Weekly newsletter #6
米国のCOVID-19の感染拡大は止まることを知らないといった状況で、また経済活動に大きな影響を出していくことになるでしょう。一方で、スタートアップ企業のIPOや買収、資金調達などの話題に事欠くことはありません。今週は、野口さんが搭乗したSpaceXのCrew Dragonの打ち上げに成功したり、宇宙開発も非常に活発です。下記に取り上げた新しい株式取引所の話題も、これまでの短期的な利益だけを追求してきた動きとは少し違った流れだと感じます。パンデミックの渦中でありながらも、明らかにこれまでとは違う未来に向かって歩き出しているようです。
Airbnbは、2021年に「ロングターム証券取引所」に上場の可能性
Airbnbは、パンデミックの影響で当初予定から大きく遅れながらも上場する計画であることが報道されています。しかし、注目なのは「ロングターム証券取引所(LTSE)」への上場も検討していることです。これは、「リーン・スタートアップ」の著者で知られるエリック・リース氏が設立した米国の新興の証券取引所で、従来の株主利益至上主義の短期売買に異論を唱え、株式の長期保有を前提として保有期間に応じた決議権を持つような仕組みを採用している取引所です。シリコンバレーは、短期的な成果主義で大きく成長してきた反面、起業家は長期的視点でもっと落ち着いてビジネスをしていきたいという想いも強く、LTSEの登場は反響を呼んでいます。Tech Blog でも触れていたSPAC(特別買収目的会社)上場などとは全く逆の考え方なので、今後のスタートアップがどのような出口戦略を求めていくのか、その動向にも注目していきたいと思います。
↓ LTSEと米国の新しい株式取引所について解説されています(NRIコラム)
https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2020/fis/osaki/1022
Google Payは、来年にCitiなどの提携先と「Plex」銀行口座を開設
Googleは、シティバンクやスタンフォード信用組合を含む11の金融機関と提携をしていましたが、正式に2021年に「Plexアカウント」を発行し、Google Payアプリを介して銀行口座を開設できるようになります。金融市場はZ世代をターゲットとして益々モバイル化が加速していきますね。
https://9to5google.com/2020/11/18/google-pay-plex-account/
Appleは、収益100万ドル未満のユーザー向けにApp Storeの手数料を15%に引き下げ
Apple Storeの30%の手数料は高すぎると言われてきましたが、100万ドルというしきい値はあるものの一旦手数料を引き下げました。Epic Gamesが、Appleの手数料は独占的支配力を利用した不当なものだと訴えていたことは、何かしら今回の措置に影響を及ぼしているのだろう。
Googleは、AIを利用したクリーチャージェネレーターを作成
Googleは、誰でも簡単なペイントで絵を書けば、それをリアリティのある未知の生物を作り出すことが出来るWebツールを提供。ゲーム用のモンスター作成などに使うのでしょうが、かなり不気味な仕上がりです。
https://techcrunch.com/2020/11/17/google-has-created-an-ai-powered-nightmare-creature-generator/
↓ ここから試すことが出来ます
https://storage.googleapis.com/chimera-painter/index.html
建設現場にロボット導入が進む
建設現場は、現場毎に多様で複雑なためにロボットの導入は難しいと考えられていましたが、AIやセンシング技術の進歩により変化が起こっています。建設ロボットの需要は毎年25%増加しています。パンデミックにより労働者の確保も難しくなり、熟練労働者に頼らない建設現場へと変化は加速しそうです。
https://www.wired.com/story/robots-invade-construction-site/
Googleは低所得者向けの住宅プロジェクトをさらに2つ支援
COVID-19の影響により、ベイエリアの住宅価格は多少下がってきていると言われますが、まだまだ安くはありません。不動産価格の高騰を招いたと非難されるビッグテック企業が、自らその問題に対処すべく住宅開発を支援しています。
https://www.mercurynews.com/2020/11/16/google-backs-two-more-bay-area-affodable-housing-projects/
カリフォルニアはCOVIDホテルプログラムに6,200万ドル追加支援
パンデミックにより22,000人以上のホームレスをホテルに一時的に避難させていましたが、感染拡大が再燃する中で支援を打ち切ることが出来ず、継続的に支援することが発表されました。経済格差と住宅問題は根深いものがありますね。