Weekly Newsletter #138
MetaのThreadsが2日間で7000万人、Twitterは訴訟へ / バイデン政権、中国企業による米国クラウドアクセスを制限か / 裁判所、米政権がSNS各社に圧力をかけるのを阻止 / Tesla、中国での価格競争を終わらせる誓約に署名
ベイエリアはいい天気が続いており、ようやくプールが気持ち良い季節となってきました。夏休み中の娘も、サマーキャンプ(夏休み中の、集中習い事のようなもの)とプールを交互に楽しんでいます。私も時々、プールを楽しみます。昨日は本気で泳ぎ過ぎて、いま筋肉痛ですw
MetaのThreadsが2日間で7000万人、Twitterは訴訟へ
MetaのThreadsが2日間で70万人の登録
Mastodon、Bluesky、Spill などのTwitter代行アプリの筆頭へ
一方のTwitterはMetaがTwitterの知的財産を不正流用していると、訴訟の構え
MetaのTwitterライバルアプリであるThreadsが、リリースされた初日で3000万人、僅か2日間で7000万人の登録者を獲得しました。Twitterは、AI企業がMLモデル学習のためTwitterデータへ大量にアクセスうする「スクレイピング」を防ぐ為にTwitterアクセスに制限を設けたことでユーザーからの不満が噴出しており、多くの人が代行アプリ必要なのでは・・、と身近に感じていたことも、Metaにとり追い風となったようです。一方のTwitterはMetaに対し訴訟準備を進めていると伝えられています。Twitterの弁護士は「Metaが、Twitterの知的財産を組織的、意図的に不正流用している。Theadsアプリの構築のため数十人の元ツイッター従業員を雇用している」と非難する書簡をザッカーバーグ氏に送っています。
Twitterの代行アプリは、Mastodon、Bluesky、Spill などがありますが、今回のMetaによるThreadsは、Instagramの巨大なユーザー数がベースになると考えられるため(Instagramのアカウントがあれば簡単に登録できる)、Twiiterにとり深刻な脅威となるでしょう。Twitter現CEOの ヤッカリーノ氏は木曜日、Twitterは「よく模倣されるが、Twitterコミュニティは決して真似できない」とツイートしていますが、かなり気にしているのではないでしょうか。
バイデン政権、中国企業による米国クラウドアクセスを制限か
バイデン政権が中国企業による米国クラウドへのアクセス制限を検討
中国は半導体、5G基地局、太陽光パネル建設に不可欠な金属の輸出を制限を検討
技術・経済戦争の終着点に注目が集まる
米中の緊張が高まっています。バイデン政権が中国企業による米国のクラウドコンピューティングサービスへのアクセスを制限する準備を進めていることが明らかとなりました。具体的には、先進的な人工知能チップを使用したクラウドコンピューティングサービスを中国の顧客に提供する前に、米国政府の許可を得る必要があるとされています。バイデン政権は国防総省が使用する半導体への依存状況の改善や最新技術の流出を阻止すべく、530億ドルのチップ法による国内生産の強化や、中国への最新AIチップの輸出規制などを進めてきました。しかし抜け穴も多くあったため、この動きは、中国へのチップ輸出規制の抜け穴をふさぐことを意図しているようです。しかし、これにより、世界の経済大国間の関係がさらに緊張する可能性も懸念されています。
実際、中国も反応しており、半導体、5G基地局、太陽光パネル建設に不可欠な2つの金属、ガリウムとゲルマニウムの輸出を制限する計画を進めているようです。
裁判所、米政権がSNS各社に圧力をかけるのを阻止
裁判所が、米政権がSNS各社に圧力をかける事を禁止する判決を出す
コロナワクチンの有効性を疑問視する投稿を「偽情報」として、削除を求めていた
しかし、政治的なコンテンツの削除も求めていた事が判明し、問題視されていた
裁判所が、バイデン政権がSNS各社に圧力を掛けることを禁止しました。ここで言う「圧力」の多くは、コロナワクチンやマスクの有効性を疑問視した投稿であり、これらを「偽情報」として削除を要請していたのですが、中には政治的なものも含まれていたようです。例えば、ホワイトハウス担当者が、バイデン大統領の孫娘に関連するパロディアカウントを「即時」削除するようTwitterに求め、実際45分で削除された、というケースもあったようです。また、2020年のロックダウン政策に疑問を呈していた医師による投稿も当局からの圧力で削除されたようであり、今回の判決では、このような圧力は不当であると判断された事になります。
一方バイデン政権は、この判決を差し止める緊急命令を出すとも伝えられており、まだ一悶着ありそうです。
Tesla、中国での価格競争を終わらせる誓約に署名
Teslaが、中国国内での価格競争を終わらせようとする誓約書に署名しました。これは上海で開催された中国自動車フォーラムでのことであり、中国最大の競争相手であるBYDやTeslaを含む16のEV社が、以下4項目(意訳)からなる制約に署名しています。
業界の規則と規制を守り、公正な競争を維持する
虚偽の宣伝や誇張をせず、マーケティングや広告方法に慎重に行う
高品質の製品とサービスを提供し、生活の向上に貢献する
社会主義の中核的価値観を推進し、社会的責任を果たし、成長と信頼の強化に努める
Teslaはこの誓約に署名した唯一の外国企業となったのですが、Teslaにとり中国市場は最大市場の1つであり、実際、ここ数カ月の定期的な値下げにより世界中でテスラの売り上げが急増していました。
4項目目の「社会主義の中核的価値観を推進」というのが、今後、物議を醸すかもしれませんね。
Treadsの登録者数に誤りがありました。
70M人でしたので、70万人ではなく、7000万人でした。
大変失礼いたしました。