Weekly Newsletter #164
Appleが自動運転車の製造計画を縮小、先ずはTeslaを目指す!?/アルファベットがムーンショットにてレイオフ、資金調達に動く/Microsoft、ロシアのハッカーが上級幹部の電子メールを侵害したと発表/FTC が 大手テックの AI 投資活動への調査を開始
今週のベイエリアは雨降りな日が多く、お日様を見る時間が少なかったです。こちらの道路は水捌けが悪く、道路の至る所で、まるで小川のようなものが出来上がっていました。しかし、だいぶ暖かくなってきたような気がします、外出時にダウンジャケットが必要ありませんでした。先週の雨で、普段は茶色い山が緑に色づき始めています。春ももう直ぐですね。
(写真は、全く関係ないですが、Teslaのサイバー・トラックが走っていたので、思わず撮ったものですw)
Appleが自動運転車の製造計画を縮小、先ずはTeslaを目指す!?
Appleが自動運転車計画を縮小し、2028年にTeslaに匹敵する電気自動車を投入へ
元の完全自動運転計画は課題に直面し、新たにレベル2+の自動運転に焦点を変更
幹部内で自動車の利益率に対する懐疑も示唆されている
Appleが自動運転車の製造計画を縮小し、その代わりに2028年までにTeslaに匹敵する電気自動車を発売する方針に切り替えることが明らかになりました。元々の計画では、完全自動運転車を製造することを目指していましたが、現実的な課題に直面し、その計画を見直したようです。新たな方針では、レベル2+の自動運転にダウングレードされ、ある程度の自律性はあるものの、必要に応じて人間が車を制御する必要があります。これは、テスラのオートパイロット機能に匹敵するものです。Appleは、最初の自動車がデビューした後、更に進化させたレベル4(特定条件下で無人)、最終的にはレベル5の完全自動運転を実現したいと考えているとのことです。
Appleの昨年の収益は、スマートフォン業界の成熟と最大の海外市場である中国経済の減速から失速していることからも、このビジネス領域への期待も大きいのでしょう。しかし、Appleの自動車事業には疑問符もついています。同社の幹部の中には、iPhoneで享受しているような高い利益率が自動車でも実現可能かどうかに懐疑的な意見もあると伝えられています。
アルファベットがムーンショットにてレイオフ、資金調達に動く
GoogleのX部門が「ムーンショット」プロジェクトに携わるスタッフ解雇と資金調達を発表
同部門はDeepMindやWaymoなどのプロジェクトに従事し、最近はエネルギー網や養殖業向け製品に注力
2024年、大手テック企業でSAP、Microsoft、EBayなどが組織再構築と新戦略に焦点。
アルファベットのX部門が、高リスクかつ長期のプロジェクトとして知られる「ムーンショット」に従事する数十人の従業員を解雇し、同時にベンチャーキャピタリストからの資金提供を求めていることが広報担当者から発表されました。X部門は過去にGoogleに移行し、現在はDeepMindの一部となっているAIラボや、Waymo自動運転車子会社などのプロジェクトを手がけてきました。最近では、Xのスタッフはエネルギー網の開発者向けの視覚化ソフトウェアや、養殖業者が自分たちの環境を監視するのに役立つ製品の開発に取り組んでいました。
以前のNewsletterでもお伝えしましたが、2024年は大手テック企業においてレイオフが相次いでいます。今週もレイオフのニュースは続いており、ドイツのエンタープライズソフトウェア大手SAPは、事業の大規模な再構築に伴い、8,000人を削減する予定を発表しました。同様に、MicrosoftはXboxやActivisionなどのゲーム事業従業員1,900人を解雇し、EBayも電子商取引の人員削減に伴いスタッフの9%を削減する方針を示しています。これらのレイオフは、テクノロジー企業が組織を再構築して新戦略にフォーカスする文脈で活発となっています。
Microsoft、ロシアのハッカーが上級幹部の電子メールを侵害したと発表
Microsoft、SolarWinds攻撃に関与したとされるロシアのハッカーグループによる企業システムへの攻撃を発見
上級幹部のメールが監視されていた可能性も
攻撃は11月に始まり、2要素認証を有効にしていなかったアカウントが侵害され、メールシステム侵害へと繋がった
先週、MicrosoftはSolarWinds攻撃の背後にいたとされるロシア国家支援のハッカーグループによる企業システムへの攻撃を発見したことを明らかにしました。Microsoftは先週、この侵害を発見し、攻撃は11月に始まったと発表しています。この攻撃で、Microsoftの上級幹部チームの一部のメンバーの電子メールが数週間から数か月にわたって監視されていた可能性があります。
このハッカーグループは、「パスワードスプレー(パスワードの辞書を使用する総当たり攻撃)」攻撃を使用して非運用テスト テナント アカウントに侵入し、このアクセスを利用してMicrosoft 企業環境へのアクセス権を持つテスト OAuth アプリケーションを特定、その後、ハッカーグループは悪意のある OAuth アプリケーションを作成し、Microsoft の企業環境にアクセスするためのアカウントを作成、最終的には電子メールの受信トレイへのアクセスを提供する Office 365 Exchange Online サービスにアクセスできるようになった、とのことです。
特筆すべきは、最初に侵害されたテストアカウントが2要素認証を有効にしていなかったことですね。
FTC が 大手テックの AI 投資活動への調査を開始
FTCがMicrosoft、Google、AmazonがAIスタートアップに行った投資を調査
大手企業のAI分野への投資が競争にどう影響するかを検証する目的
今後の競争政策に対する方向性にも影響か
米連邦取引委員会(FTC)は木曜日、MicrosoftやGoogle、Amazonなどの所謂ビックテックがAIスタートアップに行った投資について調査を開始すると発表しました。FTCは、これらの投資がAI分野の競争を損なう可能性があるかどうかを調査するとのことです。
Microsoft、Google、Amazonは、生成AIの大手スタートアップ2社にそれぞれ数十億ドルを投入しており、これには新興企業がこれらの大手企業のクラウドサーバーを使用するという約束が含まれています。MicrosoftはOpenAIへの130億ドルの投資コミットメントをしており、返済されるまでOpenAIの将来の利益の75%を受け取る権利があります。また、その後も、理論上の上限まで49%の利益を受け取る権利があります。
この調査は「大手テクノロジー企業がスタートアップに対して行う投資が競争にどのような影響を与えるか?」に焦点を当てた初の規制当局の取り組みであり、今後の競争政策において重要な示唆を与える可能性もあるため注目です。