Weekly Newsletter #96
SpaceXとT-Mobileがサービス提携 / 米国 - NVIDIAとAMDに対し中国へのAIチップ販売を禁止に / マイクロソフトのライセンス規制、EUでは緩和するがその他は継続 / ニューヨークのUber, Lyftドライバー、EV充電の「格差」が大きな課題に
あっと言う間に9月となりました。5日のレイバーディ(労働者の日)からは米国は秋になると言われています。ですので、これを書いている3日はギリギリまだ夏です。夏の終わりは何とも寂しい気分になりますが、残り少ない夏を満喫したいと思いますw
SpaceXとT-Mobileがサービス提携
SpaceXとT-Mobileが提携、T-mobileの僻地エリアカバーにSpaceXの低軌道衛星通信を利用
一般的なモバイルプランに加入しているユーザーは無料で利用可能となる
速度は2−4MPS程度であるが、SMSやテキストメッセージングには十分
SpaceXとT-Mobileの提携が今週木曜に発表されました。主に僻地や地形的な制限で基地局建設が箇所、つまりT-Mibleのサービス・デットゾーン(電波が届かない所)を、SpaceX /StarLinkの低軌道衛星通信でカバーしようとするものです。初期計画では、米国本土、ハワイ、アラスカなど、ほぼ全ての地域でサービス提供される事となるようです。驚く事に、このサービスは一般的なプランに入っているユーザーには無料で提供される事となるそうです。通信速度はわずか 2 ~ 4 Mbps のようですが、SMSなどのテキストを送受するには十分な速度です。
今年の夏季休暇でアメリカの西半分をロード・トリップをしてきたのですが、広大なアメリカでは度々電波が届かなくなる事があり、この荒野で車が故障したらどうなるんだろう・・・、と不安になる事も多くありましたので、このサービスは非常に魅力です。
米国 - NVIDIAとAMDに対し中国へのAIチップ販売を禁止に
米国政府がNVIDIAとAMDに対し、一部製品の中国向け販売の禁止を命じる
軍部での利用リスクを考慮した結果とのこと
NVIDIAは4億ドル相当のビジネスに影響
米国政府がNVIDIAとAMDに対し、中国向けのハイエンドチップ販売の禁止を命じました。現在、米国と中国は熾烈なチップ戦争を続けています。米国国内でのチップ製造を促進するチップ法案や、チップ製造機器の中国への販売禁止など、今年は米国側からの規制・包囲網が立て続いています。今回の禁止処置は、販売されたハイエンドチップが、中国軍部で利用される潜在リスクを考慮しての処置との事です。NVIDIAはA100 および H100、AMDはMI250のチップが輸出不可となりました。NVIDIAは今回の輸出禁止により、4億ドル相当のビジネスに影響があるであろうとコメントしています。また両社の株価は、この禁止処置が明らかとなった後、時間外取引で下落しています。
正にチップ戦争です。
マイクロソフトのライセンス規制、EUでは緩和するがその他は継続
マイクロソフトのライセンス規制が、EUクラウドでは撤廃、AWSやGCPでは継続
AzureではMS社製ソフトのライセンスコストが安く設定されている
10月のライセンス改定後もAzureがコストメリットが出る事も意味し、セキュリティーリスクが相次ぎ、顧客離れが懸念されるAzureには追い風か
批判されていたマイクロソフトのライセンス規制(Azureクラウド以外のクラウドサービスを利用すると、WindowsやOfficeソフトのコストが高くなる)に、今週、動きがありました。欧州のクラウド事業者に対しては、このライセンス規制を撤廃するとのことです。つまり、欧州のクラウド事業者を使う限りは、Azureを使うときと同様に、MS社製のソフトを利用する際に追加コストが発生しない事となるようです。これは欧州の一部企業の苦情に応えての対応となります。一方で、AWSやGoogle Cloudでは引き続き、このライセンス規制が継続されるようです。
うーーん、と思ってしまいますが、これがビジネスなんでしょうか・・。
ニューヨークのUber, Lyftドライバー、EV充電の「格差」が大きな課題に
電化を進めたいUber/Lyftにとり、EVスポットの格差が障壁に
ニューヨークでは富裕層が集まるマンハッタン地区にEVスポットが集中
脱炭素に向けたEVスポット配置ポリシーの重要性が浮き彫りに
ニューヨークでEV充電スポットが増えていますが、そのほとんどは富裕層が住むマンハッタンであり、多くのUber/Lyftドライバーには手の届き難い場所と言われています。このEV格差が、脱炭素・電化を進めたいUber/Lyft両社にとり大き課題となっているようです。
UberとLyft は、2030 年までに北米で電化することを約束し、ドライバーにガソリン車を EV と交換するように誘うためのインセンティブと特典を強化しています(Uber で現在 26,000 台の EV が稼働、ドライバーがEV車に乗り換えるのを支援する8 億ドルのインセンティブ・課金割引を計画)。しかし、「EVには絶対に乗り換えない。充電に時間を浪費している人を沢山見てきている」と言うUberドライバーも一定数おり、現在のEV 充電スポットの配置ポリシーが、Uber/Lyftの電化計画に大きく影響を与えている状況です。
EV充電スポットの建設には行政側の意向も大きく影響しますので、行政・EVメーカー・ユーザー(ライドシェアドライバー含む)の連携を必要としているのかもしれませんね。
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