Weekly Newsletter #154
Amazon、広告事業が堅調で他分野を補う/低迷するインテル、そのAI戦略は?/マイクロソフト、第3四半期に売上高13%増加/アルファベットの広告売上が回復、クラウド部門は伸び鈍り、株価が下落
今週火曜はハロウィンです。数週間前に購入したカボチャでジャックランタンを作るのですが、これを作るタイミングがなかなか難しく、早すぎると、ハロウィン当日には腐ってしまうことがあります。(しなしなになって崩れてしまいます)
いま日曜の午前中なのですが、午後から作り初めようか、明日まで待とうか、悩み中ですw
Amazon、広告事業が堅調で他分野を補う
Amazonの第3四半期結果、広告事業が26%と躍進し他事業をカバー
AWSは前四半期と同等の成長率(12%増)であったが、前年度同時期(28%増)と比較すると大きく下回る
広告はファネルの上部(TVCMのような形)よりも、下部(対象を絞る検索広告)が大半
Amazonの各事業部門における第3四半期の結果が公表されました。注目すべきは急成長する広告事業であり、第3四半期の収益は前年比26%増の121億ドルに達し、他の部門の低調な成長をカバーししました。(AWSは前年同期比12%増の231億ドルで前四半期の成長率とほぼ同等であったが、2022年第3四半期の成長率28%と比べると大きく下回る結果に。また、eコマース事業も人員削減やフルフィルメントネットワーク運営方法の変更が功を奏し、緩やかな成長を示し7%拡大、営業利益率は7.8%で前年同期のわずか2%に比べて大幅に向上)
AmazonのCFOは、広告事業にて対象となるファネルについてコメントしています。ここで言うファネル(漏斗)とは、顧客が商品を認知してから購入に至るまでの行動ステップを図式したマーケティング用語なのですが、面白いのは、TVコマーシャルなどブランドの広範な認知度を高める「ファネルの最上部」が減速し、対照的に「ファネルのさらに下流」の広告、つまり顧客・商品をより絞るショッピングサイトの検索広告が伸びていると述べている点です。Amazonはプライム・ビデオで動画広告ビジネスを拡大しようとしているのですが(ファネル最上部が対象)、実際はeコマース関連した古い広告ビジネスモデルが同社の成長に大きく寄与しているようです。
低迷するインテル、そのAI戦略は?
AI市場でNVIDIAやブロードコムは好調だが、インテルは取り残されている
インテルは新戦略でソフトウェア開発に焦点を当て、AI知識のない顧客にAIモデル選定支援とモデル微調整ソフトを提供
ハードウェア依存から転換し、顧客のコスト削減を重視、低迷するインテルの巻き返しに注目
活況なAI市場を背景にNVIDAやブロードコムのビジネスは好調ですが、かつて米国の象徴的存在だったチップメーカーのインテルは、このAI競争に取り残されていると見られています。しかし、インテルは独自の戦略で逆転を狙っているようです。その戦略の一環として、大手コンサルティング会社とと協業したAI知識の無い顧客が最適なAIモデルを選ぶ際の支援サービス、顧客が独自のChatGPTのようなアプリやAIを活用した検索ツールを開発できるようにモデルを微調整でるソフトウェア提供を、それぞれ計画しています。
この取り組みで興味深いのは、同社が従来のハードウェア依存型ビジネスから脱却し、ソフトウェアの開発に着手したと言う点です。つまり、顧客がインテルチップを使用しているかどうかは問題ではないという姿勢を示しています。また。この取り組みは顧客のコスト削減ニーズに応えるものでもあるようです。多くの企業が従業員や顧客による会議の要約、ソフトウェア コーディングの自動化、営業担当者への電子メールの作成を支援する新製品の導入を急速に進めていますが、初期のOpenAIの大規模顧客はより安価な代替案を模索しており、自社開発もその一環です。低迷するインテルの巻き返し戦略に注目です。
マイクロソフト、第3四半期に売上高13%増加
マイクロソフトは第3四半期に売上高13%増で565億ドルを達成
クラウドビジネスが主要成長要因であり、Azureが29%成長、AI関連サービスも拡大
競合のGoogle Cloudを上回る成長率を示し、今後も強力な展望
マイクロソフトは、第3四半期の売上高が前年同期比で13%増の565億ドルを達成した発表しました。これは、2022年第4四半期の2%成長以来、3四半期連続で売上高が増加したことを意味しています。
この驚異的な業績を支えたのは、Azureサーバーレンタルやその他のクラウドサービスなどを含むクラウドビジネスの成長であり、29%成長を記録しています。特に、Azure上でAIモデルにアクセスしたり新しいAI製品を開発できるサービスが、大きく貢献しました。発表では、既に18,000人以上の顧客がAzure OpenAI Serviceを通じてOpenAIのソフトウェアにアクセスしており、この数字は7月四半期時点の11,000人から順調に増加しています。さらに、Microsoftの事業部門における収益も13%増の137億ドルとなり、その中にはOffice 365ソフトウェアも含まれています。同社のCEOであるサティア・ナデラ氏は、AIを活用して文書を自動生成する新機能が顧客の関心を集めており、これらの製品が11月に広く利用可能になる予定であることを述べました。
Azureの成長率はライバルであるGoogle Cloudを上回り、第3四半期において22%成長を達成しました。マイクロソフトはクラウドおよびAI分野において強力な成長を遂げており、今後の展望も非常に明るいと言えそうです。
アルファベットの広告売上が回復、クラウド部門は伸び鈍り、株価が下落
アルファベットの3Q業績は、広告売上回復で増加(11%増、営業利益24.5%増)
しかし、Google Cloudの伸び鈍化とAIチームのコスト増加が懸念され、アルファベット株価は約5%下落
競合のマイクロソフトとのクラウド競争が激化中
Googleの親会社であるアルファベットの3四半期の業績は、広告売上の回復により増加(前年同期比で11%増加し、営業利益も24.5%増加しました)となりました。しかし、クラウド売上高は前年同期比21.8%増加したものの2023年の第2四半期と比較して伸び率が鈍化し、アナリストの予想を下回りました。さらに、Geminiという新しいLLMセットを開発する、DeepMind を含むAIチームのコストは同四半期に40%近く増加し、16億ドルに達したとようです。
このGoogle Cloudの売上伸び鈍化は、外部企業へのLLM(大規模言語モデル)の販売が期待通りに進んでいない可能性があると、市場では捉えられているようです。この結果、アルファベットの株価は大幅に下落(約5%下落)しました。
マイクロソフトとアルファベットの両社は、クラウドインフラストラクチャ分野で競り合い、アマゾン・ドット・コムに対抗しています。両社は、顧客に対してより魅力的なプラットフォームを提供するために、AI製品の構築に注力しており、競争が激化しています。
今回は取り上げなかったけど面白かったニュース
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5分程度なので、聞いてみてください。