Weekly Newsletter #131
Twitterが人材テックを買収 - スーパーアプリへ一歩前進か / OpenAIが新AIモデルのオープンソース化を準備か / テロリスト・コンテンツの掲載訴訟でハイテク企業側が勝訴 / AppleのAR/VRヘッドセット - 年間予算が10億ドルを超え、懐疑的な幹部も
昨日の土曜、昨年に続いてサンフランシスコ近くにあるにある日本人墓地の清掃ボランティアに参加してきました。1860年に太平洋を渡った咸臨丸に乗船した3名のお墓もあり、まさにパイオニアである彼らの偉業を娘に説明しながら、お墓を綺麗にさせていただきました。
その帰りにチェリー狩りにも行ってきました。チェリー畑には多くの人が訪れ、皆楽しいそうにピックしていました。今年は昨年度の倍の量をピックしました。当分おやつはチェリーですw
Twitterが人材テックを買収 - スーパーアプリへ一歩前進か
Twitterが人材テックのLaskiesを買収へ
Twitterアプリの万能化へ(スーパー・アプリ)の一歩か
新CEOに現NBCユニバーサルのパートナー担当を指名、スーパー・アプリ戦略が注目
Twitterが人材テックのLaskieを買収するようです。Laskie社は求職者と企業を結ぶマッチングの技術に長けた企業であり、2021年12月にブルームバーグ・ベータなどの投資家からシードラウンドの600万ドルを調達していました。イーロン・マスクは先週に、Twitterでの出会い関するツイートに対し「Interresting idea, maybe jobs too(面白いアイディアだ、仕事もあるかもね)」返信していたので、それが実現した形ともなりました。
この買収はTwitterをスーパー・アプリ、支払いなど、何から何まで、全てが出来る万能アプリにするという野望の第一歩となるかもしれません。また、先週、Twitterの新たなCEOにNBCユニバーサルのグローバル広告およびパートナーシップを担当するLinda Yaccarino氏を指名しており(参考:シリコンバレー・コミュニティから見る「生成型AIの今と、その利用戦略」)、この文脈でのTwitterの動きに注目です。
OpenAIが新AIモデルのオープンソース化を準備か
OpenAIが新たなAIモデルをオープンソース化へ
MetaやDatabricksなどのオープン・ソース陣営の台頭が背景か
GPTとは別物となる模様、今後の戦略に注目
OpenAIが新たなAIモデルのオープンソース化を準備しているようです。OpenAIは2019年以降、自社AIモデルをオープンソース化していませんでしたので(ChatGPTの元となったAIモデルでるGPT3.5及びGPT4はクローズド・ソース)、大きな注目を集めています。この動きの背景は、生成型AIにおけるオープン・ソースの著しい台頭があるようです。実際、Metaがオープン・ソースとしてリリースした大規模言語モデルLLaMA-13Bが、僅か3週間でVicuna-13Bへと進化し、GoogleのBardとほぼ同様、ChatGPTの92%の出力にまで成長を遂げたことに例に、Googleエンジニアが「GoogleもOpenAIもオープン・ソースに飲み込まれる」と危惧を表明していました。
しかし、今回のオープンソース化はOpenAIの商用モデルであるGPTとは別物となる模様です。この動きがOpenAIのビジネスモデルにどう影響するのか、引き続き注目です。
テロリスト・コンテンツの掲載訴訟でハイテク企業側が勝訴
最高裁判所がコンテンツ掲載責任訴訟にてプラットフォーマー側を支持
連邦テロ法の基準は満たされないとの判断から
230条への直接的コメントは避ける
最高裁判所は全会一致で、海外のテロ攻撃におけるソーシャルメディアの責任を追求した訴訟でGoogleとTwitterたちプラットフォーマー側の主張を支持する判決を下しました。この訴訟は、テロリストのコンテンツを掲載・推奨したとしてプラットフォーマー各社の責任を問うたもので、2017年にトルコのナイトクラブで発生したISISの襲撃による犠牲者遺族がTwiterに対し、また2015年に発生したパリ襲撃事件の被害者遺族がGoogleに対して起こした訴訟です。連邦反テロ法は、テロリストの暴力行為を「故意に実質的な援助を提供することによって幇助・教唆した」者に対する民事訴訟を認めており、原告側はこの連邦反テロ法に基づきプラットフォーマーを訴えたのですが、判事は、厳密に調整された判決の中で基準は満たされていないと述べました。
この訴訟は、Section 230として知られるプラットフォーマーの法的保護の対象範囲の再規定にも関連するとして大きな注目を集めていましたが、明確な言及は避けたようです。しかし、「責任の範囲を拡大すれば、私たちが知っているインターネットを一変させることになる」と警告していたテック企業にとって、実質的な勝利とも言えるでしょう。
参考:インターネットを作った26文字 / Section 230の生い立ちと今の立ち位置
AppleのAR/VRヘッドセット - 年間予算が10億ドルを超え、懐疑的な幹部も
Appleが、6月の開発者向けカンファレンス(WWDC)でAR/VRヘッドセットを発表するようです。開発に7年を費やしたこのプロダクトは、ティム・クックCEOの当初のビジョンから大きく逸脱しているようでして、当初は1日中装着可能はメガネタイプが想像されていましたが、スキーのゴーグルのようで且つ外部バッテリーを必要とする製品となったようです。このプロダクトは年間予算が10億ドルを超え、また複数幹部(ソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長のクレイグ・フェデリギ氏とハードウェア技術担当上級副社長のジョニー・スルージ氏)が製品に対して懐疑的な姿勢を表明したと伝えられています。
これらの背景には、製品開発に深く関わるジョブスのアプローチとは異なる、「業務監督」に徹するティム・クックCEOのアプローチも影響したと言われているようですが、いずれにしても今後のAR/VR市場、メタバース市場をリードするであろう本製品に注目です。
今回は取り上げなかったけど面白かったニュース
Forbes:米国投資家の支援を受けLuminar Technologies CEOが買収へ
ベンチャーキャピタルの収益が10年ぶりの低水準に
Meta、イーコマース向けに買収したKustomerを売却へ
ChatGPTがAppleのアプリに
Youtube、サブスクリプションが好調で40億ドルの収益
実はポッドキャストも細々とやっています、試しに聞いてみてください。