Weekly Newsletter #161
Meta、スマートグラスでマルチモーダル AI のテストを開始/アンドリーセン・ホロヴィッツ、3つの業界特化型ファンドに資金調達計画/OpenAI、Business Insider も所有するメディア企業と複数年契約を締結/Microsoft、AI分野で新たな一手 – 小型言語モデル「Phi-2」
こちらの学校の先生は、とにかく生徒を褒めてくれます。多分、褒めて伸ばすというのが、教育現場でのスタンダードなのかと思います。その一環か、Students of the Month:生徒への月間表彰という、全校生徒と親の前で表彰してくれるイベントがあります。昨日、Kindness & Caring(優しさと思いやり)で娘が表彰されまして、娘もとても嬉しそうでした。
Meta、スマートグラスでマルチモーダル AI のテストを開始
Mata CTOのAndrew氏がスマートグラスでのマルチモーダルAIのテストを発表
テキスト、画像、その他メディアを理解し、スマホとの組み合わせでリアルタイム情報を提供
AI搭載の小型デバイスは、「Ai Pin」やスマートグラスにて注目される
Metaスマートグラスを使用したマルチモーダルAIのテストを始めると、同社のCTOであるAndrew氏がThreadsで発表しました。(2024年に一般公開される予定とのこと)
マルチモーダルAIモデルは、テキスト、画像、およびその他のメディアを理解することができます。同氏は「眼鏡のカメラを使って周囲に関する情報もAIに投げる事が出来る」と述べ、この概念をビデオで紹介しています。インスタの投稿では、自身がオフィス内にあるカリフォルニア州の形をした照明を見つめ、「何が見える?」とAIに聞いてAIがその概要を伝えるデモもありました。動画では、スマホを持っているようにも見え、AIが機能するにはスマホとメガネを組み合わせる必要がある可能性があるようです。また、同社のAIアシスタントはリアルタイムの情報を提供するとのことです。
生成AIのハードウェア移行はホットな領域の1つであり、以前にご紹介しましたが、HumaneはGPT-4Vが動く小型デバイス「Ai Pin」を発表し注目を集めました。スマートグラスも有力な選択肢となりそうです。
アンドリーセン・ホロヴィッツ、3つの業界特化型ファンドに資金調達計画
アンドリーセン・ホロヴィッツが3分野へのファンドに計30億ドル調達予定
主にクラウドソフトウェアと次世代インフラを強化するスタートアップに焦点
同社は「アメリカン・ダイナミズム」を掲げ、政治家支援のための寄付も始める
シリコンバレーのベンチャーキャピタル企業であるアンドリーセン・ホロヴィッツが、少なくとも3つの業界特化型ファンドへの資金調達を計画していることが明らかになりました。
その中で注目すべきは、(AIも含む)クラウドアプリケーションおよびサービスを強化するソフトウェアに特化したファンドです。次世代インフラストラクチャを構築するスタートアップに資金を提供し、イノベーションを牽引することを目指しているようです。また、「アメリカン・ダイナミズム」と銘打ち、米国の国益を促進する防衛、安全保障、およびその他の産業に焦点を当てたものや、ゲーム基金の資金調達も計画しているようです。このファンドは、初期段階の資金調達に焦点を当ており、計画資本は30億ドルに上る見込みです。
また、同社はマーク・アンドリーセン氏が最近発表した「テクノオプティミスト・マニフェスト」の構想にて、イノベーションを支援する政治家をサポートするため寄付活動も開始する模様です。特にAI、生物医学研究、分散型テクノロジーなどの分野で、迅速なイノベーションとスタートアップを支援する政治家を応援すると見られており、これらの分野に注目が集まります。
OpenAI、Business Insider も所有するメディア企業と複数年契約を締結
OpenAIがAxel Springerとのライセンス契約を発表
Axelのメディアコンテンツを活用してChatGPTのニュース要約を強化し、質問には情報ソースのリンクを含める計画
AxelのCEOはAIジャーナリズムで品質向上を目指すと語る
OpenAIがメディアグループであるAxel Springerとの複数年にわたるライセンス契約を発表し、PoliticoやBusiness InsiderなどAxel Springerが所有する出版物のコンテンツを利用してChatGPTのニュース要約を強化し、AIモデルをトレーニングすると発表しました。
この提携により、ChatGPTはAxelの出版物から得た情報を使用してユーザーの質問に回答する際には、回答に情報ソースのリンクが含まれるようにもなるようです。また、概要の形式で回答を生成する新しい形式も、今後数か月以内にデビュー予定です。Axel のCEOは声明で、「われわれはAIを活用したジャーナリズムの機会を探求し、ジャーナリズムの品質、社会的関連性、ビジネスモデルを次のレベルに引き上げたいと考えている」と述べています。
この提携は、メディア企業が人工知能ツールで自社コンテンツの使用に対する補償金を求める中で、重要なマイルストーンとなるでしょう。同様の取り組みで、 AP通信はOpenAIとのパートナーシップを締結していますが、この契約にはChatGPTの回答でのAPコンテンツの使用は含まれていないませんでした。また、コメディアンのサラ・シルバーマンのように、モデル開発者を訴えている人もおり、コンテンツ作成者とAI企業の関係性に注目が集まります。
Microsoft、AI分野で新たな一手 – 小型言語モデル「Phi-2」
Microsoftが火曜、低コストながらMetaやMistralを上回る性能を持つAIモデル「Phi-2」を発表
GPT-4やLlama-2よりも少ない計算能力で高性能なタスク実行
独自のトレーニング手法により最大25倍のパフォーマンス向上を実現し
Microsoftは火曜日、わずかなコストでMetaやMistralなどの企業の大型AIモデルを上回る性能を発揮できるとする人工知能の最新バージョンを発表しました。この新しいAIモデルは「Phi-2」と呼ばれ、Azure AI Studioモデルカタログで利用可能です。
Phi-2は、テキスト生成や画像の記述などのタスクを実行する際、OpenAIのGPT-4やMetaのLlama-2などのモデルよりも必要な計算能力が少ないとされ、「小型言語モデル」として紹介されています。MicrosoftはPhi-2をトレーニングする際、データの厳選に力を入れたとのことです。最初に「教科書品質」データを使用し、その後、教育的価値とコンテンツ品質に基づいて慎重に選択されたWebデータを追加することで、言語モデルデータベースを強化したと言います。その結果、Phi-2は複雑なベンチマークで最大25倍のモデルよりも優れたパフォーマンスを示し、なおかつラップトップやモバイルデバイスでローカルに実行できるほど小型となりました。
この新モデルの興味深い点は、MicrosoftがBingやOffice 365のAI機能にOpenAIに完全に依存するのではなく、AI分野で独自の進化を遂げている様子が伺える点です。競争激化するAI市場において独自の強みを築こうとするMicrosoftに注目ですね。
今回は取り上げなかったけど面白かったニュース
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5分程度なので、聞いてみてください。