Weekly Newsletter #221
米インフレ鈍化も消費者心理悪化、関税の不透明感続く / マイクロソフト、AI時代へ6,000人レイオフ—技術職と管理職に影響 / OpenAI、AIコーディング支援「Codex」発表:開発業務を刷新
こんにちは、Marvinです。最近、「関税」という言葉をニュースでよく耳にしますね。関税は現代の貿易政策における重要なテーマですが、その歴史は驚くほど古いようです。
調べてみると、古代メソポタミアやエジプト、ローマ帝国など、交易品に課税して財源や市場の統制を図っていた国家が多く存在していたようです。たとえば、メソポタミアでは「通行税」が国家財政の柱となっていたとのこと。
中世ヨーロッパでは都市や領主が独自に関税を設け、地域経済や安全保障の財源として活用していたそうです。一方、イスラム世界では、公正で安定した課税制度が整備され、それが交易の発展を後押ししていたといわれています。
2025年4月、トランプ政権は中国製品に最大145%の関税を課しましたが、米中交渉により5月には30%に引き下げられました。まさにジェットコースターのように情勢が変わっており、この記事が出る頃にはまた新たな方針が示されているかもしれません。
Fact Sheet: President Donald J. Trump Secures a Historic Trade Win for the United States
AP News: Trump administration cuts tariffs on low-cost Chinese imports
関税の行方は国際物流の再編に直結するだけに、今後の動向が気になるところですね。
以前のNewsletterを見逃してしまった方は下記からアクセス!!
米インフレ鈍化も消費者心理低迷、関税巡る不透明感続く
CPIとPPIの伸び鈍化でインフレ圧力が後退
消費者信頼感指数が50.8と大幅に悪化、期待インフレ率は7.3%に
雇用は安定も、関税不安で消費マインドに冷え込み
冒頭の関税の話に関連して、米国の経済ニュースを。4月の米消費者物価指数(CPI)は前年比+2.3%と、約4年ぶりの低水準となり、インフレ圧力の後退が明確になりました。
Lower food prices tame US consumer inflation in April, tariffs squeeze awaited
US Consumer Sentiment Nears Record Low on Inflation Concerns
また、生産者物価指数(PPI)も予想外に低下し、供給側の価格負担も落ち着きつつあります。一方、5月のミシガン大学消費者信頼感指数は50.8と大幅に低下し、1年先のインフレ期待は7.3%に上昇。背景には、トランプ政権による対中追加関税を巡る不透明感があり、生活コストの先行き不安が心理を冷やしています。新規失業保険申請件数は22.9万件と引き続き低水準を維持しており、労働市場は安定。経済の実体と心理のギャップが広がっているようです。
「物価と雇用は安定。でも関税が心理を冷やして、消費は慎重ムードに。」って感じですね。今年は終わる頃にはどうなっていることやら。
マイクロソフト、AI時代の組織再編で6,000人をレイオフ—エンジニアと管理職に大きな影響
6,000人のレイオフ:全従業員の約3%が対象となり、特にソフトウェアエンジニアと管理職に影響。
AIへのシフト:コードの最大30%がAIによって生成されるなど、業務の自動化が進行中。
巨額のAI投資:2025年度に800億ドルをAI関連インフラに投資予定。
2025年5月、マイクロソフトは全従業員の約3%にあたる6,000人のレイオフを発表しました。この大規模な人員削減は、AIへの巨額投資と組織のスリム化を目的とした戦略的な再編の一環のようです。
Behind Microsoft Layoffs, Automation Efforts Boom
Microsoft lays off about 3% of its workforce in what one executive calls a ‘day with a lot of tears’
特に本社のあるワシントン州では、1,985人が影響を受け、その中でもソフトウェアエンジニアが40%以上を占めています。マイクロソフトは、AI技術の導入を加速させており、CEOのサティア・ナデラ氏は、現在のコードの最大30%がAIによって生成されていると述べています。
この動きは、エンジニアリングやプロジェクト管理の役割に大きな変化をもたらし、従来のコーディングからAIプロンプトエンジニアへのシフトが進んでいます。
さらに、マイクロソフトは2025年度にAI関連のインフラ整備に800億ドルを投資する計画を立てており、この巨額な支出を補うためのコスト削減策としても、今回のレイオフが位置づけられています。
会社視点で見ればポジティブなことですが、一個人でみると・・・ロールチェンジについていけるか、岐路に立たされますね。
OpenAI、AIコーディングエージェント「Codex」を発表:開発者の業務を革新
多機能なAIエージェント:Codexは、コード生成、バグ修正、テスト実行、コードレビュー提案など、複数の開発タスクを同時に処理可能。
クラウドベースのサンドボックス環境:ユーザーのリポジトリを事前に読み込み、クラウド上で安全にタスクを実行。
戦略的買収:OpenAIは、AIコーディングツール「Windsurf」の約30億ドルでの買収交渉を進めており、AI開発分野での競争力を強化。
「Hello, World!」からキャリアをスタートした私ですが、もうそんな人はいなくなるんですかね(というか、もういないんですかね)。
2025年5月16日、OpenAIは新たなAIコーディングエージェント「Codex」のリサーチプレビューを発表しました。このツールは、自然言語からのコード生成、バグ修正、テスト実行、コードレビューの提案など、複数のソフトウェア開発タスクを同時に処理する能力を持ちます。Codexは、OpenAIのo3推論モデルをソフトウェアエンジニアリング向けに最適化した「codex-1」モデルを基盤としており、ChatGPT Pro、Team、Enterpriseのユーザーに提供されるそうです。
OpenAI Unveils New Tool for Computer Programmers
Codexは、クラウド上のサンドボックス環境で動作し、ユーザーのリポジトリを事前に読み込んでタスクを実行します。これにより、開発者は自分のコンピュータやブラウザを使用しながら、Codexにタスクを任せることができるとここと。
さらに、OpenAIはAIコーディングツール「Windsurf」の約30億ドルでの買収交渉を進めており、これが実現すれば、OpenAIにとって最大の買収となります。
OpenAI Reaches Agreement to Buy Startup Windsurf for $3 Billion
今の私たちの働き方の常識は5年後には全く通じなくなっているような気がします。いや、もっと早くその時が来るのかもしれませんね。取り残されないようにしなければ・・・。
今回も最後までお付き合いいただきありがとうございます!励みになりますので、ぜひLikeボタン (♡) をお願いします!
今回は取り上げなかったけれど面白かったニュース