Weekly Newsletter #193
Nvidia、ソフトウェアスタートアップのOctoAIを1億6500万ドルで買収する可能性 / Anthropic、資金調達交渉で400億ドルの評価額を提示 / サイバーセキュリティのリーダー、AIセキュリティの職を埋めるのに苦労
先週、子供たちの誕生日パーティーに招待されました。アメリカの(といいますか、私の周りでは) 誕生日パーティーは招待した側が料理を用意して、招待された側がプレゼントを持参します。もらった側があとで返品できるように返品できるカードをつける場合もありますが、ケースバイケースです。今回は返品カードはつけずにお渡ししました。
会場はレストランの一画を貸切にして、だいたい子供が15人ぐらいといった規模でした。他に会場としてよく使われるのは、公園の広場だったり、家の庭だったりします。
パーティーのイベントで特に多いのはフェイスペイント、なのですが、今回はなんとスタンダップコメディでした。アメリカンジョークがいまひとつ理解できない私はどこで笑っていいのか把握するのが難しかったです。子供たちもあまり聞いている感じではなかったような、、、
とはいえ、子供たちはピザ、ケーキ、ジュース、お菓子まで食べられて大満足だった模様です。
ちなみに上の画像、ケーキの後ろに友人が映り込んでしまっていたのでササっとAIを使って消してみました。お気づきになりましたか?
Nvidia、ソフトウェアスタートアップのOctoAIを1億6500万ドルで買収する可能性
Nvidiaが新たにOctoAIというスタートアップを買収する可能性があるようです。この買収の目的は、開発者がNvidiaチップを使用したAIモデルをより安価で簡単に実行できるようにするためです。また、Nvideiaのチップは高価で需要が高いことからAIを適正な価格で拡張することが難しい、Nvidiaへの最大の批判を回避するという狙いもあります。
OctoAIはさまざまな種類のプロセッサでMLモデルを適切に動作させるというソリューションを提供していまして、マシンラーニングモデルをさまざまなプロセッサで処理可能なコードに変換します。
ただ、OctoAIはAmazon AWS、Advanced Micro Devices、Qualcommとも連携し、これらの企業が提供するAIチップを開発者が利用できるようにすることで、Nvidiaと競合する取り組みも一方では行っています。このような背景からNvidiaがOctoAIの買収を成立した場合、米国司法省が調査を行う可能性も示唆されています。
なお、Nvidiaは今年の初めにもイスラエルのスタートアップ企業2社を買収していますが、こうした取引もすでに独占禁止法違反の可能性があるとして調査の対象となっています。
NvidiaはデータセンターにおけるGPU市場の実に90%以上を支配しており、今後もNvidiaの活動に対する調査や規制といったものが厳しくなることが予想されます。
Anthropic、資金調達交渉で400億ドルの評価額を提示
チャットボット「Claude」の開発元であるAnthropicが、さらなる資金調達について投資家と早期の話し合いを行っているようです。Anthropicは、OpenAI最大の競合スタートアップです。
今回の資金調達はAnthropicの評価額を300億〜400億ドルに引き上げる可能性があり、これは、今年初めに完了した資金調達による評価額のおよそ2倍にあたる額になっています。ライバルのOpenAIが50億ドルから70億ドルの資金を調達する見込みであることを受けて、Anthropicも対抗策を出してきていると見られています。
もともとAnthropicはOpenAIの元研究員であるDario Amodei (ダリオ・アモデイ)とDaniela Amodei (ダニエラ・アモデイ)の兄弟が、OpenAIのリーダーたちと対立した後、設立した会社です。
さて、Anthropicの今回の協議はまだ初期段階でして、投資家が400億ドルにも上る高い評価額に同意するかどうかは不明です。といいますのも、もし400億ドルと評価するとなると、これはAnthropicの年間総売り上げ予測の約50倍以上になるからです。
(Anthropicの2024年の年間収益は約8億ドルと予測されている)
宿敵のOpenAIは年間約40億ドルの収益を見込まれていることから、Anthropicとは大きく差があります。Anthropicが高い技術力を有していることは間違いありませんが、十分な収益を上げ、投資家の関心をうまく利用できるかどうか今後の動きに注目したいと思います。
サイバーセキュリティのリーダー、AIセキュリティの職を埋めるのに苦労
サイバーセキュリティの人材不足が深刻化しており、特にAIのノウハウを持っている人材については需要に対して供給が追いついていない状況です。ISC2が発表した統計を見てももっともスキルギャップがあるのがAIであり(34%)、クラウド(30%)、ゼロトラスト(27%)が続きます。
そのため、社内研修プログラムを拡張している企業も出てきています。マスターカード社では、PythonやRustなどのコーディング言語のスキルを持つ人材の強化、不正防止チームやサイバー脅威インテリジェンスチームに対するAIのノウハウを追加、といった取り組みを行っているそうです。
大規模言語モデル(LLM)のセキュリティリスクに関する深い知識を持ち、データサイエンティストやAIエンジニアと協力して作業できる人材を見つけるのは難しく、自社で時間をかけてAIサイバースキルを構築したとしても、退職されてしまうとこの手のスキルセットを持ち合わせた人材の補充は難しいとのことです。
また、AIにかぎらずサイバーセキュリティ人材はグローバル全体で見ても人材不足が年々進行していまして、2024年は480万人が不足しているという結果でした。
AIおよびセキュリティに関する知識はますます求められるスキルセットになりますね。私もいちエンジニアの端くれとしてこれからも精進していきたいと思います。
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