Weekly Newsletter #166
ビルゲイツとジェフベソスが支援する鉱山スタートアップ、AIを活用して巨大銅鉱床を発見!/中国、米国の制裁下で5ナノメートルチップ製造へ/OpenAI CEO、AI半導体製造能力拡大に数兆ドル調達へ/Google、会話型AI「Gemini Ultra」を月額20ドルで発売
昨日の日曜はNFLのスーパーボウルでした。サンフランシスコ49nersとカンザスシティーChiefsとの戦いで、勿論、私は地元の49nersを応援していたのですが、あと一歩及ばず、Chiefsの勝利となりました。このスーパーボウルは米国人の大半が見るとも言われていまして、間に流れるCMも普段とは違うスペシャルバージョンが流れたりします。個人的には、マイクロソフトのCopilotのCM(AIが人間をサポートすることで限界を超えてもっと素敵になる、的なCM)が良かったですw
ビルゲイツとジェフベソスが支援する鉱山スタートアップ、AIを活用して巨大銅鉱床を発見!
カリフォルニアのKoBold Metalsがザンビアで巨大銅鉱床を発見
AIを使った探査で世界最大級の高品質鉱山となる可能性
再生可能エネルギーへの移行を加速させる重要な発見
カリフォルニア州に拠点を置く鉱山スタートアップのKoBold Metalsが、2月5日、ザンビアで広大な銅鉱床を発見したと発表しました。同社は、2015年にビル・ゲイツ氏によって設立された気候変動とテクノロジーの基金であるBreakthrough Energy Venturesから支援を受けており、注目されていました。(他の支援者には、Amazon創業者ジェフ・ベゾス氏やヴァージン・グループの創設者リチャード・ブランソン氏など)
KoBold Metalsは、今回の発表が世界最大級の高品質大規模銅鉱山となるであろうと述べています。同社は、衛星画像や掘削結果などのデータを収集し、AIを使用して「地殻の地図」を作成することで、銅、コバルト、ニッケル、リチウムなどの潜在的な鉱床を効率的に探査するとのことです。これらの鉱物は、風力発電や太陽光発電、電気自動車などの再生可能エネルギーインフラの構築に不可欠な材料なのですが、国際エネルギー機関によると、これらの鉱物の供給と必要量を確保するための投資が、エネルギー変革に必要なレベルに達していないと指摘されていました。そのため、KoBold Metalsの今回の発見は、再生可能エネルギーへの移行を加速させる上で重要な役割を果たす可能性がある、と言えるでしょう。
中国、米国の制裁下で5ナノメートルチップ製造へ
中国SMIC、米制裁下で5nmチップ製造へ
古い装置で製造コストと歩留まりが課題
国家威信をかけ、政府も投資か
中国最大の半導体メーカーである中芯国際集成電路製造(SMIC)が、米国の制裁を受けながらも、5ナノメートル(nm)チップの製造計画を進めていることが明らかになりました。
フィナンシャル・タイムズ紙によると、SMICは上海にある工場に新しい生産ラインを立ち上げ、ファーウェイ向けに5nmチップの製造を開始する予定である、とのことです。この計画は、米国が中国の半導体産業の発展を阻止しようと、制裁やブラックリスト措置を強化している状況下で発表されたものであり、米国政府関係者や技術アナリストを驚かせています。SMICの5nmチップ製造には、米国とオランダ製の古い装置が使用される見込みであり、これらの装置は、最新のEUV露光装置よりも性能が劣るため、製造コストが高く、歩留まり(良品率)も低くなるという課題がある、とも指摘されています。(関係者の話ではTSMCが同じノードで行うよりも40%から50%多く請求しなければならなかったと報じられている。)
この製造プロセスでは、チップの世代が進むごとにコストは上昇し続けることになるのですが、SMICがより多くの資金を投資することで利回りの問題を克服できるかもしれない、また、これは国家の威信に関わる問題となっているため、この投資は政府からも行われる可能性もある、とも見られています。
OpenAI CEO、AI半導体製造能力拡大に数兆ドル調達へ
OpenAI CEO、AIチップ製造能力拡大に数兆ドル調達へ
目的はAI技術の発展加速
資金調達規模は桁外れに高く、実現は不透明
OpenAIのサム・アルトマンCEOは、AIチップの製造能力を拡大するため、数兆ドルを調達する計画を投資家と協議していることが明らかになりました。この取り組みには、5兆ドルから7兆ドルの資金と、OpenAI、チップメーカー、電力プロバイダー、政府間の広範囲にわたるパートナーシップも必要となるようです。報道によると、アルトマン氏はアラブ首長国連邦政府やソフトバンクの孫正義CEO、TSMCなどの投資家と会話を開始しているとの事です。
この計画は、世界を変えようとするアルトマン氏の計画の最新例と言えるでしょう。同氏は、人間レベルの人工知能の構築に向けた取り組みに加えて、核融合から安価なエネルギーを製造する、人間の寿命を延ばす、などの複数スタートアップに多額の投資を行ってきました。アルトマン氏の計画が実現すれば、AI技術の発展を大きく加速させる可能性があります。
しかし、数兆ドルという資金調達規模は桁外れに高く(実際、この金額は主要経済国の国債よりも大きい、マイクロソフトとアップルの時価総額は合わせて約6兆ドル)、現実的な話として捉えられるかは微妙なところのようです。
Google、会話型AI「Gemini Ultra」を月額20ドルで発売
Google、AIモデル「Gemini Ultra」を月額20ドルで提供開始
ChatGPT Plusと競合、Google One Premium AIプランに含まれる
求人応募、パンク修理、CarPool管理など幅広い用途
Googleは、Gemini Advancedと呼ばれるサブスクサービスを開始しました。これは、Google One Premium AIプラン(月額19.99ドル)に含まれており、このプランには、2TBの追加ストレージなどの既存のGoogle Oneプレミアムプランに加え、Googleの最も強力なモデルであるGemini Ultraへのアクセスが組み込まれています。これは、OpenAIのサービスであるChatGPT Plusの月額20ドルと競合する事となるでしょう。
気になるのがGeminiの使用例ですが、サイトには幾つかのユースケースの説明がありました。例えば、求人応募のカバーレターの作成、パンクしたタイヤの修理方法のアドバイス、サッカーチームの子供たちのスナック当番の管理など、さまざまな用途に使用できるようです。将来のバージョンでは、GeminiはGoogleドライブ内のデータを利用できるようになり、試合スケジュールに合わせたCarPool(相乗り)の管理に役立つはずだ、とGoogleの広報担当者であるBehr氏は述べています。
GoogleはChatGPTの登場により劣勢に立たされましたが、Geminiで力強く戻って来たました。引き続き、同社の巻き返しに注目です。