Weekly Newsletter #157
OpenAI、サム・アルトマン氏らが早々に復帰か?/IBM、反ユダヤ主義への懸念を理由にXでの広告を一時停止/Googleの新型AI「Gemini」、開発が遅れている模様/AWSがノーコードでAIアプリ構築を可能にする「PartyRock」を発表
日本出張からべエリアに戻りました。今週は感謝祭で連休なのですが、未だ何の予定も立てられていません。もう日曜のお昼ですが、、これからGoogle Mapを眺めつつ、良いところを探しますw
OpenAI、サム・アルトマン氏らが早々に復帰か?
OpenAIがCEOのサム・アルトマン氏を解雇し、主要従業員が退職を表明
最高戦略責任者はアルトマン氏の復帰に「楽観的」
セコイア・キャピタルやタイガー・グローバルがアルトマン氏の復帰交渉中で、マイクロソフトも支持の可能性
OpenAIは、突如、同社CEOのサム・アルトマン氏を解雇し、これに応じる形でグレッグ・ブロックマン氏などの主要な従業員たちが退職を表明していますが、最高戦略責任者のジェイソン・クォン氏は、アルトマン氏や他の主要従業員の復帰に「楽観的」であると同社スタッフに語ったようです。
OpenAIの取締役会は「彼は率直ではない」と言ってアルトマン氏を解任しましたが、この復帰への動きは役員により衝撃的な逆転となるでしょう。仮にアルトマン氏が復帰すれば、取締役会は解任やブロックマン氏の降格に関わったメンバーが退任するか、再編される可能性が高まると予想されます。取締役会には共同創設者兼主席研究科学者のイリヤ・サツケヴァー氏が含まれ、従業員たちは同氏をアルトマン解任の主要人物と見ているようです。
また、OpenAIの最大の支援者たちが、この混乱に対してどのように反応するか注目されています。報道によれば、セコイア・キャピタルやタイガー・グローバルなどの主要ベンチャーキャピタルが、アルトマン氏の復帰に向けて交渉を進めているとされています。また、OpenAIの技術に大きく依存しているマイクロソフトも、アルトマン氏の復帰を支持する可能性が高いとされています。
OpenAIはAGI開発を掲げ、当初は非営利企業としてスタートしましたが(現在は「上限付き」営利企業に移行)、同社の進路に注目です。
IBM、反ユダヤ主義への懸念を理由にXでの広告を一時停止
IBMなどの主要広告主の広告がX上でナチスコンテンツの隣に表示されていた
IBMは即座に対応し、Xでの広告を一時停止することを発表
Xは報告を否定し、CEOは差別を全面的に止めるべきだとコメント。イーロン・マスクの「白人の誇り」発言が物議を醸している
木曜日に発表されたMedia Matters(メディア監視団体)の報告にて、IBMなどの主要な広告主の広告が、ソーシャルメディアプラットフォームX上で親ナチスコンテンツの隣に表示されていたことが明らかになりました。この問題に対しIBMは即座に行動を起こし、Xでの広告を一時停止することを発表しました。
この問題は、メディア監視団体が「最近、Xでヒトラーとナチス党を宣伝する投稿の隣にApple、Bravo、Oracle、Xfinity、IBMの広告を発見した」と述べた事に端を発したのですが、一方のX広報は「Media Mattersのようなグループは、X上の投稿を積極的に検索して、その特定アカウントにアクセスし、広告が表示されると更新ボタンを押し続け、出来るだけ多くのブランドをキャプチャしている」と述べ、Media Mattersの報告内容は作為的であると表明しています。また、X CEOのヤッカリーノ氏は木曜日に「Xにおける会社の見解は、あらゆる人による差別を全面的にやめるべきだということは常に非常に明確だった。それは私たち全員が同意できるし、そうすべきだと思う」とコメントしています。
この件に対し、イーロン・マスクも発言しており「白人が自分たちの人種を誇りに思うことが許されないのはめちゃくちゃだ」との投稿は物議を呼んでいます。
Googleの新型AI「Gemini」、開発が遅れている模様
GoogleのGemini、予定よりも遅れ初期リリースには機能が不足か
開発者よりも消費者向けを優先する戦略
一方、クラウド売上高の鈍化している
Googleは、AI分野においてOpenAIに追いつくための重要な取り組みである「Gemini」の開発を発表していましたが、その実現は予想以上に困難であるようです。当初は11月までにGeminiにアクセスできるようになる予定でしたが、来年の第1四半期まで遅れる模様です。また、最高経営責任者であるピチャイ氏は、木曜日のカンファレンスで、同社が「最先端の」AIソフトウェアを提供するために努力していると述べましたが、新しい大型言語モデル「Gemini」の初期リリースにはいくつかの機能が欠けている可能性があることも表明しています。
この遅れは、同社が外部のソフトウェア開発者に新しい技術へのアクセスを与える前に、消費者向け製品を新技術で強化したいと考えている、とも受け取れます。一方で、Googleのクラウド売上高の成長が鈍化していることから、この遅れは同社の消費者向け製品を優先する戦略に影響を与えるかもしれません。と言うのも、Microsoft の成功の一部は、OpenAI のテクノロジーを顧客に販売したことにあるためです。
このような状況でありますが、AI開発の雄、Googleの取り組みに注目です。
AWSがノーコードでAIアプリ構築を可能にする「PartyRock」を発表
AWSが「PartyRock」発表、コード不要で生成AIアプリ構築
個人データ活用し、ユーザーが独自のアプリケーションを作成可能
AWSアカウントやコード不要で楽しみながら生成AI学べる環境
AWSは、ソフトウェア開発の経験のないユーザーが簡単にAIアプリケーションを構築できるサービス「PartyRock」を発表しました。このコード不要の生成AIアプリビルダーにて、個人データを活用してユーザーがカスタマイズ可能なAIモデルを生成し、テキストと画像を含む独自のアプリケーションを作成可能となります。
PartyRockは、生成AIとの対話方法を学ぶ手助けをすることを目指しているとのことです。AWSチーフエバンジェリストのJeff Barr氏は、ブログ投稿で「楽しみながらクールなものを構築しながら、生成AIについて詳しく学びたい場合は、PartyRock.awsをチェックしてください。コードを書いたりAWSアカウントを作成したりすることなく、実験したり、プロンプトエンジニアリングのすべてを学習したり、ミニアプリを構築したり、友人と共有したりすることができます」と述べています。ユーザーはPartyRockを使用することで、AI21 Labs、Anthropic Cohere、Meta、Stability AI、Amazonなど、いくつかの主要な生成AI大規模言語モデルから選択できます。(ただし、AWSの独自のLLMであるTitanについては言及されておらず。)
一般人が、簡単かつ楽しく生成AIを学ぶ環境があるのは、ありがたいですね。
今回は取り上げなかったけど面白かったニュース
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5分程度なので、聞いてみてください。