皆様、おはようございます。NOS-USAのMasaです。
先週のニュースレターでもお知らせしましたが、10月は様々なイベントが立て込んでおり、今週は「AI NETWORKING SUMMIT」(旧ONUG)に参加するためにニューヨークを訪れました。
ニューヨークはもっと寒いというイメージがありましたが、この週は偶然にも暖かく、長袖では汗ばむほどでした。街中はハロウィーンが近づいているため、住宅の軒先にはオレンジ色のかぼちゃが並べられ、様々な装飾が施されています。右下の写真は、会場付近のアパートメントの庭の様子で、庭木には蜘蛛の巣を模した綿の装飾が施され、とても楽しい雰囲気でした。
このAI NETWORKING SUMMITは、ネットワークやクラウド技術に関する主要な業界イベントで、企業のIT技術者やベンダーが集まり、最新技術の動向やソリューションを共有する場です。特に、ネットワークのオープン化、クラウドコンピューティング、セキュリティ、自動化に焦点が当てられており、名称が変わった今年は、ネットワークにおけるAIの活用が大きなテーマとなっています。
我々ネットワンシステムズもプレゼンテーションを行い、弊社の取り組みを発表してまいりました。詳細については、後日ブログなどで公開予定ですので、ぜひご期待ください!
写真:OCP2024でInterlとAMDによるx86エコシステムアドバイザリーグループの設立が発表された
写真左:Justin Hotard氏(Intel) 写真右:Forrest Norrod氏(AMD)
AIチップブームでインテルが取り残された理由
インテルといえば、長年パソコン・サーバー向けのプロセッサ「x86アーキテクチャ」で知られており、パソコン向け市場では圧倒的なシェアを誇ってきました。
かつて半導体業界の王者だったインテルは、現在、AI革命に乗り遅れた企業として苦戦しています。その背景には、数々の機会損失と誤った戦略的判断があったようです。
2005年、当時急成長中のGPUメーカー、エヌビディアの買収を検討しました。200億ドルという巨額な買収でしたが、これはAI時代の到来を見据えた戦略的な投資でした。しかし、取締役会はリスクを懸念し、買収案は却下されました。この決定は、インテルの歴史における重大な転換点となりました。
エヌビディアは現在、AIチップ市場の圧倒的リーダーであり、時価総額は3兆ドルを超えています。一方、インテルはAIブームに乗り遅れ、収益は減少の一途をたどっており、株価は約30分の1程度となっています。
インテルの失敗は、単なる一時の判断ミスではなく、長年培ってきた企業文化と戦略の誤りが重なった結果であり、PC時代における圧倒的な成功は、逆に保守的な企業文化を生み出してしまった様です。
主力事業であるx86アーキテクチャに固執し、新しい技術への投資を躊躇する傾向があったことと、AIチップ開発への挑戦も、何度も失敗に終わりました。開発プロジェクトは巨額の資金と時間を投入したものの、経営陣の忍耐力不足か、性能不足で頓挫を繰り返したそうです。
現在、インテルはCEOのパトリック・ゲルシンガー氏の指揮の下、半導体製造技術の強化やAI関連製品の開発に力を入れています。チップス法による政府支援も得ていますが、挽回は容易ではない様です。新たなAIチップを開発していますが、自社工場ではなく、台湾積体電路製造で生産されている点は、コスト面での不利を示しています。
インテルは、自社のサーバーが多くの企業データセンターに設置されているという強みを持っています。AIソフトウェア普及に伴う従来型コンピューティング需要の高まりは、将来の成長機会となります。
先々週のOCP2024でもx86の優位性を強調しており、エッジからデータセンターまで幅広い互換性と、AIワークロードにおける採用拡大およびパフォーマンスと電力効率の両面での競争力を強調していました。
インテルの物語は、過去の成功がいかに足かせとなり、変化への対応の遅れがいかに致命的なのかを物語っています。AI時代におけるインテルの今後の動向は、業界全体の注目を集めています。
ミュニメトロ、1億3000万ドルの州補助金でフロッピーディスクを廃止
この記事の見出しを見て、「フロッピーディスクがまだ使われていたとは驚きだ」と感じました。テクノロジーの中心地であるサンフランシスコですが、同市の交通局の列車制御システムは、実に30年間もこのフロッピーディスクに依存してきたそうです。この度のアップグレードにより、遅延が減少し、サービスの向上が期待されています。
Muniの利用状況について、コロナ以前は1日あたり約79万人が利用していましたが、パンデミック中にはその数が約15万人まで落ち込みました。現在は徐々に回復し、1日あたり約52万人にまで増加しています。サンフランシスコ市内では依然として空いているビルが多く見受けられますが、目に見えるホームレスの数は以前と比較して減少しており、治安も表面的には改善しているように感じられます。
このシステムのアップグレードは2025年に開始され、2030年初頭までには完了する予定です。
また、先週ニューヨークの地下鉄を利用した際、Apple Payにクレジットカードを登録しておけば、日本からそのままスマートフォンを改札にタッチするだけで利用できる便利さを実感しました。サンフランシスコの交通機関は、モバイルアプリでの購入またはClipperカードと呼ばれるプリペイドカードを通じて利用可能です。
この辺りは地域によって個性が出るところなのかもしれません。
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