Weekly newsletter #37
7月4日は、アメリカの245回目の独立記念日です。バイデン大統領は、この日までにワクチン接種率(1回以上)を70%以上にすることを目標にしていましたが、残念ながら叶いませんでした。全米では67%程度に止まりました。ここベイエリアでは、ほとんどの地域で接種率は70%以上、サンフランシスコでは80%にも達しています。既に経済が再開され、屋内でもマスク着用は不要となりましたが、街へ出ると意外にマスク着用率が高いと感じます。マスク着用者が、ワクチン接種をしていない人なのか、デルタ株などの変異種に備えて対処している人なのか、正確には判断つきません。どちらにしろ、この地域では不用意に何もしない人ばかりではないようです。
さて、独立記念日には、どんなことをするかというとBBQと花火です。花火は、独立記念日にしか一般の人は購入できません。通常時は、花火の音が銃声と間違えられるとか、火薬を集めて爆発物を作るのを防ぐなどという理由で、日本では考えにくい理由で禁止されています。ということで、独立記念日の前後は深夜になってもあちこちで花火を打ち上げる音が鳴り響きます。まさに銃声なのか花火なのか判断がつかない状況になります。。
今回は、もう一つ大事なお知らせです。
恥ずかしながら、Bay Area Newsletter が Podcast を配信し始めました。
毎週 Weekly newsletter の話題をいくつか取り上げて、書き表せなかった内容や周辺情報などを織り交ぜて、少しだけ深掘りしていこうというコンセプトで語り合っています。まだ、ぎこちない感じですが、我慢して聴いて頂けると嬉しいです。
現在、Spotify や Google Podcasts で視聴可能です。Apple Podcasts でも視聴可能になったら、また改めてお知らせ致します。今後は、毎週水曜日(日本時間の朝)に配信していく予定です。ぜひご視聴のほど宜しくお願い致します。
ZoomがAI翻訳スタートアップKitesを買収
Zoomは、AIを活用したリアルタイム翻訳技術のスタートアップである Kites(Karlsruhe Information Technology Solutions)を買収したと発表。 既にZoomのビデオ会議で利用できるLigmoやWordlyといったリアルタイム翻訳のZoom Appが存在しているにも関わらず、買収に踏み切ったということは、高い翻訳性能が期待できるということでしょうか。言語認識のエラー率は約5%、会話の遅れは約1秒とのことです。Kitesはドイツの企業ですが、翻訳精度の高さで定評のあるDeepLもドイツ生まれです。多言語翻訳は、ドイツや欧州の方が優れているのかも知れませんね。
AT&Tは、5GネットワークをMicrosoft Azure へ移行
今週、バルセロナとオンラインで開催されたMWC2021(Mobile World Congress)は、リアルな展示会場では閑散とした様子が伝えられた一方で、多くの通信事業者とクラウドベンダーとの提携が目立ちました。
AT&Tは、Microsoft と提携して5GインフラのコアネットワークをAzureへ3年掛けて移行すると発表。これにより、加入者のデータトラフィックの管理や接続速度の最適化など、重要な部分を「Azure for Operators」が担っていくことになります。Microsoftは、5Gの展開に伴い、通信業界への関心を高めており、昨年には5GソフトウェアのAffirmed Networks 、Metaswitch Networks を買収しています。AWSやGoogleなどの動きを見ても、通信事業者とクラウドベンダーとの関係性はさらに切り離せないなものとなっていきそうです。
GoogleがO-RANアライアンスに参加し、5Gネットワークの進化を目指す
Googleは、通信事業者やテック企業などで構成される通信業界のコンソーシアムの O-RAN(Open-Radio Access Network)アライアンスに参加することを発表。通信事業者が持つ設備(アンテナ、信号処理サーバー、ワークフロー管理ソフトウェアなど無数のシステム)は、そのほとんどを1社からの導入に限定され、異なるメーカー間での互換性がありませんでした。それを打破するのがO-RANの仕様であり、各メーカーのソフトウェアやサーバーを自由に組み合わすことが可能になります。
Googleは、通信事業者向けプラットフォーム「Anthos for Telecom」を開発しており、AndroidがモバイルアプリケーションのためのOSであるのと同様に、キャリアアプリケーションのためのOSとして機能することを目論んでいます。O-RANアライアンスへの加盟により、Anthos for Telecomの導入が促進されるだけでなく、AIを活用した広範な分析や運用の自動化などの分野でもGoogleの活躍が期待されている。
Zebraが倉庫ロボットメーカーのFetch Roboticsを買収
ZebraTechnologiesは、あまり有名ではないかも知れませんが、流通、製造、小売業界などで利用されるRFIDプリンタ、バーコードリーダ、キオスク端末など製造販売するグローバル企業です。Fetch Roboticsは、物流センターで働く自律型の倉庫ロボットを製造しており、これを2億9,000万ドルで買収する。
パンデミックにより、オンランショッピングなどのEコマースが活況の中、物流倉庫などの使われるロボットや産業用ロボットには、多額の資金が集まっている。倉庫ロボット部門だけでも2022年までに44.4億ドルの価値があると予測されています。
WHOはヘルスケアに関わるAIの倫理原則を発表
世界保健機関(WHO)は、ヘルスケア分野におけるAIの倫理的利用などをまとめた初のガイダンスレポートを発表した。内容は、主に6つの原則にまとめられている。
人間の自律性の保護
人間の安全と幸福の促進
透明性の確保
説明責任の育成
公平性の確保
応答性と持続性のあるAIの推進
AIのヘルスケア活用には、医療画像のスクリーニングや、患者の健康記録から病気になる可能性の予測などが開発され、専門医のいない地域での有効性などが説明されている。一方で、AIを慎重に開発・導入しなければ、犯罪捜査利用や非人道的システムへの移行などが懸念されるとしている。
AIOps の Augtera Networksは、新たに1,300万ドルを資金調達
Augtera Networksは、AIを使って企業のネットワーク運用の自動化を支援するAI Ops( AI for IT Operations)のスタートアップです。大規模データセンターにおける障害やパフォーマンスの問題を自動的に特定し、企業がプロアクティブにネットワークの問題を管理するための情報を即座に提供します。重要な問題の検出を90%高速化し、解決に要する時間を50~60%短縮、サービスに影響するインシデントの40~50%を防止するとしています。ITの運用性の重要度が増す中で、AIOpsの分野は今後も注目が集まるはずです。