Weekly Newsletter #130
GoogleはOpenAIに追い付き、追い越したか?!(Google-IOより)/ Metaが広告主向けのAIツールを発表 / Tesla、テキサスにリチウム精錬所を着工 / OpenAIのCEO、リモートワークは間違いであり、もう終わった
5月中旬に入り、徐々に暖かい日が続くようになってきました。そろそろ、我が家で毎年恒例のチェリー狩りが楽しめそうです。毎回、食べきれないじゃないかと言うくらい、沢山のチェリーを採ってくるのですが、不思議と完食できます。こちらのチェリーは日本のサクランボのような繊細さはありませんが、代わりにワイルドさがあり、私は大好きですw
GoogleはOpenAIに追い付き、追い越したか?!(Google-IOより)
水曜日にGoogleのソフトウェア開発者向けの年次イベント:Google-IOが開催され、Generative AI関連の発表が幾つかありました。総じて、どれもがライバルのOpenAIがリリースしているものよりも先進的なものでは無かったようです。
<ChatBotはWeb検索から分離>
MicrsoftはChatBotをBeingに組み込みましたが、GoogleはBardを検索に組み込みませんでした。代わりに、(このNewLetterで既にお伝えした)コードネームMagiという検索用の新しい「実験的AI」機能を発表しています。これは、ユーザーが子供の自転車を探すといった複雑な検索クエリに答えてくれるものなのですが、会話型AIの検索活用というよりも、検索結果の外観を微調整したもののようです。
<AIツールは、概ねOpenAIリリース済みのものと変わらず>
Googleは幾つかの生産性を向上するAIツールを発表しています。ユーザーが作成したメモを元に、それを整理し洞察を引き出す機能や、ChatBotを使ってスプレッドシートや電子メールの作成、スライドのデザインの自動生成、コンピューター・コードの生成なども可能になるようですが、どれも既にMicrosftが提供している機能とそれ程変わらず、のようでした。
<新たな大規模言語モデルのGemini>
OpenAIのGPTに匹敵する新たな大規模言語モデルGeminiの存在が言及されました。この Gemini はまだ開発中ですが、これまでに作成された中で最大かつ最もコンピューティング集約型の AI モデルの 1 つになる可能性があるとのことです。
<Google Cloudで主要AI顧客を獲得>
主要なAI企業の1つであるCharacter AIをOracleから奪取し、Midjourneyとの取引も獲得したと発表しています。
Metaが広告主向けのAIツールを発表
Metaが広告主向けのAIツールを発表
広告コピーの代行、背景生成、画像トリミングなどが機能としてある
AmazonもGoogleも参入しており広告主向けAIは活況
Metaが広告主向けのAIツールを発表しました。これは「AIサンドボックス」と名付けられたツールであり、AIを利用してFacebookやInstagram広告コピーの代行、テキストプロンプトによる背景生成、画像トリミングの作成を支援する機能が盛り込まれているようです。広告主は、「広告の核となるメッセージを同様に保ちながら、さまざまな視聴者向けに同じコピーのさまざまなバリエーションを生成できる(広告コピーの代行)」、「 キャンペーン用の多種多様なアセットを簡単に作成できる(背景生成)」、「企業がソーシャル投稿、ストーリー、リールなどの短いビデオなど、複数メディア向けにそれに応じたアスペクト比でビジュアルを作成できる(画像トリミング)」、などでFacebookやInstagramへの広告をより効果的に活用できるようになります。
AmazonとGoogleも、広告主向けの生成AIツールの開発に取り組んでいおり、この分野のAI活用が活況となってきました。引き続き注目です。
Tesla、テキサスにリチウム精錬所を着工
Teslaがテキサス州にてリチウム製錬所の着工を進めると発表
EV車100万台のバッテリーに必要となるリチウムを生成できるはずと期待
「必要なものを敵対国に依存せず、自立できるようにしたいと考えてる」 - テキサス州知事
Teslaがテキサス州ロブズタウンにて、リチウム製錬所の着工を進めると発表しました。電気自動車メーカーがバッテリーに使用される金属の加工に進出したという点で、大きな注目を集めています。Teslaはこの施設で、EV車100万台のバッテリーに必要となるリチウムを生成できるはずと期待を寄せ、2025年に生産を開始することを目指しています。同社は従来よりバッテリーグレードのリチウムの不足に悩まされており、そのため引き続き、サプライヤーからのリチウム調達は当面継続するようです。
テキサス州知事グレッグ・アボットはマスク氏を賞賛して、「この新しい施設はエネルギー源の自立に向けたテキサス州の動きの一環である。 私たちは、必要なものを敵対国に依存せず、自立できるようにしたいと考えてる」と述べており、このTeslaの動きは地政学的な意味合いも持つこととなりそうです。
OpenAIのCEO、リモートワークは間違いであり、もう終わった
OpenAI CEOのサム・アルトマン氏がリモートワークに対して否定的コメント
著名VCのFounders Fund、リモートワーク企業には投資しない
依然、リモートワーカーの多くはリモートワークに肯定的
OpenAI CEOのサム・アルトマン氏がスタートアップにおけるリモートワークに対して否定的な見解を述べました。「ハイテク業界は長年、”誰もが永久にフルリモートで働くことができる、スタートアップは対面で集まる必要はなく、創造性も失われることはない”と信じていたが、その実験は終わったと言える、テクノロジーは十分ではない」と語りました。
同氏以外にも、ディズニーのボブ・アイガー氏、スターバックスのハワード・シュルツ氏など、複数のCEOがリモートワークへの否定的な見解を表明しています。また、著名ベンチャーキャピタルであるFounders Fundでゼネラル・パートナーを努めるKeith Rabois氏も「新興企業のリモートワークを信じていない、自身も会社もリモートワークに基づくベンチャーには投資しない。若い従業員は対面で徐々に学習し、上司が彼らを直に観察することで隠れた才能を発見する」の述べていました。
一方のリモートワーカーは、回答者の56%が在宅勤務が仕事を終わらせ締め切りを守るのに役立つと回答し、37%が在宅勤務は役にも立たず害もないと考えています。この乖離を企業はどう捉えるべきか、悩ましいですね。
今回は取り上げなかったけど面白かったニュース
イーロン・マスク、Twitterの新CEOにNBCユニバーサルのグローバル広告およびパートナーシップを担当するLinda Yaccarino氏を指名
プログラマーの技術質問に解答するPlatformを展開するStack Overflowもトラフィックが前年度比で14%低下
実はポッドキャストも細々とやっています、試しに聞いてみてください。