Weekly Newsletter #168
やはり起業するならシリコンバレー?/ナイジェリア、再び仮想通貨取引プラットフォームへのアクセスを遮断/Google、AIモデル「Gemma」を開発者に無料で提供/脳インプラントでマウス操作!イーロン・マスク氏、臨床試験結果を発表
ベイエリアはだいぶ暖かくなってきました。昨日、近くの海岸沿いを散歩したのですが、先日の雨を受け、丘は緑に色付き(普段は枯れ草の白茶色)、菜の花の黄色もいっぱいでした。これは、もう春ですね。たくさん歩いたのですが、その後に食べたチーズステーキサンドで、カロリー的にはプラスですw
やはり起業するならシリコンバレー?
Techstarsは、シアトルとボルダー拠点の閉鎖を発表
主要都市への集中で、起業家への資金調達や人材へのアクセスをより容易に
パンデミックによる地方都市に流れた企業の主要都市回帰
スタートアップアクセラレーターであるTechstarsは、シアトルとコロラド州ボルダーにおける事業運営を終了することを発表しました。
メモ:
スタートアップアクセラレーターとは、スタートアップ企業の成長を加速させるためのプログラムを提供する組織であり、資金調達のみならず、メンターリング(経験豊富な起業家や経営者による指導)やネットワーク(投資家、企業、専門家などとの人脈紹介)を提供しています。
Techstarsは、起業家にとって最も成功可能性の高い環境は、ベンチャーキャピタルや人材へのアクセスが容易な主要都市であると判断し、ベンチャーエコシステムが豊富なサンフランシスコ、ニューヨーク、ロサンゼルス、ボストンに集中するとのことです。近年、パンデミックの影響により、シリコンバレー以外の地域におけるスタートアップコミュニティへの関心が高まっていました。しかし、最近では投資家や起業家の多くが、主要都市への回帰傾向を見せています。今回のTechstarsの決断は、この変化に対応するためのものと言えるでしょう。
ナイジェリア、再び仮想通貨取引プラットフォームへのアクセスを遮断
通貨防衛のために、ナイジェリア政府は仮想通貨取引を再び禁止に
政府は、仮想通貨が投機取引を助長し、ナイラの価値を下落させると主張
2022年末には仮想通貨取引解禁の方針であったが、方針転換となる
アフリカ最大の人口を誇るナイジェリア政府が、現地通貨ナイラの価値下落を抑制するため、バイナンスを含む仮想通貨取引プラットフォームへのアクセスを再び遮断しました。この決定は、同国が仮想通貨関連取引の禁止を撤回してから半年も経たないうちに下されたものです。ナイジェリアはインフレ率の高騰とナイラの急激な下落により、自国通貨への信頼を高めるのに苦労しています。(実際、多くのナイジェリア人は資産保全のため、USDTなどのステーブルコインを使っている。)
政府は、バイナンスのようなプラットフォームが投機取引を助長し、ナイラの価値をさらに下落させたと主張しています。大統領報道官のオナヌガ氏は、「バイナンスは多くの国で規制当局と対立し、為替市場に混乱を引き起こしている」と述べ、「ナイジェリアでは仮想通貨は禁止されるべきだ」と強調しまています。また、プラットフォーム上で現地通貨を所有する必要がないため、投機取引を増加させている、という側面も指摘されています。
ナイジェリアは2022年末、ブロックチェーン技術を活用した「デジタル経済圏」の構築に向けて仮想通貨取引所との提携を検討する、と発表されたのですが大きな方向転換となりました。
Google、AIモデル「Gemma」を開発者に無料で提供
Googleは、AIモデル「Gemma」を無料で開発者に提供開始。
Gemmaはオープンソースで軽量、ラップトップ/デスクトップPCで動作。
Gemmaは、AI開発の民主化に貢献、より多くの開発者/研究者がAI技術を活用可能に。
Googleが外部の開発者に無料で提供する予定の2つの新しいAIモデル「Gemma」を発表しました。この新AIモデルは、同社の有料モデルであるGeminiスイートのAIモデルを構築した研究とテクノロジーに基づいており、オープンソースであるので、開発者や学生は商業目的と研究目的の両方に使用することができるとのことです。
Gemmaでは2つのサイズの軽量モデルGemma 2BとGemma 7Bが提供され、ラップトップまたはデスクトップPCで動作可能です。また、Gemmaモデルは、検索拡張生成(RAG)と呼ばれる、外部ソースからの情報をAIモデルに提供することでAIモデルの知識ベースと精度を向上させるために使用されるプロセスを持つので、GemmaモデルとRAGを組み合わせることで、開発者や研究者はより特化したAIツールを作成することができる、とのことです。
Gemmaは、昨年以来オープンソースのLlama大規模言語モデルで業界を牽引してきたMetaに対抗する動きとも言えるでしょう。Gemmaの提供により、GoogleはAI開発の民主化に一歩近づき、より多くの開発者や研究者がAI技術を活用できるようになることが期待されます。
脳インプラントでマウス操作!イーロン・マスク氏、臨床試験結果を発表
脳インプラントを受けた患者が、思考だけでマウスを操作できるように
将来的には、四肢麻痺の治療にも応用できる可能性
マスク氏は、肥満、自閉症、うつ病、統合失調症などの治療にも期待
ニューラリンクから脳インプラントを受けた最初の人が、思考だけでコンピューターのマウスを操作できるようになったと、イーロン・マスク氏が発表しました。
マスク氏によると、チップはロボット外科医によって埋め込まれ、現在はさまざまな種類の制御に使用できるようにコマンドをより複雑にすることを試みているとのことです。具体的には、左クリック、右クリック、マウスダウン、マウスアップといった操作を思考だけで行えるようにするそうです。
ニューラリンクは9月に規制当局の承認を得て人体治験を開始しており、このシステムは「テレパシー」と呼ばれています。試験に関する詳細はまだ明らかにされていないのですが、今回の発表は、脳インプラント技術の進歩を示す画期的なニュースと言えるでしょう。マスク氏はニューラリンクに対して壮大な野望を抱いているようでして、肥満、自閉症、うつ病、統合失調症などの症状を治療するためのチップデバイスの外科的挿入が容易になる、と述べています。今回の臨床試験の結果は、こうした目標の実現に向けて大きな一歩となるかもしれません。今後の進展に注目です。