Weekly Newsletter #98
Ethereumのエネルギー効率が99.9%改善 / ビックテックのヘルスケア競争が激化 / Roblox - ゲーム世界で広告を出し、服の売買も可能に / Twitter - 禁止されている中国からの広告が拡大
九月も中頃となるとベイエリアも大分涼しくなります。ほんの2週間前は熱波で40℃を超える暑さであったのですが、それが嘘のように最近はめっきり涼しくなりました。スーパーには既にカボチャが並んでいます。じきにハロウィンですので、そろそろ今年のコスチュームを考えなければですw
Ethereumのエネルギー効率が99.9%改善
Ethereumのマイニング方式が変更され、エネルギー効率が99.9%改善へ
Ethereumのコンセプトである「世界規模の分散コンピューティング・プラットフォーム」へと向かう重要な一歩
低迷するCryptoに起爆剤となるか注目
Ethereumのマージ(主要アップグレード)が今週あり、マイニング方式がProof of WorkからProof of Stakeへと変更されました。この変更により、ブロックチェーンのエネルギー要件を 99.9% 削減する事が可能となります。
Ethereumは2013年の登場時、Blockchainトランザクション上でのプログラマブルなコントロール、つまりスマートコントラクトが提唱され、通貨システムを超えるプラットフォームとしての可能性が示唆されました。言わば世界規模の分散コンピューティングシステムとしてもデビューした訳ですが、現状の適用分野を見てみるとゲーム/ギャンブル/DiFiのような分野が依然として多く、全てを担うWorld Computingには程遠い状況です。この原因の1つが旧マイニング方式のProof of Workが原因であったとも言われています。Proof of WorkはBlockchainシステムを担う画期的なアプローチですが、とにかくエネルギー効率が悪く、ノルウェイの国全体の電気使用量を超える電気を消費しています。(Bitcoinだけでも)
今回のProof of Stakeへの変更により、マイニングがComputingリソースを莫大に使う競争ではなく、Stake(補償金のようなもの)の量により選出される形となるので、エネルギーの大幅な削減が期待されます。言わば「ガソリン車が一夜にして全て電気自動車になった」くらいな事柄なのですが、低迷するCryptoの起爆剤となるか注目です。
ビックテックのヘルスケア競争が激化
ヘルステック大手のVelifyが新たに10億ドルの資金を調達
ヘルスケアをより個別的に(パーソナライズされた)するべく、データプラットフォームに投資する予定とのこと
AmazonはOne Medicalの買収を発表しており、大テックでのヘルスケア競争が激化か
Alphabet(Google)を親会社に持つヘルステックのVerilyが、Alphabetが主導する投資で新たに10億ドルを調達しました。この投資により、ヘルスケアをより個別化・パーソナライズするためのデータプラットフォームを作る上げる、とのことです。同社はこれ迄、糖尿病を検出するコンタクレンズの実験やCovid19テストプログラムを開始したりと、データドリブンなヘルスケアの開発を進めてきましたので、今回の資本獲得により同社の取り組みが加速する事でしょう。
一方、Amazonは7月にワン・メディカル・チェーンを34億9000万ドル相当の全額現金で買収すると発表していますので、このヘルステック分野での競争はますます激化しそうな予感です。消費者としては、高品質なヘルスケアが手軽、且つ安価に受けれるようになると、嬉しいですね。
Roblox - ゲーム世界で広告を出し、服の売買も可能に
Robloxが新たな収益モデルを発表、ゲーム内で広告を打つことが可能に、広告は13歳以上のユーザーのみに表示される
アバターの服やアクセサリーの販売をするセカンダリー・マーケットも展開
メタバースな世界観に注目か
18歳未満の若いユーザーに人気のRobloxが新たな収入モデルを発表しました。これはゲーム内の広告であり、広告主はゲーム空間に没入型のビルボードを打つことが出来るようになります。この広告は13歳以上のユーザーのみに表示されるとのことです。また、プレイヤーの服やアクセサリーなどのデジタル資産を販売するためのセカンダリー・マーケットも開始されるようです。同社はプレイヤーがデジタル資産を購入する際に使用される仮想通貨(Robux)を販売することで、収益を上げています。
仮想世界がアバターを通して現実世界と繋がり、経済圏をも作り上げるのは、まさにメタバースの世界観ですね。
Twitter - 禁止されている中国からの広告が拡大
Twitter社の広告収入、使用が禁止されている中国からの需要が拡大している
中国当局は観光業や地方経済の促進のため、Twitterに広告を打っている
中国とのビジネスがユーザーを危険に晒すことになるとの批判も、内部から上がっている
Twitterは中国国内での利用が禁止されていますが、一方でTwitter社にとり最も成長している広告市場でもあるようです。中国当局や共産党当局者は、観光業のアピールや地方経済を宣伝するのにTwitter内の広告を多く利用しています。分野別に見ると、ゲーム・eコマース・テクノロジーも大きな広告主であるようです。これら中国からの広告収入は年間数億ドルにも上ると見積もられています。一方でTwitter社内では、中国向けのビジネスには賛否両論があるようです。元セキュリティー責任者で現在は内部告発者でもあるZatko氏は、Twitter社幹部が「中国からのお金を受け入れることが、ユーザーを危険に晒す可能性がある」ことを認識しながら、何も対処していなかったと批判しています。
中国当局とTwitter社、どちらが、よりしたたかなのでしょうか・・・
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ビッグテックのヘルスケア業界への参入は本当に激化してきましたね。Microsoftもすでに米国の90%が導入していると言われるNuanceを買収しましたし、オラクルもCerner買いましたし。