Weekly newsletter #56
ベイエリアのダンギネスクラブ漁のシーズンは例年11月15日より開始されるのですが、クジラへの配慮のため、12月1日まで延期されてしまいました。去年も延期されたので2年連続の延期となります。これは本当に仕方のないことですし、いずれは必ず食べれますのでいいのですが、2年連続でThanksgiving・感謝祭の食卓に乗ることが難しくなりそうです。
こちらで新鮮なカニを入手するには、港町のHalf Moon Bay(ハーフムーンベイ)に行き、港で停泊する船にいる漁師さんから直接買うのも1つです。家に帰り、生きたカニを「ごめんね」っと言いながら沸騰した湯入りの鍋に導き、茹で上げるのはちょっとスリルがあるといいますか、なかなかの体験です。そして勿論ですが、とても美味しいです。
AI向けの道徳教科書とは?
AI研究者達がAI用の新たな道徳教科書を作成しました。AIは今や多くの場面で利用されており、履歴書の審査やローンの承認、また「誰が先にヘルスケアを受けるか?」「犯罪者への適切な懲役年数は?」などの重要な意思決定にも利用されています。そのため、AIが現実世界に即した道徳的な判断を下せる能力を研究することは不可欠である、と研究者達は考えているようです。では、どうやってAIに道徳を学ばせたか?、ですが、これはモーゼの十戒のような明確なルールに基づいて判断するような「倫理規定」ではなく、より柔らかく「抽象化された道徳的な公理」が用いられたようです。具体的には、何が正しくて何が間違っているかを伝える「日常の人々の論理判断例」を170万件集め、それで以て現実に即した判断をするようAIに学習させた、と記事にはあります。ではその効果ですが、この教科書を使って学習したAIの「Delphi」が我々人間と同じような道徳的判断を92.1%の精度で行うことが出来たとのことで、上々のようです。
何だか凄い時代になってきましたが、このような事例(AIは偏見に満ちている?)もあるので、良い方向なのかもしれませんね。
宇宙太陽光パネルでエネルギー問題を解決!?
ソーラーパネルは夜には電力を作る出す事が出来ません。そこで発想を変えて、太陽が沈まない場所、つまり宇宙空間にソーラーパネルを敷設して、地球に24時間電力を供給しようという計画が立てられいるようです。宇宙で作り出した電力を無線で地球に転送すれば、我々は24時間クリーンなエネルギーを受け取る事が出来ますので、二酸化炭素の排出を大幅で削減出来るはずです。カリフォルニア工科大学が主導するこの研究は、COP26サミットの開催もあり、非常に注目されているようです。実はこれまでも宇宙空間での発電はアイディアとしてはあったようなのですが、ソーラーパネル素材の重量の問題で、つまり宇宙に持っていくには重た過ぎてコストが合わない理由で、実現には至らなかったようです。今回のプロジェクトでは、この重量を10〜100分の1に減らす事を目指しており、より小さくて軽量なタイル型のミニソーラパネルを大量に軌道に乗せる計画で、その実証実験を2022年後半に民間宇宙船で行う予定とのことです。
これは素晴らしいですよね。きっと我々の未来は明るいです。
太陽光発電カーがもう直ぐデビュー!?
<https://www.aptera.us/luna-dream-a-better-world/>
太陽発電のネタをもう1つ。一握りではありますが、起業家達が太陽パネル搭載自動車の日の目を信じて活動されているようです。
オランダのスタートアップであるLightyear社は太陽電池搭載の4ドア車を開発しました。同社のLightyear Oneは太陽光またはグリットからのバッテリーをフル充電すると440マイル以上の走行が可能とのことです。「太陽の下で1日過ごせば太陽電池だけで最大43マイルのエネルギーを得ることが出来るので、長い距離を移動する時だけ充電すればいい」という発想のようです。カリフォルニアサンディエゴのスタートアップであるAptera社の電気自動車は、いかにも電気自動車のそれっぽい形をしていますが、同社のシミュレーションによると1回の充電で250〜1,000マイルの走行が可能とのことです。同社も同様に、夏の日中に太陽の下で一日を過ごした場合、最大で約40マイル分の電力を供給できる見込とのことです。
実際、モビリティーのニーズは家からのチョイ乗りが多いので、40マイルも走れれば十分なのかもしれません。でも車はサンルーフのない場所に駐車しないとですが。。
バーチャル試着室って使っています??
コロナの影響もあり、2021年、米国小売業の売り上げに占めるEコマースの割合は15%(アパレル売上では36%)になるそうです。つまりネットで洋服を買うのが一般的になった訳ですが、それもあってかバーチャルフィッティングルームを持つサイトが増えたのかと思います。カメラと拡張現実(AR)・AIなどの技術を使って、お客さんが自宅で仮想的に「試着」出来るようにするものですが、このバーチャル試着室を使ったことがある消費者は、僅か10%だったそうです。41%の米国人は、この技術の存在自体を知らなかったそうです。どうも我々消費者は、自身の姿をスキャンしてWebsiteやアプリに投影するのには慣れない、何となく抵抗感があるようです。しかし、この技術が今後も全く出番が無いかというとそうでも無いようでして、顧客毎のカスタマイゼーションへの活用が検討されているようです。デジタルアパレルのスタートアップ企業Unspunでは、作成する3Dアバターを元に製造するオーダーメイドジーンズを販売しています。
私一人のためのカスタマイゼーションってプレミア感があります。ついつい買ってみたくなる、良い戦略ですね。
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