Weekly Newsletter #137
GoogleがARメガネ開発を凍結へ / Databricksが生成AIスタートアップのMosaicMLを13億ドルで買収 / Doordash、ドライバーへの時給制を導入へ / NvidiaとSalesforce、AI動画スタートアップRunwayに出資へ
7月4日は独立記念日なので、3日の月曜を休みとして4連休とする企業も多いようです。それもあってか、ベイエリアの車や人が気持ち少なくなったような気がします。独立記念日は花火が有名なのですが、これまはいつも何処かに旅行に行っていたので、ゆっくりと見たことがありませんでした。今年はベイエリアにいるので、どこかで見たみたいと思いますw
GoogleがARメガネ開発を凍結へ
GoogleがARメガネ開発プロジェクトを凍結
今後はサムスンなどの他社製デバイス上で動くソフトウェア開発に注力
MetaはVRのサブスクサービスを開始へ
Googleが拡張現実メガネの開発プロジェクト(プロジェクト・イリス)を中止すると発表しました。これはGoogleのAR/VRのプロジェクトを統括していた上級幹部のクレイ・ベイバー氏が元Salesforce CEOのブレット・テイラー氏をスタートアップを立ち上げるために退職してから数ヶ月後の発表となりました。今後は、サムスンなどの他社製のARデバイス上で実行させるソフトウェア(Android XR)の開発に注力するようです。
一方、同じくARグラスを開発しているMetaは、早ければ来年にもデバイスの初期バージョンを開発者に提供する予定と見られています。また、MetaはVRビジネスを強化すべくVRのサブスクサービスの開始を発表しました。この「Meta Quest +」は月額7.99ドル(年間59.99ドル)で毎月2つのゲームが入手可能となるサービスであり、AR/VRハードウェアで年間数十億ドルの損失を出しているMetaにとり重要な取り組みとなるでしょう。
AppleもVision Proをリリースしましたが、このAR/VR分野の再編が起こるのか注目ですね。
Databricksが生成AIスタートアップのMosaicMLを13億ドルで買収
Databricksが生成AIのMosaicMLを13億ドルで買収へ
企業は独自データで独自MLを構築可能となる
データプライバシーや、汚染学習データによる結果の歪みに対し有力か
Databricksが生成AIスタートアップのMosaicMLを13億ドルで買収すると発表しました。Databricks(データ分析統合プラットフォームを提供)は創業10年で時価総額380億ドルの企業にまで成長しており、昨今の生成AIへの需要の高まりからこの買収を決めたようです。このMosaicML買収は、OpenAIがあらゆるデータをMLモデルに取り込むため利用を躊躇していた企業にとり朗報です。Databriksにより、企業は自らのデータを使って独自のMLモデルを構築出来るため、機密情報の取得や企業コードの自動作成など、社内での使用に適した AIツールを作成できることとなります。
Databricks CEOのアリ・ゴッチ氏は「モデルをゼロから構築すれば、そのモデルに何を与えたかは当然分かる」と言い、OpenAIなどが提供する既存モデルは直ぐに使える一方で、結果を歪める可能性のある汚染データが満載であると警告しています。このDatabricksのMosaicML買収は、MLモデルの構築に際して、データ・プライバシー、学習データ汚染に対しては有力な解となりそうです。一方でネットワーク効果は、、どうなのでしょうね。
Doordash、ドライバーへの時給制を導入へ
Doordashがドライバーへの時給制オプションを導入
注文受付から配達完了までの時間が給与発生、待ち時間は含まれない
ギグワーカーの従業員化への圧力への対応か・・(NYCでは来月より最低賃金が義務付け)
Doordash(フードデリバリーサービス)がドライバーへの時間に基づく給与、所謂、時間給のオプション導入を発表しました。この取り組みは、ギグワーカー/フリーランスのドライバーを従業員として扱うべき、という都市や州からの圧力に応じた動きととれそうです。実際、ニューヨーク市は来月からアプリベースの配達ドライバーに最低賃金を義務付けており、UberやLyft、Doordashの対応に注目が集まっていました。
この新たな時給制は注文を受けてから配達が完了するまでの時間で換算されるため、ドラバーの待ち時間には給与は発生しません。また、ドアダッシュの既存のドライバーへの支払い方法は「配達毎の保証最低金額 + チップ」なのですが、この既存方式も選択肢としては残されるとのことで、ドライバーとしてもどちらを選択した方が得なのか、悩ましいかもですね。
NvidiaとSalesforce、AI動画スタートアップRunwayに出資へ
NvidiaとSalesforce Venturesが、 文章による説明から動画を生成する、AI動画の生成企業Runwayへの1億4100万ドルの出資を発表しました。Runywayは、つい先月にGoogleからも出資を受けており、同社の時価総額は15億ドルとなりました。Nvidiaからの投資は、Runway社にとり特別なものとなりそうです。と言うのも、現在、AI需要の高まりからNividia社製のGPUを持つサーバーを用意するのは非常に難しくなってきており、AIスタートアップ各社は頭を悩ませています。このNvidiaからの出資により、Runway社は優先的にNvidia製GPU搭載サーバーへアクセスできるようになると見られています。
Nvidiaは、MLモデルの開発と実行を同社GPUに依存しているAIスタートアップへの投資を、積極的に行うようなりました。ChatGPTと同様のAIモデルを開発するInflectionにも投資を発表しています。このInfectionはマイクロソフトからの投資も得ており、MS社のAI全方向な戦略にも注目が集まります。
今回は取り上げなかったけど面白かったニュース
実はポッドキャストも細々とやっています、試しに聞いてみてください。