Weekly Newsletter #147
中国政府、国内チップ製造に400億ドルを支援/Apple、Armとの契約を2040年まで延長/自動車産業がビッグテックと同等のデータを収集、保管、販売/ディズニー社とCATV事業者の喧嘩で大学フットボールがTVで見れなくなる?
レイバーディも過ぎて、ベイエリアも少しづつ秋らしくなってきました。朝晩は冷えるので、パーカーを着て外に出る事も増えてきています。気の早いスーパーでは、ハロウィンのコーナも設置され初めています。
先週はMonster Jamという、どデカい車が爆音で走るイベントを見てきました。タイヤが人の背丈くらいある車が飛び跳ねるのは、見ていて爽快でしたw
中国政府、国内チップ製造に400億ドルを支援
中国政府が国内でのチップ製造に400億ドルの支援を発表
米国政府の輸出規制もあるため、海外技術への依存を減らしたい意図
Huaweiの最新スマホからは、中国が米国の制裁に、技術的に対応出来ているとも読み取れる
中国政府は、米国の制裁により中国の先端チップおよびチップ製造へのアクセスが制限されている中、国内の半導体産業を支援するために、新たに400億ドル規模の基金を設立する計画です。この動きは中国政府の外国技術への依存を減らす取り組みの一環として行われています。米国とその同盟国は最近、オランダ企業ASML社製といったチップ製造装置の中国への輸出を制限しており、中国の半導体業界に影響を与えていました。
しかし、ファーウェイの最新ハイエンドスマートフォンMate 60 Proからは、中国企業が米国の制裁に部分的に対処出来ていることが伺えます。ファーウェイは7ナノメートル製造プロセスと自社製5Gモデムを使用してモバイルプロセッサを製造しており、これは世界最先端のチップ製造技術に比べて2世代遅れていますが、中国の大手チップメーカーにとって重要な進展です。
一方、中国政府は中央政府機関に勤務する職員に、アップルのiPhoneや他の外国ブランドのデバイスを仕事に使用したり、オフィスに持ち込んだりしないよう命令しました。これが中国消費者の需要にどのように影響するかは不明ですが、中国はアップルにとって重要な市場であり、2021年7月1日までの四半期では、中国本土と香港、台湾、マカオを含む中華圏がアップル全体の収益の19%を占めています。
Apple、Armとの契約を2040年まで延長
Apple、Armとの契約を2040年まで延長
RISC-Vなどのオープンソース技術の進歩がある中でのArmとの関係強化であり、注目される
Armは520億ドルでIPO予定
Appleが、Armとの長年にわたるパートナーシップを継続し、ArmのIPOを支援する計画を発表しました。この契約延長は両社の歴史的な協力関係を強化しますし、また新たな可能性も想像できます。
Armは1990年に、Appleと他の2つのテクノロジー企業との合弁会社として設立されました。この合弁会社の最初の試みであるNewton MessagePadは失敗に終わりましたが、Armの低消費電力チップは携帯電話用市場での優位性を確立しました。Appleは1990年代後半に再建資金を調達するためにArmの株式を売却しましたが、火曜日、Armの新規株式公開(7億3500万ドル)に投資した多くの大手テクノロジー企業の1社となり、再度、関係を強化しています。報道によると、AppleはArmの設計に関して高度なアーキテクチャライセンスを保持しており、これによりArmの設計を自由に変更したり修正することが可能なようです。この動きは、最近のRISC-Vなどのオープンソース技術の進歩がある中でなされたものであり、Armの技術に対するAppleの信頼と期待を反映しているとも言えるでしょう。
Armは火曜日に、今年米国市場での最大の新規株式公開額となる520億ドルの価格設定を発表しました。AppleとArmのパートナーシップの延長は、Armにとり大きな追い風となるようです。
自動車産業がビッグテックと同等のデータを収集、保管、販売
自動車産業はビックテックと同等のデータを収集し、多くが販売もしている
そのポリシーが不明確でありオプトアウトも出来ない点に避難が集まる
今後、自動車業界へのデータプライバシー規制の声が高まるか・・
自動車業界は、ビッグテック企業と同等のデータを収集しており、その活用についての透明性が不足していることが、非営利団体Mozilla(Firefoxブラウザを開発している)による報告書で明らかとなりました。この報告書によると、20社以上の自動車メーカーは、所有者に関する幅広い情報の「収集・保管・販売」に関するポリシーを持っているものの、その詳細は不明瞭であり、ドライバーにオプトアウトする手段も提供されていないと述べられています。
実際、自動車メーカーは、雇用履歴、購入履歴、学歴、インターネット閲覧履歴、位置データ、エンターテイメントの嗜好、在留資格、宗教・哲学的信念、健康情報など、幅広い個人情報を追跡・取得しているようです。また、 自動車メーカーのうち 4 社を除くすべての企業は、顧客データの少なくとも一部を販売できる、または実際に販売していると述べています。
報告書では、米国では個人データの取引や保管に関する規制が不足しており、情報の売買が活発化しているとの指摘がありました。これを受け、自動車業界での個人情報の保護や透明性についての規制強化の声も強まるかもしれません。
ディズニー社とCATV事業者の喧嘩で大学フットボールがTVで見れなくなる?
何百万人ものアメリカ人が、大学フットボールの試合を視聴できなくなる可能性
ケーブルテレビ会社とコンテンツプロバイダー(今回はディスニー)の争いによるもの
CATV事業者の対応にウンザリするユーザーも多い
夏が終わりアメフトなどのスポーツの季節が到来しますが、何百万人ものアメリカ人が、全米オープンテニスや大学フットボールの試合を視聴できなくなる可能性があるようです。これは、ディズニーとチャーター社との間の意見の相違によるものです。
アメリカで2番目に大きなCATV事業者であるチャーター社は、ディズニーのケーブルチャンネルで既に放送されている多くのコンテンツがストリーミングサービス(Disney+)でも利用可能であり、且つ同社はディズニーに年間22億ドル以上の放映料を支払っているので、故に同社のユーザーに対してはDisney+などへの無料アクセスが提供されるべきだ、と主張し、これが通らないのであればディスニー系列のTVコンテンツをブラックアウトすると脅しています。一方のディズニーは、Disney+やESPN+などのストリーミングサービスに数十億ドルを費やしてる現状を説明し、チャーター社のサービスを無料で提供したいと言うのは見当違いだ、と非難しています。
このような争いによるコンテンツ・ブラックアウトは一般的なのですが、また一方で、ウンザリしたユーザのケーブルカットも呼んでおり、CATV事業者のビジネスドライブに注目が集まります。
今回は取り上げなかったけど面白かったニュース
ポッドキャスト、リニューアルしました。
今週の「今回は取り上げなかったけど面白かったニュース↑」を紹介しています。
10分程度なので、聞いてみてください。