多くの企業を獲得を目指しているサインと取れそうです。また、OpenAIのGenerative AIは、他ソフトウェア企業や他スタートアップのソリューションに組み込まれる事例が多くなっていますので、そう言った意味でも、今回のセキュリティーへの配慮はプラスに働きそうです。
テクノロジーのみならず、OpenAIのビジネス戦略にも注目ですね。
AIが仕事を奪う(給料を奪う?
「AI」という言葉が、Meta、Alphabet、Microsoftの第一四半期決算説明会で200回以上使用され、ビッグテックのAIフォーカスが鮮明となりました。AI開発競争は激化していますが、一方でテック企業は緊縮財政の時代に入っており、Meta、Alphabet、およびMicrosoftはここ数か月で40,000人以上の雇用を削減しました。そう言った意味では、AI開発資金は従業員のレイオフにより賄われているという見方も出来ます。各テック企業は高価なサーバーとインフラストラクチャに費やすことを約束し、一方で、運用支出を削減しています。
これまでシリコンバレーは優秀な技術者を競合他社から遠ざけるため、出来る限りその才能を社内に留めておく事が通例でしたが、経済状況が劇的に変わり、「人にではなく機械にお金を使う」ことの価値が相対的に高まってしまっているのかもしれません。
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実はポッドキャストも細々とやっています、試しに聞いてみてください。