Weekly Newsletter #144
Meta: 無料のコード自動生成AIをリリースか / Googleの対OpenAI戦略、Geminiの実力は?? / Microsoft、Databricksとの連携でオープンソースAIにも触手を / ニューヨーク市で、市所有の端末でTikTokが禁止に
カリフォルニアに84年ぶりにハリケーンが到来しそうとの事で、特にサンディエゴなどの南部で強く警戒されています。知り合いのスタートアップで働く数名が南部に住んでいたりもするので、ちょっと心配です。カリフォルニアの夏の天候問題は山火事と水不足、と相場は決まっていたのですが、、まさかハリケーンが来る事になるとは驚きです。
Meta: 無料のコード自動生成AIをリリースか
Metaが無料のコード生成AI、Code Llamaをリリースか
MSやOpenAIの有料ツール(GitHub CopilotやCodex)と競合へ
クローズドAIとオープンソースAIの戦いが鮮明化するか・・
Metaがプログラミング コードの自動生成を支援する Code Llama という、無料で使えるオープンソース AI モデルの導入を計画していると報道されました。来週にでもリリースされると予想されるCode Llamaは、Metaの既存のLlama 2をベースに構築されています。このLlama2の前身のLlamaは、Metaがリリースした僅か3週間後にはVicuna-13Bへと進化し、GoogleのBardとほぼ同様、ChatGPTの92%の出力を達成したことで、オープンソースコミュニティーの威力を見せつけたとして注目を集めました。(参考;GoogleのAI研究者、GoogleもOpenAIもオープンソースに飲み込まれる)また、これらのオープンソースAIは、OpenAI・Google・Microsoft などの業界大手が提供する有料ソリューションに縛られることなく企業が独自の AI アプリケーションを作成できるようになり、且つ無料ということで、OpenAIやGoogle達が目指すビジネスモデルを破壊しつつあります。このCode Llamaも、OpenAIやMicrosoftが持つ既存の有料AIツール(GitHub CopilotやCodex)と直接的に競合する事となるでしょう。
クローズド vs. オープンソースの戦いに注目です。
Googleの対OpenAI戦略、Geminiの実力は??
Googleの対OpenAI戦略の中心にあるGeminiは、AIの究極モデルに近しいマルチモーダルか・・
単一のAIモデルで、テキスト、数値、画像、音声などを分析
Google Cloudでの課金も検討している模様
Googleの、対OpenAI戦略の中心にあるGeminiの詳細が、徐々に明らかとなってきました。今年4月、GoogleはOpenAIを追い越すために、異なる文化・異なるコードを持つ2つのAIチーム、Google BrainとDeepMindを統合すると発表しました。そして出てきたのが「Gemini」なのですが、このGeminiは、GPT-4 のような LLM のテキスト機能、Midjourney や Stable Diffusion と同様のテキストの説明に基づいて AI 画像を作成する機能、ユーザーが見たいものの説明に基づいて詳細なビデオを自動的に生成する機能などを持つ、所謂、多くのAI研究者が次のフロンティアとして信じる「マルチモーダルAI(文章、数値データ、画像、音、ななどの複数の異なる種別のデータを解析出来る、単一のAIモデル)」を目指しているようです。
Googleは、ChatGPTと競合するBardから、Google DocsやSlidesなどのエンタープライズアプリに至るまで、さまざまなサービスを強化するためにGeminiに賭けており、Google Cloudサーバーレンタル部門を通じてGeminiへのアクセスに対してアプリ開発者への課金も検討しているようです。
このGeminiプロジェクトには、共同創設者のセルゲイ・ブリン氏も参画しているとのことで、Googleの本気度が伺えます。リリースが楽しみですね。
Microsoft、Databricksとの連携でオープンソースAIにも触手を
Microsoft、Databricksとの連携でオープンソースAIにも手を伸ばす
顧客はAzure経由でDatabricksを使い、AIモデルを一から作成することが出来る
ChatGTPで調べつつ、DatabricksでAIモデルを一から作る企業も出てきそう・・
MicrosoftがDatabricksと連携し、顧客が独自のAIアプリを作成できるようにする新しいソフトウェアのリリースを計画しているようです。これは、OpenAIなどのAIプロバイダーからソフトウェアをライセンス供与する従来のビジネスとは対極にあることから、注目を集めています。Databricks が提供するのは、クライアントが独自の AI モデルを一から構築したり、既存のオープンソース AI モデルを再利用したりできるデータ分析用のプラットフォームであるので、この提携により、MicrosoftはOpenAIによるクローズドAIとDatabricksによるオープンソースAIの双方を持つ事となります。オープンソースコミュニティは、MetaのLlamaを僅か3週間でChatGPT相当にまで押し上げた実績もあり、今回の動きはMicrosoftにとり、このままクローズドAIに賭け続ける危険を回避したとも言えそうです。
記事には、ChatGTPで調べながらDatabricksによる独自AIモデルを作る企業も出てくるかも、とありました。確かにそれはありそうですねw
ニューヨーク市で、市所有の端末でTikTokが禁止に
ニューヨーク市にて、市所有の端末でTikTokが禁止に
「市の技術ネットワークにセキュリティ上の脅威を与えている」ことが判明したため
同様の動きは以前からあるが、今回はNYC市の動きであり、注目される
ニューヨーク市は市所有の端末からTikTokを使用することを禁止し、政府機関に対し今後30日以内にアプリを削除するよう求めました。水曜日に発令されたこの指令は、ニューヨーク市サイバー司令部による審査の結果、TikTokが「市の技術ネットワークにセキュリティ上の脅威を与えている」ことが判明したことを受け、発令されました。市職員は直ちに同アプリのダウンロードや使用、市所有の端末からTikTokのウェブサイトにアクセスすることが禁止されたようです。
このような動きは以前からあり、今年2月には連邦政府職員の公用端末での使用が禁止、3月には下院委員会が国内におけるTikTok利用を全面禁止する法案を可決(立法には両院での可決と大統領署名が必要)、モンタナ州では州全体でアプリを禁じる法案が州知事により署名されています(TikTokがモンタナ州民の言論の自由を侵害しているとして、州を訴えている)。
多くの人、特に若者達が日々、TikTokを使っているので、これらの動きは何とも現実感を感じないのですが、少しつづ進でいるのですね。
今回は取り上げなかったけど面白かったニュース
実はポッドキャストも細々とやっています、試しに聞いてみてください。