Weekly Newsletter #69
カリフォルニア州では屋内のマスク義務が既に解除されていますが、私の住むサンタ・クララ郡では独自にマスク義務令を継続していました。しかし1週間平均での感染者数が500を下回ったこともあり、この郡独自のマスク義務も来週には解除されるようです。来週からは、ワクチン接種者は屋内でもノーマスクでいることが出来るようになります。
昨日、地元アイスホッケーチームのSan Jose Sharksの応援のためSAPセンターに行ったのですが、入場にはワクチン証明の提示か、入場ゲート前にあるテストサイトでの陰性結果、この2つのどちらかが必要でした。ここではワクチン未接種の方々への配慮がありますが、一方で政府機関や医療現場、また学校でもワクチン接種を義務化する動きもあります。米国はちょうど今がWith/Postコロナへの移行期間なのかもしれません。どちらに振れるのかを注意深く見ていきたいと思います。
ウクライナ - ロシアよりサーバー攻撃も
ロシアによる軍事侵攻に先だち、ウクライナ主要機関へのサイバー攻撃があった
金融、軍事、航空、ITなどの各機関のシステム停止を目論むマルウェア攻撃で実害も発生
攻撃は数ヶ月前より計画されていた模様
攻撃に使用されたデジタル証明書は全く関係のないケーキ屋さん
ロシアによるウクライナ侵攻の前に、ウクライナの金融、軍事、航空、ITなどの主要機関へサイバー攻撃がなされていました。HermeticWiperと呼ばれるマルウェアでPC内のファイルを無効化し、主要機関の機能不全を目論んでいたようです。(実害もあったようです。)ある政府機関のPCは昨年12月にハッキングされていて、ハッカーはこのタイミングでマルウェアを有効化した形跡もあり、この攻撃は数ヶ月前より準備されれていた模様です。この攻撃で使われていたデジタル証明書は、攻撃とは全く関係のない「キプロスのケーキ屋さん」であったことも注目です。ハッカー達は活動実態の無い、または殆ど潰れている会社を利用したようです。
ITがこういう形で利用されるのは寂しいですね。平和を願います。
Meta(Facebook)がAR/VR専用OSの開発を諦めた?
一部メデイアが「Meta (Facebook)がAR/VR向けOSの開発を停止した」と報道
XROSと呼ばれる独自OSは「Metaが全てのAR/VRデバイスを深く制御可能とする」ことが目的であった
その後、Metaはその報道を否定しOS開発を継続すると発表 - XROSではなくAndroidOSをベースとするVROSにて継続する模様
AR/VR領域におけるAndroidの影響力を排除したかったようだが・・
Meta(Facebook)がAR/VRデバイス向けの専用OSの開発を停止した、との報道がありました。このOSはXROSと呼ばれ、Metaが全てのAR/VRデバイスを深く制御可能とすべく、300人規模で開発が進んでいました。現在、MetaのAR/VR主力製品であるOculus Quest VRにはAndoridが使われているのですが、このAndroidの影響力を排除すべく開発していた独自OSのXROSは、どうやら日の目を見ることはなさそうです。報道後、Metaは「OS開発を停止した事実はない」とコメントしましたが、実際はMeta独自のOS(XROS)は開発を止め、代わりにAbdroid OSをベースとするVROSにてOS開発を進める模様です。また、XROS開発リーダーがMetaを離れGoogleに行きAR/VR業務に着く、と記事にはありました。
Big TechによるAR/VRの覇権争いは、今年、激しくなりそうですね。
様々なスマートデバイスを統合する標準規格 "Matter" とは?
異なるメーカのスマートデバイスをシームレスに統合する標準規格 "Matter"
消費者はApple・Amazon・Googleなどの複数プラットフォームを同時に利用可能となるが、Matter製品は未だリリースされておらずHype(誇大広告)状態とも
今年末までもは製品はリリースされる模様、ホームネットワークの覇権争いも激化か
我が家にはAlexaスピーカーが3つ、(使っていない)Googleアシスタントが1つ、またスマホはiPhoneなのでSiriもあり、音声エージェントを備えるスマートデバイスは多くあります。今やGoogle Nestで空調やエアコンにスマホからコントロールするのは簡単です。でも、各社のスマートデバイス管理に各々アプリを入れるのは意外に面倒です。そこで、異なるメーカのスマートデバイスをシームレスに統合する標準規格 "Matter" が注目を集めていました。我々消費者はApple・Amazon・Googleなどの複数プラットフォームを同時に利用可能となり、故に暮らしが豊かになる、と騒がれていたのですが、、、未だにMatter製品はリリースされておらず、これはどうもHype(誇大広告)だったのかもしれません。
どうも、大きなパイとなり得るホームネットワークの覇権争いの匂いもしますが、このMatterは今年中にはリリースすべく動いているようですので、気を長くして待ちたいと思います。
欧州 - 大手テック企業に更なるデータ共有を要求
欧州でテック企業にデータ共有を強いる法案が検討されている
IoTデバイスや自動車など、様々な所で生成されたデータを解放することで「データプラットフォームビジネス」の活性化を期待
もちろん大手テック企業は反対 - 要求されるけど要求出来ないので差別的とコメント
「最も価値のある資源であるデータ」を取り巻く規制に、各国より注目が集まる
欧州でテック企業に彼らが持つデータの共有を強いる法案が検討されているようです。この新しいデータ法案ではIoTデバイスから自動車に至るまで、そこで生成されるデータが対象となり、現在は大手テック企業が独占していたデータを解放することで「データプラットフォームビジネスの活性化」を狙っているようです。この法案が成立すると、例えば、スマート食洗機が壊れた時に製造元ではなくリペア業者に頼めるようになる、または、工場のロボットをもっと効率的にしたいので製造元ではないベンダーのソフトを使う、このようなことも可能になるとのことです。一方で、この法案はゲートキーパーと呼ばれるビックテックは開示要求されるが要求出来ないので、差別的との批判もあるようです。また、アメリカで施行された海外米国企業のデータへのアクセスを保証する法案との相反も懸念されているようです。
アメリカやカナダでも同じような議論が始まっており、「最も価値のある資源であるデータ」を取り巻く規制に今年は注目です。
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