Weekly Newsletter #148
テクノロジー界の重鎮と米国上院議員が非公開会議でAI規制法案を検討 / もう店を閉めるしか無い?? Square(決済処理サービス)障害の影響 / AIで数ヶ月先の気候を予測することの意味 / Nvidia、インドのReliance、Tata との AI パートナーシップを発表
我が家ではピザ・ムービー・フライデーなるものを導入していまして、毎週金曜、家族でピザを食べな映画を見ています。先週はハワイアンピザを自宅で作りました、美味しかったですw
テクノロジー界の重鎮と米国上院議員が非公開会議でAI規制法案を検討
テクノロジー界の重鎮達が、上院議員と非公開でAI規制法案をディスカス
大きな意見不一致は無く、政府主導のAI規制を各社が求めた
著作権侵害、プライバシー侵害、人種差別、中国関係、など議論すべき分野が数多くある
イーロン・マスク、ビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグ、Google・Microsoft・Nvidiaの各CEO等を含むテクノロジー業界のカリスマが、AI規制法案について議論するため、60人以上の米国上院議員と非公開会議を実施しました。テスラのCEOであり、X(旧ツイッター)のオーナーでもあるイーロン・マスクは、AIの潜在的な脅威に警鐘を鳴らし、一方、ビル・ゲイツはAI技術が世界の飢餓問題に対処するのに役立つ可能性があると期待を表明しました。また、この非公開会議の発案者であるシューマー上院議員は、すべての参加者が政府主導のAI規制が必要であるとの共通認識を持っていたと述べています。議論の焦点の一つは、"オープンソース"のAIにも置かれました。これらのシステムにより、企業や研究者は高額なトレーニング費用をかけることなく、ChatGPTなどのAIテクノロジーを開発できるようになります。しかし、同時にこれらのシステムは悪用される可能性も指摘され、Meta(旧Facebook)が開発したLlama2が槍玉に上げられましたが、一方でオープンソースはAIへのアクセスを民主化し、競争を促進し、イノベーションを推進する手段としての役割も持つとザッカーバーグは主張しています。
AI規制法案は、著作権侵害、プライバシー侵害、人種差別、中国との経済関係、政府による軍事利用など、多くの分野に関連していますが、具体的な法案の範囲が不透明であることが課題とされています。今後、社会でAI技術が広く普及すると当時に、AI規制の議論も活発化しそうです。
もう店を閉めるしか無い?? Square(決済処理サービス)障害の影響
決済サービスのSquareが18時間の停止
小売店や個人レストランで支払いが出来ず、大きな影響が出た
サービスダウンをX (旧Twitter) でしか伝えなかった事も不評を呼ぶ
先週木曜と金曜の18時間、Squareサービス停止が発生し、これにより同社の決済処理サービスを利用する企業は支払いを受けられなくなりました。金曜日の朝にはサービスが回復しましたが、同社は一部の支払いと送金に遅れが生じる可能性があると述べています。
このサービス停止の影響で、主に中小小売店や個人経営のレストランで大きな影響があったようです。アイスクリーム店を経営するあるユーザーは「多くの人はもう現金を持ち歩かないので、何も買わずに立ち去る人がたくさんいました。皆、ATMまで車で10~15分もかけて現金を引き出したくないですしね」と述べ、自社が8,000ドルから10,000ドルの収益を失ったと推定しています。また、多くのユーザーは、お金が失われたこと以上にSquareが何が問題なのかを知らせてくれず、X (旧Twitter) で知ったことにも不満を持っているようです。
原因としてサイバー攻撃によるサービス停止も取り沙汰されましたが、今週になり、この障害がDNSの設定問題が原因であったことが判明しています。キャッシュレスが進むと、このような社会インパクトのある障害も起きてしまうのですね。
AIで数ヶ月先の気候を予測することの意味
AIを駆使して数ヶ月先の気象を予測するスタートアップが注目される
熱波などを数シーズン早く予測できれば、サプライチェーン管理や在庫移動に非常に有益
ClimateAiは、気象とビジネスの2つの異なるモデルを統合しすることで、気象のビジネスインパクトを評価する
AIを駆使し、数週間から数か月先の気候予測を実現するスタートアップが注目を集めています。気象現象の予測は数シーズン先となると途端に難しくなるのですが、これが出来るとは自然災害への備えにおいて重要な役割を果たします。例えば、熱波が到来する1週間前に通知されてもサプライチェーン管理や在庫移動には十分な時間がないのですが、次の季節に熱波の危険性が高いことを知らせれば、効果的な対策を講じられる余地が残ります。この分野のスタートアップの1社であるClimateAiは「海洋は気候の長期的な記憶を持っており、それが特定の場所の中長期的な天候を影響する」と言い、海面水温や海洋塩分などの海洋パラメータを組み込んだ深層学習モデルを作成しました。また、同社は「インパクトモデリング」と呼ばれるアプローチで、気象とビジネスの2つの異なるモデルを統合し、暑さなどのリスクが作物に及ぼす影響をより明確に評価することを実現したとのことです。
ClimateAiの顧客は主に食品や農業業界なのですが、既に約40社の顧客が利用しており、製造業やエネルギーなど他の分野にも展開を検討しているようです。気象リスク管理は、新たなイノベーションを引き起こす分野なのかもしれません。
Nvidia、インドのReliance、Tata との AI パートナーシップを発表
Nvidia、CEOとインド首相との会談後に、RelianceとTata GroupとのAI提携を発表
チャットボット、創薬、気候研究など、インドの主要なAIプロジェクトの加速が期待される
インド経済のほぼ全てで事業展開する2社との提携となり、地政学的にも注目
Nvidia CEOのファン氏がインドのモディ首相との会談後、RelianceとTata GroupとのAI提携を発表しました。提携の一環として、Reliance Industriesとのパートナーシップでは、NvidiaがクラウドAIインフラの処理能力を提供することで、Jio(Reliance通信事業部門)が自社インフラの管理と維持、顧客エンゲージメントを実現し、また、Tataとのパートナーシップでは、生成型AIアプリとスーパーコンピューターの構築を予定しているようです。
この提携により、Relianceは新しいAIインフラストラクチャを活用した、チャットボット、創薬、気候研究など、インドの主要なAIプロジェクトの加速も期待しています。また、Jioが数百万のユーザーデータを活用することで通信を超えたサービスの提供も同じく期待しているとのことです。
インド経済のほぼすべての分野に事業を展開するRelianceとTata Groupとの提携は、Nvidiaにとり重要な契約となるでしょう。また、進行中の米国による中国への輸出制限もあり、インドのAIエコシステムと米国企業との地政学的な関係性にも注目です。
今回は取り上げなかったけど面白かったニュース
ポッドキャスト、リニューアルしました。
今週の「今回は取り上げなかったけど面白かったニュース↑」を紹介しています。
10分程度なので、聞いてみてください。
ピザ美味しそうです!🍕