Weekly Newsletter #141
イーロン・マスクの AI スタートアップは、彼の王国にとり何を意味するか? / バイデン政権からの圧力を受け、AI開発企業がセーフガートを導入 / ChatGTPはケニアの労働者のトラウマな仕事の上にある? / Lyftが自転車レンタル部門を売却か?
Diner(ダイナー、高くないレストラン)で朝ごはんを食べるのが好きです。カリカリベーコンに目玉焼き二つとポテト、更にトーストかホットケーキも付くので、完食すると苦しくて当分はもういいや、という気分になるのですか、数日経つとまた行きたくなります^ - ^
イーロン・マスクの AI スタートアップは、彼の王国にとり何を意味するか?
イーロン・マスクの新たなAIスタートアップの意味づけに注目が集まる
テスラと目的が被るのを気にする投資家もいるが、むしろ、補完的との事
テスラの次世代スーパーコンピュータのDojoの共有も検討か
イーロン・マスクは多くテクノロジー企業を率いています。彼の一連の企業は互いに助け合ってきたとも言え、各社の意味づけは明確でした。テスラは自動車、スペースXは人類を惑星間種に進化(火星に行く)、ボーリング社はトンネル、Neuralinkはブレインコンピューター、Starlink は衛星インターネット、 Twitterは対人コミュニケーションです。しかし、テスラは単なる自動車会社ではなく、自動運転技術も考えるとAI企業とも呼べます。実際、テスラはDojoと呼ぶスーパーコンピュータを自ら構築しAI開発を進めています。
ここで新たに王国に加わったAIスタートアップの xAI が何を意味するのか、改めて注目を集めています。マスク氏は「両社は補完的であり、それが実際にテスラの価値を高めることになると思う」と語っています。テスラは自動運転開発のための画像解析が中心でしたが、新たなxAIは生成AIの開発を掲げており、両社のフォーカス分野は微妙に異なります。そこで、両社は人材交流や、テスラが開発する新たなスーパーコンピュータの次世代Dojoの共同利用(画像解析だけではなくLLMも対象に拡大)を検討しているようです。
ビジネス巧者のマスク氏の戦略に注目です。
バイデン政権からの圧力を受け、AI開発企業がセーフガートを導入
ホワイトハウスからの圧力を受け、大手AI開発企業7社がセーフガードの導入に合意
リリース前の外部専門家からのモデルテスト、安全を優先する姿勢などが項目として挙げられた
民主党、共和党の超党派による「デジタル消費者保護委員会法」にも注目か
大手AI開発企業7社(Amazon、Anthropic、Google、Inflection、Meta、Microsoft、OpenAI)が、ホワイトハウスからの圧力を受け、AIモデルに関連する情報を共有して潜在的な危害を軽減するための取り組みを約束しました。ここで合意された安全対策には、リリース前の専門家によるモデルテストや、コンテンツがAIにより生成されたか否が分かるようにする、またAIによる偏見や差別を回避するための研究を優先する、などの取り組みがあります。これは、政府主導でのAI分野を制御するための取り組みととしては初となる見込みであり、その意味でも注目を集めています。
同じような文脈で、民主党のエリザベス・ウォーレン氏と共和党リンジー・グラハム氏が、ネットいじめからプライバシー、反トラストまで幅広い問題についてテクノロジー企業を監督する新しい規制当局の設立を求める超党派法案「デジタル消費者保護委員会法」を提出予定です。
AIへの規制も本格的になってきました。引き続き、注目してお伝えしていきます。
ChatGTPはケニアの労働者のトラウマな仕事の上にある?
ChatGPTの開発に、低賃金のケニア人労働者が貢献している
AIが不適切なコンテンツを生成しないようフィルターする業務であり、需要も拡大している
AIを安全に利用するために必要な工程であるが、時に従業員がトラウマを経験することも
ChatGPTに代表される生成AIが、接客業から脚本家に至るまで、あらゆるところで人間に取って代わるのではと言われていますが、このテクノロジーは、ある種の人間による労働、時にトラウマともなる労働に依存しています。記事では、ケニアの労働者が低賃金でChatGPTのクリーンアップ作業に取り組んでおり、攻撃的またはグロテスクな内容からトラウマを経験していると報告されています。つまり、ChatGPTが不適切な回答を出さないように、彼らが不適切なコンテンツ(暴力、嫌がらせ、自傷行為、強姦、児童性的虐待、獣姦に関する記述など)を分類してAI安全フィルターを構築する役割を果たしいるわけです。この仕事はAI技術をより安全に活用するために必要な作業とされており、専門のアウトソーシング会社も数社存在しています。
記事では、働いていた男性(ストレスから鬱となり離婚を経験)の1人のコメントがありました。
「自分がChatGPTに貢献できた事を誇りに思うが、一方で見返りとして受けとったものは十分だったのかと自問してしまう。」
我々が日々使うChatGPTの背景にこういった物語があると思うと、何とも複雑ですね。
Lyftが自転車レンタル部門を売却か?
Lyftが自転車レンタル部門の売却を検討か
配車サービスで苦戦が続くため、コストのかかるバイク部門を売却して、本業に専念したい模様
売却先有力候補のLimeはUberとの関係が強いので、実現するかは微妙なところ
Lyftが、ニューヨークやサンフランシスコなどの都市部で人気のシティバイク部門の売却を検討しているようです。このバイク部門は、2018年に2億5000万ドルでモチベーションを買収し、凡そ4億ドル程を投資したと言われていますが、この投資は回収出来なかったようです。Lfytとしては、この厄介なレンタルバイク事業を手放して本業に専念したいのでしょう。(本業の配車サービスはフラットフォーム提供のみで自動車を保有しないが、バイク事業は自転車を保有し、そのメンテナンスや充電に多額の資金がかかる)
レンタルバイクやスクーターレンタル等の所謂「マイクロ・モビリティ」事業は、Lyftに限らず、苦戦が報じられており、買い手が見つかるかは不透明ですが、有力な候補はサンフランシスコでもサービス展開しているLime社と見られています。しかし、Lime社はUberとの関係が深いため、実現性が疑問視されてもいるようです。
今回は取り上げなかったけど面白かったニュース
実はポッドキャストも細々とやっています、試しに聞いてみてください。