Weekly Newsletter #125
遂にGoogleでも検索エンジンにChatBotを導入か / メタがリモートワーカーの採用を一時停止 / スタートアップの資本獲得が低調に / Twitter - ランキングのソースコードの一部を公開
明日の4月9日はイースター:復活祭です。エッグハントをしたり、クッキーを食べたりと、子供達にとっては楽しいイベントです。このイースターにはウサギが出てきますが、これはウサギの強い繁殖力から復活や新しい命の象徴として出てくるそうです。ちなみに1年で6回出産できるそうです。パンダは年に1日しか発情しません。と、先日同僚のLaraさんが教えてくれましたw
遂にGoogleでも検索エンジンにChatBotを導入か
Googleの検索エンジンにChatBot機能が組み込まれる予定
収益1620億ドルの既存検索ビジネスにどう影響が出るか注目
MS、Googleは自社の大規模言語モデルの公開も予定、企業ユースが加速へ
AI競争で主要クラウドプレイヤーでGPU付きサーバーが枯渇してきている
遂にGoogleでも検索エンジにChatBotが組み込まれることになるようです。今週、CEOのPichai氏がインタビューで語りました。検索広告はいまだGoogleの最大の収入源であり、昨年の収益は1620億ドルに達しています。そのため数週間前の同社の大規模言語モデルBardの発表時は、検索エンジンへの統合には言及していませんでした。しかしMicrosoftがBingにGPT4を投入し、Googleの検索ビジネスに揺さぶりをかけていることから、この流れにはもう抗えないと判断したのかもしれません。この生成型AIが多くのコンピュートリソースを消費するコスト高な技術であることもあり、Googleは自社のAI部門の最適化も進めています。具体的には、Google BrainとDeepMindの2組織の緊密な連携、もしくは統合も示唆しています。また、MSとGoogleはStartupや企業への大規模言語AIモデルの提供にも言及しており、これを契機にして企業が自身のデータを活用したAI利活用も加速するでしょう。
一方で、主要クラウドプレイヤーが自身の生成型AIをホストするので精一杯となり、GPU搭載サーバーが枯渇してきている、エンドユーザ企業がクラウドでGPU搭載サーバーを利用出来ない、といったニュースも目にするようになってきました。そこに目を付けるRunPod, Lambda Labs, Crusoe EnergyのようなStartup(GPU Cloudサービス)も注目されており、生成型AIの活況さが目立ちます。
メタがリモートワーカーの採用を一時停止
Metaがリモートワーカーの採用を一時停止しオフィスワークを推進
オフィスで長く過ごすほど、エンジニアのパフォーマンスが良くなる傾向
企業にとり、Social Capital(人間関係の資産)の醸成が喫緊の課題か
Metaがリモートワーカーの採用を一時停止したようです。つまり、オフィスに通えない人材の採用を中止しました。Metaは「オフィスにいる時間とエンジニアのパフォーマンスが相関関係にある、つまりオフィスで過ごす時間が長いエンジニアほどパフォーマンスが良い」と考えているようで、CEOのザッカーバーク氏によると、この傾向の説明として、同僚と直接会って良い人間関係を築くことができることを挙げていました。
私はこの記事を見て、2年前のパンデミック真っ只中にEtsy CEOのJosh氏が言っていた「Social Capital(人間関係の資産)」を思い出しました。彼は「リモートワークは非常に成功した。生産性・スピード等などのようなメトリックで測っても良い結果が得られた。しかしこの結果は従業員間で出来上がっていた “Social Capital“ があったからこそであり、時間と共に変化するSocial Capitalを鑑みると、5年後も同じ成果が得られるかは自信がない。偶然の出会いをどう醸成するかが企業の課題となる」とコメントされていました。
個人的にはオフィスと在宅のミックスが好きです。求めるアウトプットの質から、働き方を柔軟に変えていくのが今後の働き方のカナメとなるのかもですね
参考:Bay Area Tech Blog #20〜青空教室、青空テレワーク??
スタートアップの資本獲得が低調に
第一四半期のスタートアップの資金調達が53%減少、760億ドルに
OpenAIの100億ドル、Stripeの65億ドルのメガラウンドがあるため、相対的に他スタートアップには厳しい状況
この少ない投資をAI関連が多く獲得(20%)
スタートアップの資金調達が低調に推移し、今年度の第一四半期は760億ドルに留まりました。これは前年度同時期の1620億ドルの47%であり、半減した形となります。しかも、今期の760億ドルには、OpenAIが調達した100億ドルと、Stripeが調達した65億ドルのメガラウンドが含まれていますので、他スタートアップ達には尚更厳しい状況と言えるでしょう。投資のラウンドを見てみると、Seed(初期段階にあるスタートアップへの投資)が44%の減少、後期ラウンドの投資も54%減少しており、ほぼ全てのステージで投資が減少しています。この少ない投資額から、特にAI関連のスタートアップ達が多くを獲得しており、全体の20%を占めていました。
景気後退、FRBの金利上昇、レイオフ等、ネガティブな単語が並びますが、きっとこの状況を生き抜くプレイヤー達が次のイノベーションを産むのだと思います。
Twitter - ランキングのソースコードの一部を公開
Twitterがランキングのソースコード(For You)の一部を公開
ユーザーを「民主党」「共和党」「パワーユーザ」「イーロンマスク」の4つのグループに分類
「あるグループに他グループよりも影響を与えるような変更をしない」ポリシーが明らかに
Twitterがランキング(For you)のソースコードの一部を公開しました。これは、コードの一部を公開することで会社の透明性を高めようとする、イーロン・マスク氏の取り組みの一環と言えるでしょう。公開されたコードを読み解いたことで、Twitterがユーザーを4つのグループに分類してツイートを監視していることが解りました。それは、「民主党」「共和党」「パワーユーザー(著名人やインフルエンサー)」「イーロン・マスク」の4つです。そして、コードには、Twitterの仕様変更により、あるグループが偏って影響を受けるようなことを避けるようにしていた形跡が見て取れたようです。つまり、例えば、「民主党グループに有意に働き、共和党グループにネガティブに働く」ような仕様変更を極力避けているように読み取れたようです。公開されたアルゴリズムには、どのように各ユーザーの政治スタンスを分類しているかは含まれておらず、そこはブラックボックスなのですが、イーロン・マスクはこのコードの存在を知った後に「削除すべき」とコメントしたようです。
また、公開コードから、Twitterの有料サブスクリプションのTwitter Blueユーザーのツイートが多く表示されるようにする「係数」の存在が明らかとなりました。色々と議論を呼び起こしそうですね。
今回は取り上げなかったけど面白かったニュース
テスラ - 共同創業者でありTeslaを去った後にバッテリー リサイクルのRedwood Materialsを設立したJB Straubel氏を取締役会に指名、水野氏は退任へ
JPモルガンに買収されたFrankの創業者、詐欺罪で起訴(データサイエンティストを雇って偽のユーザーデータを作成しJPモルガンを騙した疑い)
実はポッドキャストも細々とやっています、試しに聞いてみてください。