今年のエミー賞はNetflixやApple TVのようなストリーミング系メディアが躍進する形となりました。Netflixは2つの最優秀賞を獲得し(ドラマ部門で"The Crown"、 アンソロジー部門で“The Queen’s Gambit”)、Appleは“Ted Lasso”にてコメディ部門で最優秀賞を獲得しました。ストリームメディアの賞獲得はエミー賞史上初なのですが、パンデミックで自宅に籠もらざるを得なかった人々にとり、一気見が出来るオンラインコンテンツは大変貴重な気晴らしでした。ですので、この受賞は適切と感じる人が多いようです。
私もTVで授賞式を見ていたのですが、マスクレス、ソーシャルディスタンス無し、受賞者がハグし合う、まるでコロナって何だっけ・・、といった具合に盛り上がっていました。もちろん、ワクチンを接種されているのだと思いますが、若干の違和感を感じつつ、こうゆう風にAfterコロナに進むのかなとも感じました。
今年、AIがIQとクリエイティビティで人間を上回る!?
あるAI専門家は「AIは既に人間よりも独創的である」と述べています。これは言語モデルのGPT-3が公共図書館全体(80,000冊)に相当する新しいコンテンツを毎日作成している事を引き合いにした発言なのですが、実際もっと分かりやすいスコアで見てみると、AIは雑学クイズで平均的な人間よりも最大40%高いスコアを出し、SAT(大学進学適正試験)でも平均志願者よりも15%高いスコアを出していますので、冒頭の専門家の言うこともあながち的外れでは無いのかもしれません。サイトではGPT-3をベースにしたAIエンジンのEmersonを搭載した「Leta」が紹介されています。
Youtubeにも多く動画がUpされているので是非ご覧頂きたいのですが、この「Leta」さんはなかなか凄いです。動画では画面越しに会話していいるのですが、難しい質問にも独創性のある考えを述べています。例えば「知性とコミュニケーションの違いは?」と質問すると、Letaさんは「知性とは世界を理解することであり、コミュニケーションとは世界に理解されることです。」と回答してくました。この文章はInternet上にはない文章でして、Letaがオリジナルに作成した文章です。
そのうち、流行り曲の作詞作曲がAI、ベストセラー作品の著者もAIなんて時代も来るかもですね。
自動運転は優良ドライバーしか使えない!?
Teslaが最新FSD(フル自動運転)をリリースするようで、先週木曜深夜、イーロン・マスクが「既に一部のグループに展開されており、9月24日から利用出来る。」とTweetしました。このFSDはTeslaに標準で付いてくるオートパイロットとは別の、ユーザが追加で購入する必要がある機能です。このFSDの最新版は未だベータ版でして、ユーザがこのベータをリクエストをするとTeslaのシステムがユーザの運転状況記録へアクセスし、運転行動が7日間良好であれば、ベータアクセスが許可されるとの事です。
この最新FSDで、高速道路や市街地での運転の自動化が実現されるのですが、依然レベル2の「運転支援システム」なので、ドライバーはハンドルを握って注意し続ける必要があるそうです。
ベータアクセスを優良ドライバーに限定しているところからしても、自動運転は難しい技術なのだと改めて感じます。一方で、乗客や歩行者がいない、農業や工業用スペース向けの自動運転技術の発達も目覚ましいようですので、こちらはこちらで注目です。
レーザービームで700TBのデータを転送 - Google
Alphabetがレーザービームを使ってデータ転送システムをコンゴ共和国に構築しました。この装置は、成層圏に気球とレーザーでブロードバンドを提供しようとした "ProjectLoon" (いつの間にか聞かなくなりましたね・・)の名残とも呼べる物のようでして、ここで使っていたレーザー技術を転用した新プロジェクト "ProjectTaara" として活動しているようです。このレーザー装置はコンゴのブラザビルとキンシャサを結ぶために配備されました。地図を見ると分かりますが、両都市の間には大きな川があり従来のファイバーで繋げるのが困難であった事が、このレーザー転送装置の採用理由のようです。20日間で700TBを超えるデータが配信され信頼性もあるようです。この技術はレーザー転送なので、ファイバー敷設の難しい僻地や紛争後のエリアでの活用が期待されているようです。
Newsletter #47でも触れましたが、イーロン・マスクは低軌道衛生を使って世界中を繋げようとしていて面白いなと思ったのですが、GoogleはGoogleで違ったアプローチで接続性を提供していて、これも面白いですね。
Blizzard(ゲーム制作会社)の幹部がセクハラと差別で辞任
DiabloやOverwatchで有名なゲーム会社のBlizzardがセクハラと差別の問題で揺れています。同社の問題は、「女性社員に対するセクハラ、賃金不平等、報復行為」があったとするカリフォルニア雇用担当局による訴えから始まり、従業員のストライキにやデモに発展していました。9月中旬には組合が正式に連邦労働委員会に苦情を申し立てています。また、米国証券取引委員会も同社の雇用問題の調査を開始したようで、現職および元従業員に数名に召喚状を出した、と報道されています。同社のコンプライアンス担当トップが、7月の従業員への電子メールで、カリフォルニア州政府機関の主張を「事実では無いし、古いし、文脈から外れている」と呼びかけた事も、問題が大きくなった一因と言えそうです。その後、問題に対して気づきが足りなかった点を謝罪する手紙を従業員に出したようですが、この初動はマズかったのではないでしょうか。
シリコンバレーは意外と未だ「白人男性中心社会だ」と言われる事が多いのですが、雇用担当局は同社の「フラットボーイ文化(日本語だと部活のノリ?)」が問題を助長していたと指摘しています。これはダメですよね。
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