Weekly newsletter #53
ベイエリアに雨季がやってきました。私はだいだい金曜日にこのNewsleterを書いているですが、今日は朝から雨降りで少し肌寒いです。この雨は水不足と山火事に悩まされてきたカリフォルニアにとり正に恵みの雨となりますが、一方で交通事故も急増してしまいます。こちらの道路は水捌けが悪く、雨が降ると道路はあっと言う間に水浸しとなり、更に普段乾燥している道路から油が浮かび上り、道路はツルツル状態になります。そして雨に慣れない我々は普段と同じようにブレーキを強く踏み、車がクルクル回り、、このように雨の日のベイエリアは交通事後が多く発生してしまうのです。
今、テレビで朝のニュースを見ていますが、画面上のマップには多くの箇所での事故が報告されていいます。これから娘を学校に送り届けるのですが、いつもより早めに出て、そして気をつけて運転したいと思います。
AIで交通事故を発生前に予測する!?
MITのAI研究チームらが事故予防・予測に繋がるAIモデルを開発しました。これは道路をより安全にすべく、地図データと過去事故データ・衛星画像・GPSトレースデータ等を解析し、「事故リスク地図」を作り上げる事で実現したようです。このリスクマップは、未来の一定期間における衝突の予想数を示す物であり、それにより安全なルートも見つけられますので、交通事故が発生する前の予測に繋がるようです。この事故予測は自動車保険会社が顧客の運転状況に基づいて保険プランを顧客毎にカスタマイズする事にも活用出来るようです。また、このモデルの優れたところは「過去の事故データがない場合でも事故マップを作成出来る」点であり、架空のシナリオを比較しながら都市計画や政策を立案する、このような活用も期待されれているようです。
AIを使って事故を少なくする、事故が起きにくい都市設計が可能になるのであれば、これは素晴らしいですね。
これからの車は3Dな動き - ラスベガスにトンネルループ
自動車運転に関わるネタをもう1つ。イーロン・マスクが率いるBoring Companyによる、ラスベガス地下の自動車用トンネルのットワークの構築計画が当局より承認されました。「ラスベガス・ループ」と名付けられたこのシステムにより、ラスベガスの空港・ホテル・カジノ・スタジアム・コンベンションセンター等に、Teslaに乗って地下で移動出来るようになります。今回承認されたシステムには、29マイルのトンネルと51の駅が含まれており、1時間あたり5万7千人もの乗客が利用出来るようになるそうです。ちなみに、この計画には税金は使われず、Boring Companyが主要なトンネルを負担し、駅は設置したいホテルやカジノにも一部負担してもらう予定なんだそうです。同社の曰く、「現在の交通問題を解決するには道路を3D化するしかありません。つまり、空飛ぶ車かトンネルが必要なのです。トンネルは天候に左右されませんし、頭上から車が降ってくる心配もありません。」とのことです。
Youtubeの動画を見ていただくとわかりますが、意外に狭いトンネルで圧迫感があります。Teslaの自動運転はまだ対応しておらず人間による運転が必要ですので、ここでの運転はそれはそれで気を使いそうです。
AIを根本から作り直す必要がある - AIのゴットファーザー
ML(機械学習)やDL(深層学習)等に代表されるニューラルネットワークAIは、文字・画像認識から未来予測に至るまで多くのことを成し遂げていますが、このニューラルネットワークの先駆者でAI界のゴットファーザーとも呼ばれるジェフリー・ヒューストンが、「全てを捨てて、もう一度やり直す必要がある。」と述べているそうです。この記事ではニューラルネットワークAIを捨てるべき2つの理由を紹介しています。ざっくりとそれぞれを説明しますと、先ず第一に、現在のML/DLは多くのブレイクスルーを成し遂げてはいるが、一方で一般知能(AGI)には未だ遠い現状を指摘し、現状高度な知識を持っているのが人間のみであることから、人間のように「世界と対話する身体がなければ知能は獲得できない」という "具現化型AI" の考え方を紹介しています。この考え方から、「大人の心をシュミレートするのではなく、子供の心をシュミレートして、世界と触れ合って学ばせればいい」というアプローチが検討されているそうなのですが、問題は既存のML /DLのAIは現実世界に住んでいないので実世界との対話が出来ない、故に我々のような知性を持つAGIには達しない、このような説明されていました。(因みに2つ目の理由は、ML /DLで進んだとしても、それを測る「物差し」に限界がある、といった説明でした。)
多くを成し遂げてきたAIモデルの先駆者の言葉だけに、「全てを捨てて最初から」、は何だかシビれますね。
Apple - 中国でのユーザデータの取り扱いに苦慮
Appleが、ユーザデータの中国国内保存を求める規制の次ターゲットとなりそうです。この規制により、Teslaは中国でローカルドライバーのデータを保存することを余儀なくされ、LinkedInは中国からの撤退を決断しています。Appleは難しい決断を迫れれることとなりそうでして、従わなければサービス停止・従業員の拘束、一方で従った場合はアメリカ国内の議員・人権活動かからの批判に晒される可能性があります。中国はAppleにとり最大規模の市場であり、過去にもこの種のデータルールに対応してきました。実際、2018年には写真などのiCloudサービスを中国国内に保存するようにしました。しかし、今回の規制により、iPhoneの使用統計や通信のログなど多くの情報を中国に保持することを余儀なくされるようです。そして、中国当局がこのデータを使用して人々を識別および追跡するのでは、と懸念されています。また、Appleは中国当局が簡単に中国内のAppleサーバーにアクセス出来てしまうことを懸念して、これまで中国でデータをできるだけ少なくしてきたようです。
世界最大の企業(時価総額)と世界2位の経済大国との関係性に、今後も注目です。
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