Weekly Newsletter #175
夢のEVバッテリー/ アップル、AIに特化したM4チップでMacラインの全面改修を計画/ 中国政府は通信キャリアに外国製チップの段階的排除を指示/グーグル自社チップへの取り組みを拡大
免許の更新をしてきました。アメリカに住んでいる人が運転する為には、各州の運転免許を取得する必要があります。筆記と実技の試験があり、2年ごとに免許の更新が必要です。この実技試験が私にとってかなりの難問でした。右へ曲がれという試験管の指示を左に曲がり、カラスに道路の真ん中を占拠され、そして試験官が本当に怖いのです。結局2回落ちて3回目にやっと受かりました。いやー大変でした。写真は実技試験で試験官がつけるチェックシートです。3回目は満点でニコちゃんマークをいただき、今も大事にとってあります。ということで、今朝は車のニュースからいきましょう!
夢のEVバッテリー
電気自動車のバッテリー性能が大幅に向上
新技術でEVの普及と市場競争が加速
今後5年間で、電気自動車用のバッテリーに大幅なアップグレードが実施される予定です。BMWの新型バッテリーは現行モデルよりも20%以上のエネルギーを保持でき、充電速度と航続距離も30%改善される見込みです。一方、マサチューセッツ州を拠点とするバッテリー部品メーカーSES AIは固体リチウム金属を使用したバッテリー技術を開発中で、これによりエネルギー密度が大幅に向上します。SES AIはすでに新技術を搭載したバッテリーのプロトタイプを自動車メーカーに納入した世界初の企業であり、GM、ヒュンダイ、ホンダと協力しています。また、StoreDotはシリコンを用いた超高速充電技術を開発しており、数分で100マイルの航続距離を追加できる可能性があります。EVでは、自動車メーカーが社内で実施する大規模なテストに合格するまで、新しいバッテリー技術の導入は確実ではありません。とはいえ、今後5~10年は、漸進な性能向上をもたらす新しいバッテリー技術を搭載した車が次々と登場するはずで、それは、EVの普及にも、どのEVメーカーが勝つか負けるかにも、大きな影響を与えると言われています。
最近テスラを運転してみて、高速充電時間が長いことに驚きましたが、オートパイロットの性能は本格的なロボット技術のようで感動しました。この夢のEVバッテリーたちが現実に搭載されれば、未来のロボットカーが増えることを実感しました。
アップル、AIに特化したM4チップでMacラインの全面改修を計画
AI強化の新プロセッサ「M4」を開発中。全Macモデルがアップデート予定
6月のWWDCでAIに焦点を当てた戦略を発表
5ヵ月前にM3チップ搭載のMacを発表したアップル社は、AI機能を強調した新しい自社製プロセッサ「M4」の開発に取り組んでいます。新プロセッサは少なくとも3つのモデルを計画しており、全Macモデルの更新を予定しています。M4チップにはエントリーレベルの「Donan」、より強力な「Brava」、そして最上位の「Hidra」があります。6月10日のWWDCで、これらのAI処理能力を活かした多くの新機能が紹介される予定です。これらの機能はデバイス自体で動作し、高速チップが機能拡張を支援します。また、iPhoneプロセッサもAIに特化したアップグレードが行われる予定です。
アップル・シリコンとして知られる自社製チップへの切り替えは、2010年の初代iPadとiPhone 4から始まり、2020年にはMacにも展開されました。この取り組みは、デバイスの性能向上、デザインの柔軟な変更を可能にし、バッテリー寿命の向上、冷却ファンの削減、製品の薄型化を実現しています。
ユーザデバイス上でAI機能を効率的に実行すると具体的にどんな事ができるのか、6月10日の発表が楽しみですね。株価も4.3%上昇したということですので期待値が高いことが伺えます。
中国、通信キャリアに外国製チップの段階的排除を指示
中国政府、通信システム企業に2027年までに米国製チップ使用停止を指示
インテルとAMD、中国市場での売上に大打撃
中国政府は今年初め、2027年までに国内の通信システム企業に対し、ネットワークの中核となるアメリカ製チップの使用を段階的に停止するよう指示を出しました。
この指示は、特にインテルとAMDに大きな打撃を与える見込みです。これら2社は、中国を含む世界中のネットワーク機器に使用されるコアプロセッサーの大部分を供給しており、特にインテルにとって中国は最大の市場で、昨年の売上高の27%を占めています。インテルは1月に発表した最新の年次報告書でこれを明らかにしています。
さらに、チャイナ・モバイルとチャイナ・テレコムは、中国で急速に成長しているクラウドコンピューティング市場向けのデータセンターに数千台のサーバーも購入しています。
中国のこの指示は、アメリカが中国のハイテク企業に対するチップ輸出規制と制裁を強化していた2022年9月に、対抗策として発行された「Delete America」と呼ばれる文書79号に基づくものです。この文書により、最初にデルやIBM、シスコシステムズなどのハードウェア製品が中国製に置き換えられた背景があります。
地政学的な緊張はまだまだ続いており、経済への影響も大きく出てきていますね。
グーグル自社チップへの取り組みを拡大
Googleが多用途新型チップ「Axion」を開発、データセンターで展開予定。
AIブーム対応で従来のGoogleチップTPUの生産も拡大中
Googleが新型チップ「Axion」を開発しており、YouTube広告からビッグデータ分析まで幅広いタスクに対応します。このチップは、CPUとして、Googleのデータセンターで広く使用される予定です。現在のGoogleのTPUの後継となります。
初期のウェブ検索アルゴリズム向けチップ投資は、安価な市販のハードウェアを革新的な方法で組み合わせることができるようになり成功を収めました。AIブームが進むにつれて、Googleはさらにカスタムチップソリューションの開発を加速し、AI専用のTPUを作りました。
Googleは半導体企業のブロードコムと緊密に協力し、TPUの生産を大幅に増やしています。この結果、ブロードコムのカスタムチップ部門のビジネスは急増し、最近の四半期には10億ドルを超える営業利益を記録しました。その大部分がGoogleからのものです。昨年11月には、50,000個以上のTPUを接続し、AIシステム構築に成功。これらのチップを使用して、Geminiを開発しています。
この動きによるインテルやNvidiaとの競争を避けるために、チップの直販を行わず、クラウド顧客へのレンタルを選択しています。
チップを巡る話題には目が離せませんね。
今回は取り上げなかったけれど面白かったニュースと上記関連ニュース