Weekly Newsletter #67
ここ数日ベイエリアは暖かい日が続いていまして、今日は24℃まで上昇しました。昼間は半袖で過ごせるくらいです。近所の公園では桜や菜の花が咲き初め、なんとも気持ちの良い日が続いています。コロナ・オミクロン株もピークアウトしてきた事もあり、ワクチン接種者・学校でのマスク義務令の解除も検討されています。(どうやら来週には州としてのマスク義務令は解除される見込みです。)つい最近までは緊迫した状況が続いていましたので、この変化に頭がなかなか追いつきません。
日曜日はスーパーボールです。(地元?)チームのRamsを応援しますw
アマゾン - 基本給の上限を16万ドルから35万ドルに引き上げ
アマゾンが基本給の上限を大幅に引き上げ(16万ドルから35万ドルに)、ストックオプション獲得の時期も変更
これらは有能な労働力を獲得・保持するための施策
基本給を低く抑えてストックオプションで埋める従来の施策からの大きな転換となる
アマゾンが基本給の上限を大幅に引き上げる施策を発表しました。これまでの16万ドルから35万ドルにまで増やしており倍増と言えます。これまで何度かお伝えしてますが、アメリカはGreat Resignation(大量離職時代)であり、多くの企業が労働者の獲得・保持が難しくなっています。今回の基本給の大幅引き上げは、この雇用状況への対応のようです。記事によると、アマゾンはこれ迄、基本給を低く抑えてストックオプションでそれを埋める方針を取っていたのですが、アマゾン株が思ったほど上昇せず(S&P 500が27%急上昇したのに対し、アマゾン株は2.4%しか上昇せず)、その施策の魅力が弱くなっていました。実際、世界各国で50名のVP(Vice President、日本では部長でしょうか・・)が離職したようです。
この施策がアマゾンの従業員離れを止める事が出来るか注目です。しかし、日本の物価の安さは際立ちますね、グローバルな人材獲得がますます難しくなるのではないでしょうか。
アップルのAirTag、悪用を防ぐ新機能とは?
・アップルのAirTag- ストーキングなどの悪用を防ぐべく幾つかの機能を実装
・警告メッセージ- 同意なしに人をトラックするのは犯罪と表示
・疑わしい追跡をアラート/警告音 - iPhoneで疑わしいAirTagを見つける事が出来る
・同社のプライバシー・ファーストを示す例でもあるが、対応が遅いとの批判も
アップルのAirTagでストーキングと言った悪用を防ぐための新機能が実装されるようです。AirTagはバックや財布など、得手して我々が失くしやすいものにTagをつけておき、紛失してしまったときにそれを追跡出来る製品ですが、一方でストーキングなどの悪用が問題視されていました。今回の機能実装では、「同意なしに誰かを追跡することは犯罪となり得る」という警告文を表示したり、登録ユーザ(購入者)とは異なる人の近くでAirTagが一定時間存在する時は、それは疑わしい使い方と捉え、第3者の、つまりストーカー被害にあっていると思われる人のiPhoneでAirTagを発見が可能となる機能を実装しています。また、AirTag自体にも長期間購入者と離れている場合はAirTag内部のスピーカーから音を出して警告する機能が強化されるようです。(これまでもこの機能はあったのですが、この機能を無効化してオンラインで販売されていたようです。)
知らない間に誰かに居場所を追跡されているなんて、気味が悪いですいよね。テクノロジーは正しく使いたいものです。
2月に打ち上げたばかりのSpaceXの低軌道衛星、その殆どが磁気嵐の影響で消滅か
今年2月に打ち上げたStarlinkの低軌道衛星、磁気嵐の影響でその殆ど(最大で40機)が軌道から外れると予想
磁気嵐への対処のモデルケースになるとの期待も
一方でNASAが同社の膨大な衛星が国際宇宙ステーションへの脅威と成り得ると懸念も表明
SpaceX/Starlinkが宇宙のお天気模様に悩まされているようです。高速Internetサービスを低軌道衛星で提供するStarlink社は、現在2000機の衛星を宇宙空間で保持しており、25カ国で約14,5000人のユーザーにサービス提供しています。同社はサービス拡大のため急ピッチで打ち上げをしていまして(最終的には42,000機の衛星を持つ予定)、2月3日に49個の衛星を打ち上げたのですが、その大半を、最大で40機が磁気嵐の影響で軌道から外れてしまうと予想されています。同社の経済損失は未だ明らかにされていませんが、2019年時点では1機あたり100万ドルは下回っていたようですので、それほど甚大な影響は無さそうです。また、軌道を外れ地球へ降下した衛星が地上の人や財産を脅かさないよう大気圏に入った時点で破壊するセーフティ機能も実装されているので、その心配はなさそうです。NASAは今後の磁気嵐への対処方法の勉強になる、とも述べているのでプラスの側面もあるようです。一方でSpaceXが発射した膨大な数の衛星が国際宇宙ステーションや宇宙の他の重要な資産に対する脅威になる可能性があると懸念しており、今後の宇宙事業への影響も注目です。
綺麗なオーロラを作り出してくれる宇宙嵐はどこか遠い存在でしたが、我々の身近なところにもあったのですね。
インターネットのGuru、オライリー氏がBlockchain/ NFTに物申す
インターネットのGuru、オライリー氏がNFTに物申す
歴史的にITテクノロジーは集中・分散・再集中の道を辿る、Blockchainも同じでは?
エンジニアならテクノロジーを見極めよ
インターネットのGuruとも呼ばれているオライリー氏が、昨今のBlockchain /NFTへの異常な注目について、自身の見解を述べていました。記事の表題にもありますが、同氏は「崩壊に備えよ」と言い、基本的には昨今のBlockchain /NFTブームには懐疑的なようです。
同氏の「Decentralized(分散化)」に対するコメントは興味深いものです。権力は分散した後に再中央集権(Recentralization)に行き着くと歴史が教えている、と同氏は言います。メインフレーム一択であったコンピューターはIBMがPCのスペックを公表したことで分散ステージに入り、その後Dellの出現でRecentralizationに至った、ソフトウェアにおいてもMicosoftによる集中ステージからオープンソース/Webで分散に至ったが、その後、Facebook・Google・Amazonが出現しRecentralizationに至った、と説明します。Blockchainは初期のほんの一握り人が持っていなかったステージ(集中)から多くの人の目に触れ(分散)、そして今は一握りの企業やVCに再集中(Recentralization)している、そしてBlockchainは異常なまでRecentralizationへの課程が早かった、と同氏は説明しています。
Web3.0はGAFAからの解放の文脈でDecentralized(分散化)と表現され、私も大筋では賛成なのですが、Blockchainを個別で1つとして捉えると、オライリー氏のような見方になるので新鮮でした。今年はBlockchainにとりブレイクスルーな年になるとも思えますが、インターネットのGuruのコメントにも説得力を感じます。エンジニアとしてテクノロジーをしっかりと見極めたいです。
今週のWeekly newsletter はいかがでしたでしょうか? 皆さんからの感想やご意見をお待ちしています。Like♡ボタンを押して、友達やSNSへのシェアも宜しくお願いします。
ポッドキャストも配信していますので、ぜひお聴き下さい