Weekly Newsletter #82
NASAの月面ミッション、民間企業が重要プレイヤーに / アンドリーセン、45億ドルの暗号通貨ファンドを調達 / BroadcomがVMwareを610億ドルで買収 / Amazon、ショッピングモールから直接商品を配達するテストプログラムを開始
先週末、サンフランシスコ郊外にある日本人墓地の清掃ボランティア活動に参加しました。私が担当したのは最も古い墓地が並ぶところでして、100年以上も前の先人達の偉業に思いを馳せながら、清掃させていただきました。160年前に咸臨丸で勝海舟や福沢諭吉と共に来た船員3名のお墓もありました。清掃作業後にランチボックスが配布されたのですが、お稲荷さんと唐揚げが入った美味しい日本人好みのお弁当でした。とても美味しかったです。
NASAの月面ミッション、民間企業が重要プレイヤーに
NASAの月軌道への小型衛星打ち上げプロジェクトに複数民間企業が関与
衛星設計・構築、月軌道へのソフトウェア、低地球軌道への打ち上げなど、複数分野を民間企業が担当
民間企業の関与で技術革新も生まれ、宇宙へのアクセスコストも下がっている
NASAが月軌道へ小型衛星を打ち上げようとしていますが、このプロジェクトからは民間企業の宇宙ビジネスの躍進が見て取れます。これは2025年までの月への有人飛行を目標にしたアルテミスと呼ぶプロジェクトの一環なのですが、打ち上げに多くの民間企業が関与しているのです。コロラドのAdvancedSpace社は衛星を月の軌道に乗せるソフトウェアを担当し、カリフォルニアのTyvakNano-SatelliteSystems社とStellarExplorationInc.社は衛星とその推進システムを設計・構築しました。 Rocket Lab社は衛星が月への軌道に乗る前に低地球軌道(LEO)に打ち上げる責任を担います。また、民間企業が担当する各々の分野には、技術躍進もあったようです。AdvancedSpace社はCAPSと呼ばれる衛星の位置を把握するための測位システムを、従来の負担が大きい地上からの追跡型から衛星自身の自動測位システム型へと改変しています。また、Rocket Lab社は衛星の捕獲にヘリコプターを使うことで、システムの再利用を実現しました。
テクノロジーの進化が民間企業の宇宙ビジネスを可能とし、そして民間企業の競争がよりテクノロジーを躍進させ、結果、宇宙へのコストが下がる、という良いサイクルが生まれているようです。
アンドリーセン、45億ドルの暗号通貨ファンドを調達
アンドリーセンホロウィッツが45億ドルのweb3ファンド(暗号通貨基金)を調達
今年一年で暗号通貨の時価総額は1兆ドル下がっている(現在は1.27兆ドル)
「プログラマブルなブロックチェーンでアプリ作られ多くの人が既に利用し始めている、世界クラスの才能がWeb3に集結している」、これらがファンド倍増の理由
ベンチャーキャピタルのアンドリーセンホロウィッツが、45億ドルのweb3ファンド(暗号通貨基金)を調達しました。暗号通貨の時価総額は今年に1兆ドル近く下落して現在の1.27兆ドルとなりました。しかし、同社のweb3への期待は揺るがないようです。「プログラム可能なブロックチェーンは進歩しており、そこで開発されたアプリを数千万人ユーザーが利用しています。また、昨年より世界クラスの才能がweb3に集結しています。これらが今回のファンドの理由です」と同社はブログで語っています。同社の前回の暗号通貨ファンド(22億ドル)から1年も経たずに、倍増の45億ドルのファンドとなりました。前回のファンド直後に暗号通貨が急落しましたが、持ち返し、ビットコインとイーサリアムは史上最高値に押し上がりました。
我々が日々アクセスするインターネットがブロックチェーン上で動いている、GAFAMの影響力が削がれ新たなプレイヤーが生まれている、そんなweb3な未来は到来するのでしょうか・・、このファンドの行方に注目です。
BroadcomがVMwareを610億ドルで買収
BroadcomがVMwareを610億ドルで買収
サプライチェーン問題とウクライナ戦争の影響でNasdaq平均は今年26%以上も下落、大型のTech企業買収は今後も続くか・・
BroadcomはVMware仮想化ソリューションによる「企業クラウド・ネットワークとパブリッククラウドの統合」を期待か
PCチップメーカ大手のBroadcomがVMwareを610億ドルで買収します。この大型買収は、イーロンマスクのTwitter買収(440億ドル)を超え、MicrosoftのActivisionBlizzard買収(770億ドル)に次ぐ規模となります。サプライチェーン問題とウクライナ戦争で世界の不確実性が高まり、それもあってかハイテク企業を中心としているNasdaq平均は今年26%以上も下落しています。そういった意味では、ハイテク企業の価値が下がりつつある状況ですので、チップメーカーからの多角化を目指すBroadcomにとっては良いタイミングであったのかもしれません。(同社は2019年にSymantecを約110億ドルで買収し、前年はCA Technologiesを約190億ドルで買収しています。)この買収によりBroadcomは、AWS、GCP、Azureなどの主要クラウド事業者とパートナーシップがあるVMwareの仮想化ソリューションを入手し、企業の社内クラウド・ネットワークとバブリッククラウドの融合が可能となります。またCAなどの既存ソフトソリューションの強化も期待できるようです。
正直、このニュースには驚きました。
Amazon、ショッピングモールから直接商品を配達するテストプログラムを開始
アマゾンがショッピングモールから近くの顧客への商品直送プログラムを試験運用
Amazon Flex(ギグワーカー向けのアプリ)上で運用される
アマゾンのトラック事業(配送事業)は非常に伸びており、ギクワーカーの取り込みで更に強化か
アマゾンがショッピングモールから近くの顧客に商品を直接配送するプログラムを、Amazon Flex(ギグワーカー向けのアプリシステム)にて試験運用をしています。アマゾンは自社フルフィルメントネットワークを通じてSopifyなどの小売競合他社から顧客に製品を運搬・提供しています。このアマゾンのトラック事業は成長しており、今回の試験運用はFlexドライバーを活用してのトラック事業の強化と言えそうです。
「自社プラットフォームによるギグワーカーのワークリソースを他社に提供する」と言うのは、いいのかな・・という疑問も湧きますが、フルフィルメントセンター(包装・配送)や今回のギグワーカーをも活用するトラック事業で形成される、アマゾン社のフルフィルメントネットワークの力は凄いですね。
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