Weekly Newsletter #108
Twitter:トランプ氏のアカウントが復活 / セラノスの創設者ホームズに懲役11年の判決 / Ticketmaster - Taylor Swiftのコンサートチケット発券の混乱から反トラストの調査へ / Foxconn大量離職のAppleへの影響は?
米国はサンクスギビングが終わりクリスマス休暇迄、またビジネスが走り出します。コロナが一段落したかのような米国では、多くの一人がこの感謝祭休日で旅行などを楽しんだようです。
Twitter:トランプ氏のアカウントが復活
イーロン・マスクがトランプ前大統領のTwitterアカウントの復活を発表
新たなコンテンツ・モデレーション・ポリシーも発表
Freedom of speech, but not freedom of reach(言論の自由はあるが、何でも出来る訳じゃない)
イーロン・マスクがトランプ氏のアカウントを復活させると発表しました。前大統領のTwitterアカウントは、2021年1月6日の議会襲撃事件後、暴力への扇動禁止ポリシーに違反したとして無期限の停止となっていました。このアカウント停止を契機に、前大統領はSNS社会から遮断される「De-Platform(SNSで村八分)」状態となり、自身のSNSサービスのTruth Socialを立ち上げるきっかけともなりました。今回のイーロン・マスクによるアカウント復活は、新たなコンテンツ・モデレーションのフレームワークが根本にあるようです。「freedom of speech, but not freedom of reach(言論の自由はあるが、何でも出来る訳じゃない)」、これが基本の考え方であるようでして、「ヘイトツイートは収益が無効化され、広告などには繋がらない」「特に検索しない限りヘイトツイートを見つけることは出来ない、これは他のインターネットと同じだ」と説明されています。
トランプ氏はTwitterに戻るつもりはない、と述べていますが、今後の成り行きに注目です。
セラノスの創設者ホームズに懲役11年の判決
セラノスの創設者エリザベス・ホームズ氏に懲役11年の判決
fake it ‘til you make it.(出来る迄は騙せ)というシリコンバレーの傲慢さの限界を象徴する判決
詐欺行為であたかもイノベーションがあるかのように振る舞うことはもはや出来ない
破綻した血液検査のスタートアップであるセラノスの創設者エリザベス・ホームズ氏に、懲役11年の判決が下されました。セラノスはほんの数滴の血液でで200種類以上の血液検査を迅速かつ安価に出来ると謳い、Oracleのラリー・エリソンやWalmart創業一族などから9 億 4,500 万ドルを調達、一時は90 億ドルの企業価値があったのですが、その後、様々な嘘(検査の大半が同社の機器を使わず、従来の他社製血液検査に依存)が判明し、同社は破綻、創業者のホームズ氏も詐欺罪で起訴されていました。
この判決は「fake it ‘til you make it.(出来る迄は騙せ)というシリコンバレーの傲慢さ」の限界を象徴しているとも言われており、「このような詐欺行為であたかもイノベーションがあるかのように振る舞うことはもはや出来ない」ことを確認する判決であると、シリコンバレーでは捉えられているようです。
Ticketmaster - Taylor Swiftのコンサートチケット発券の混乱から反トラストの調査へ
Talyor Swiftのコンサートチケットの発券で混乱したTicketmasterに、司法省の精査が入る
Ticketmasterは、以前より、独占的な地位を乱用していると非難されていた
「競争のない資本主義は搾取である」 - バイデン大統領
先週に発生した、テイラー・スウィフトのコンサートチケット発券のシステム障害(ボットを含む 1,400 万人がチケットを求めてサイトにアクセスしたことで同社システムが混乱、最終的にはチケットの一般販売はしないこととなった)もあってか、ライブイベントチケットの発行プラットフォームであるTicketmasterが司法省からの反トラスト法への対応に迫られているようです。同社はチケットの価格を引き上げたり恣意的な料金を追加徴収したりと、市場での支配力を乱用していると繰り返し非難されてきました。バイデン大統領もコメントを寄せており、独占的地位をもつ企業についてどう感じるかという問いに対し、「競争のない資本主義は本来の資本主義ではなく、搾取である」と述べています。
私もスポーツ観戦などでTicketmasterはよく使うのですが、追加徴収されるPlatform使用料が高いな、といつも感じます。Ticketmasterの競合が現れて、結果、チケットを安く手に入れられるようになれば嬉しいです。
Foxconn大量離職のAppleへの影響は?
中国Foxconnで20000人近くの労働者が離職
工場の生産量が30%減少する可能性
生産・売り上げ、双方を中国に依存するAppleへの影響が懸念される
iPhone生産工場でもある中国Foxconnで賃金と厳しい労働条件に対する暴力的な抗議があり、その後、20000人近くの労働者が離職しました。この影響で、工場の生産量が30%減少する可能性もあるようです。労働者と防護服をまとった治安隊が衝突するビデオはネット経由で多くの人の目に届いています。そして、Appleは生産ラインの多くを中国に依存しており、また中国国内での売り上げも大きな割合を持つので、この件はAppleビジネスに大きく影響を与える可能性もあるようです。
実はポッドキャストも細々とやっています、試しに聞いてみてください。