Weekly Newsletter#66
San Francisco 49nersが負けてしまいました。最終クオータで逆転されたときは本当に悔しかったです。仕方がないのでこれからはホッケーのSan Jose sharksを応援しようと、娘と気持ちを切り替えました。もしくは、今回49nersに勝利したRamsはLos Angelesのチームですので、Ramsも地元チームと拡大解釈してスーパーボールを応援しようかと思いますw
米ファイザーのコロナ抗ウィルス薬で全てが解決する!?
昨年度末にリリースされた抗コロナ薬 - ウィルスの増殖を防ぐ効果が確認され、対コロナ対策として大きな期待
あらゆる変異種に対しても同様の効果が期待され、今後のコロナ対策のブレイクスルーとなる?
しかし課題もあり - 5日以内の投与が必要であり現在のコロナ検査体制では難しい・・?
検査技術革新との両軸が必要か
昨年度末にリリースされた対コロナウィルス薬が新たなコロナ対策として注目されています。罹患した人の体内でのウィルス増殖を防ぐこの対コロナ薬は、ウィルスの増殖(コピー)に必要とされる特殊なタンパク質に作用する事でそれを実現しているのだそうです。また、この薬はあらゆる変異種、未だ密かにコウモリが持っている変異種に対しても有効となり得るとの事で、この抗コロナ薬が普及すれば「処方箋を医者から貰い、薬局に行き、薬を飲む」、これで全てが完結するので大きな期待が寄せられています。
これは凄いブレークスルーだなと思ったのですが、意外なところ盲点がありました。この薬は罹患してから5日以内に飲む必要がありまして、この5日は現状ではなかなか難しいようです。多くの人は罹患から数日後に症状が現れ、検査をしてようやく判明するわけですので、今の検査体制ではこのパンデミックへの現実解とはいかないようです。でも、前回にご紹介した高精度試験キットがもっと普及すれば、より効果を期待できるかもですね。
Appleのプライバシールール変更でMeta(Facebook)が散々な目に?!
Appleのプライバシーポリシーの変更が影響してMetaの株価が26%減少(時価総額で約27兆6000億円が消失)
昨年度に10億ドルをメタバース開発に使ったMetaは、今年、10億ドルの広告収入減が予想されている
Appleのプライバシーポリシー変更は小規模ビジネスオーナーにとり深刻な影響を与えるとも
Metaの株価が26%下がり、時価総額で約27兆6000億円が消失しました。直接的な原因はAppleのプライバシーポリシーの変更であり、ユーザーの志向を把握し辛くなったことが広告収入に大きな影響を与えました。また、昨年度に10億ドルをメタバース開発に使ったMetaは、今年度、10億ドルの広告収入減が予想されており、これらが株価に大きな影響を与えたようです。
Metaは「Appleのプライバシーポリシーの変更は、広告をFacebookに頼るしかなかった小規模ビジネスオーナーに悪影響を与える」とコメントしていますが、Newsletter#54でもお伝えしたように広告スタートアップも出現してきており、小規模ビジネスでのFacebook離れが加速するかもしれませんね。
コロナ禍で躍進した宅配スタートアップ、今はどうなっている?
コロナ禍で即時配達スタートアップの競争が激化 - アプリ注文から10−20以内の食料品配達
投資家は過去一年で50億ドルを6つのスタートアップに投入、NewYorkで各企業がしのぎを削る
しかし収益化は未だ難しい模様 - 注文毎に平均20ドルの損失
配送の最適化に向け技術革新が背景にあり
食品などを10〜20分以内で配送する即時配達サービススタートアップの競争が激化しています。コロナ禍の需要増もあり、投資家は過去一年で約50億ドルをGopuffやGorillas Technologiesに投資しています。しかし、この分野の収益化には未だ課題があるようでして、注文毎に20ドルの損失が発生する企業もあるようです。しかし、各スタートアップはこの損失を未来への投資として捉え、システムや人材、技術への投資を加速している模様です。面白いのが配達員への考え方は各企業で異なる点でして、短時間配送の為に専門の宅配員を確保する企業もあれば、GopuffのようにUberやLiftに代表されるギグワーカーを活用する企業もあります。
ベンチャーキャピタルからの50億ドル投資の多くを獲得しているのがGopuffである事からすると、ギグワーカー活用が勝ち筋と見られているのかもしれません。また配送の最適化に向けた、AIをはじめとした技術革新にも注目です。
グーグルのAI倫理エンジニアが退社、どこに行く?
AI倫理研究者2名がグーグルを退社、行き先は元同僚のAI倫理研究団体
元同僚のTimnitはグーグル在籍時に同社AIのバイアス(偏見)問題を言及し、グーグルを退社している
2名は「グーグル製品が社会的弱者を更に追いやっている」と表明、また進行中の軍事契約獲得にも反対のスタンス
グーグルでAIの倫理問題を研究していたエンジニア2名が退社しました。行き先は、元同僚のTimnitが立ち上げたAI研究に団体です。このTimnitさんはグーグル在籍時にAIのバイアス問題(学習データに人種的な偏見が存在しており、そのデータを元に作られたAIは偏見を持つ)を発表し、それが元となりグーグルを退社しています。参考: AIは偏見に満ちている?
今回退社した2名は、グーグル製品が社会的弱者を更に追いやっていると表明し、また2019年の活動家従業員の解雇が職場で物を言えない雰囲気を作りそれが軍事契約獲得へ繋がっているとも考え、退社を決断した様です。
自らの信じる道を歩む決断をされたわけですので、応援したいですね。また、この様な行動を取れるほどの「懐深さ」をシリコンバレーが持っているのも嬉しいです。
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