Weekly Newsletter #133
AIが人類滅亡リスクを高めると専門家達が警告 / GPUレンタルのCoreWaveが2億ドルを調達、MSとの契約も獲得 / ローカルニュース保護法が可決、Metaはニュースを引き払うと脅し / SpaceX、ウクライナ向けの国防総省契約を獲得
6月2日はNational Donut Day:国際・ドーナツ・デーでした。アメリカ人はドーナツとアイスクリームが大好きですので(私の勝手な印象です)、このドーナツ記念日は盛り上がったことでしょう。私も、ちょうどこの6月2日の朝にドーナツを買いに行ったのですが、いつもより少し混んでいた気がします。私は甘すぎるドーナツよりも、ふわふわな、甘味控えめなドーナツが好きです。冒頭の写真は甘過ぎドーナツですw
AIが人類滅亡リスクを高めると専門家達が警告
専門家達がAIによる人類滅亡リスクを警告
AIリスクの検討はパンデミックや核戦争と同じく優先事項である
OpenAI CEO、MS CTO、Google AI責任者達が支持
AIが人類滅亡リスクを高めるとして、専門家達が警告を発しました。「AIによる絶滅のリスクを軽減することは、パンデミックや核戦争などの他の社会規模のリスクと並んで世界的な優先事項であるべきだ」と端的な22語で記された声明は、OpenAI CEOのサム・アルトマン、マイクロソフトの最高技術責任者および科学責任者、グーグルのAI研究機関ディープマインドのCEOであるデミス・ハサビス氏、AI政策の取り組みを率いるグーグル幹部2人にも支持されています。同じようなAIに対する懸念・規制も求める動きは以前にもあり、数ヶ月前、イーロン・マスク氏を含む1,000人以上の研究者や技術者は今年初め、AI開発が「社会と人類に深刻なリスク」をもたらすとしてAI開発の6カ月間の一時停止を求める声明を出していましたが、OpenAIやマイクロソフト、そしてライバルのグーグルは署名せずでしたので、今回の声明は注目を集めています。
この声明にはまだ具体的な救済策が提示されていませんが、アルトマン氏を含む一部の人々は国連原子力機関の方針に沿った国際規制当局の設置を提案していると言われています。1930年代の核科学者たちが「まだ爆弾は完全に開発されていない」にもかかわらず、人々に注意するよう警告していたのと同じアプローチのようです。
GPUレンタルのCoreWaveが2億ドルを調達、MSとの契約も獲得
GPUレンタルのCoreWaveが2億ドルを調達
MSとの数十億ドル規模の複数年契約も獲得
GPU枯渇にビジネスチャンスを見出すスタートアップや、クラウド事業者間のアライアンスに注目
AI処理に必要となるGPUを搭載したサーバーの貸し出しをするCoreWaveが、2億ドルを調達しました。同社は1ヶ月前にNvidiaなどから2.2億ドルを獲得しており、この異例とも言えるハイスピードの投資獲得は、AIブームによるGPUの枯渇状況を物語っているとも言えそうです。CoreWaveをはじめとしたスタートアップは、MSやGoogle、AWSなどの大手テック企業による独占で枯渇したGPUの供給を埋める存在として注目されています。
また、マイクロソフトはCoreWeaveとの契約(複数年で数十億ドルの契約)を進めているようです。これは、Microsoft がチップの大部分を製造している Nvidia から十分な GPU を購入できていないことの表れでもあり、時価総額1兆ドルを超えたNvidiaの立ち位置の強さが改めて浮き彫りとなりました。また、オラクルとマイクロソフトのGPUサーバー貸し出しアライアンスも伝えられており、クラウド事業者の動きにも注目です。
ローカルニュース保護法が可決、Metaはニュースを引き払うと脅し
ローカルニュースの保護を目的とした法案が可決
プラットフォーマーは収益の一部をローカルニュース発行者に支払い義務が発生
Metaはローカルニュースをプラットフォームから引き払うと脅し
カリフォルニア州議会は木曜日、テクノロジー企業に対し、コンテンツが生み出す収益の割合に基づいてコンテンツ供給者であるニュース出版社に支払いを義務付ける法案を、46対6の賛成多数で可決しました。この法案は「カリフォルニア・ジャーナリズム保護法」と呼ばれ、苦境に立たされている地元ニュース局や他メディアを救済すべく全米で進められている動きの1つです。(実際、カリフォルニア州内のメディア関係100社以上が過去10年間で倒産している)一方、Metaは「この法案は、出版社や放送局が自らコンテンツを我々のプラットフォームに載せていることや、カリフォルニアの地元ニュース業界の実質的な統合が15年以上前、フェイスブックが広く使われるよりずっと前に行われたことをこの法案は認識していない」と述べ、この法案が実行に移されれば、フェイスブックとインスタグラムからニュースコンテンツを削除せざるを得ないと、脅しとも取れるコメントを発しました。
この法案は今後上院で審議されることとなりますが、コンテンツ供給者とプラットフォーマーの関係は難しいですね。再編が進むメディア業界にも注目です。
SpaceX、ウクライナ向けの国防総省契約を獲得
SpaceXが、ウクライナの通信能力のサポートを意図する国防総省から、契約を獲得しました。2022年2月のロシア軍によるウクライナ侵攻以来、4000以上の低軌道衛星で実現されるスターリンクの衛星インターネットサービスは、ウクライナ軍、民間の双方にとり重要なアクセス源となっていました。しかし、2022年10月にスターリンク社は「無期限に提供する資金的な余裕はない、その維持には月額2000万ドルかかる」と述べており、サービスの継続が危ぶまれていました。
国防総省は「ウクライナが必要な衛星と通信能力を確保できるよう、さまざまな世界的パートナーと協力し続ける」と声明を出しており、今回の契約はSpaceXと国防総省の双方に恩恵のある契約となったようです。
今回は取り上げなかったけど面白かったニュース
実はポッドキャストも細々とやっています、試しに聞いてみてください。