Weekly Newsletter #237
光でAIを加速 – 米大学が新光計算チップを開発 / 中国、Nvidia製AIチップの購入停止を指示 – 国内製造拡大へ / YouTube 20周年イベント – AIツールでクリエイター支援、収益はディズニー超えへ
こんにちは、Marvinです。アメリカでは9月になると、学校や地域、そしてオフィスでも「アイスクリーム・ソーシャル」と呼ばれるちょっとしたイベントが開かれることがあります。起源は19世紀の教会や地域の集まりで、人々がアイスを分け合って交流を深めたことにあるそうです。
いまではオフィスで社員同士のリフレッシュや交流のきっかけとしてアイスを配ることも多く、9月22日の「アイスクリームコーンの日」など記念日に合わせて行われるケースもあります。日本の夏祭りのように華やかではありませんが、日常に小さな楽しみを添えるアメリカらしい文化だなと感じます。
ちなみに米国のアイスの消費量は、なんと年間で一人あたり20〜23リットルも食べているそうです。最近は健康志向で「レギュラーアイス」の消費は少し減ってきたものの、市場規模は2023年で約202億ドルに達し、これからも成長が見込まれているとか。
数字だけ聞くと硬い話ですが、プレミアムフレーバーや限定アイスを試すのもその成長の一因。バニラやチョコといった定番もいいですが、たまにはちょっと変わったフレーバーに挑戦してみるのも面白いかもしれませんね。
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光でAIを加速 – 米大学が新光計算チップを開発
レーザーと微小レンズでAIの畳み込み計算を高速化する手法
エネルギー消費を従来の10〜100分の1にまで削減する技術
既存AIチップへの統合も視野に入れた応用展開
米フロリダ大学などの研究チームは、AI処理の中核となる畳み込み計算を光で行う革新的な半導体チップを開発しました。チップ上に微小なフレネルレンズとレーザーを組み込み、手書き数字認識で従来の電子チップと同等の98%の精度を達成しつつ、エネルギー消費を10〜100倍削減したと報告しています。処理する画像やパターンをレーザー光に変換してレンズを通すことで高速・省電力の計算が可能となり、複数の波長を同時に使ってデータを並列処理することも可能です。研究チームは光学畳み込みを既存のAIチップに組み込めば大規模モデルの消費電力を劇的に削減できると期待しており、今後の商用化が注目されています
この研究の成果は、これまで悩みの種だったAIハードウェアの電力や発熱の問題を大きく改善してくれるのかもしれません。消費電力が1/100になるというのは、データセンターやエッジ機器にとってもうれしいニュースですよね。実用化が進めば国内企業の半導体戦略にも良い波及効果が期待できますし、次世代AIのアーキテクチャを見据えた投資も大切になってきます。もちろん研究段階の技術が量産に耐えられるかは見守る必要がありますが、異分野連携や光技術への投資を進める良いきっかけになるやもしれません。
中国、Nvidia製AIチップの購入停止を指示 – 国内製造拡大へ
ByteDanceやAlibabaにRTX Pro 6000D試験中止と新規注文禁止の命令
H20チップの独占禁止法問題も背景にあり規制当局の調査が影響
米中貿易摩擦が再燃し半導体規制をめぐる緊張が一段と高まる
Al Jazeeraによれば、中国のインターネット監督当局はByteDanceやAlibabaなど主要テック企業に対し、米Nvidiaが中国市場向けに設計したAIチップ「RTX Pro 6000D」の試験を停止し、新たな注文を禁じるよう通達しました。この措置は、中国が独占禁止法違反としてNvidiaのH20チップを問題視した直後に取られたもので、国内半導体産業の育成と米国からの技術自立を狙った動きとみられます。報道によれば同チップへの需要はもともと限定的で、禁止発表後にNvidiaの株価は2.6%下落しました。同時期に米中の通商協議ではTikTokの米国事業売却案が合意されており、半導体を巡る緊張が再び高まっています
中国がNvidia製AIチップの購入を止めるよう指示した背景には、半導体を自国でまかなう体制を整える意図と、米国との交渉で有利な立場を取りたい思惑がありそうです。一方、米国もTikTokの資産売却を求めるなど、テクノロジー分野での影響力を強めています。
半導体やAI、データをめぐる動きは、次世代の経済や安全保障を左右する大きなテーマになっていると感じます。テクノロジーと国際関係の交差点に立つ企業は柔軟な対応が求められますね。
YouTube 20周年イベント – AIツールでクリエイター支援、収益はディズニー超えへ
利用者27億人、ディズニーを上回る見通しと成長ポテンシャル
AI編集や生成ツールを30以上公開し、制作のハードルを大幅に引き下げ
クリエイター経済を土台から支え、収益基盤拡大を狙う戦略的展開
YouTubeは創立20周年に合わせ、ニューヨークで開催した「Made on YouTube」イベントでAIを活用した動画制作支援ツールを多数発表しました。利用者は27億人に達し、米国視聴時間ではDisneyを上回り今年のメディア収入でも追い越す見通しと報じられています。
YouTube, new leader of US media industry, bets on AI as key for creating content
イベントではAIが動画編集やショッピングリンクの自動埋め込み、音声のみのポッドキャストに映像を生成するなど30以上の新機能が披露されクリエイターがプロのような動画を素早く制作できるよう支援します。
ニール・モーハンCEOはAIはあくまで道具であり創作者の仕事を奪うものではないと強調しました。広告とサブスクリプション収入が50億ドル超に達するYouTubeは、新機能で収益基盤をさらに広げる狙いです。
YouTubeが「AIは人を置き換えるものじゃなく、表現を後押しするツール」と打ち出したのは、単なる安心感づくり以上の意味があるのだろうと感じました。既存のクリエイターを離さず、新しい層を呼び込む“二重の効果”を狙ったメッセージ・・・。
YouTubeは動画投稿サイトを超えて、AI時代のコンテンツ基盤へと進化しつつあり、企業の視点で見ても、AIをどう収益モデルや顧客体験に結びつけるか――その実例のひとつが今回の動きなのかと推察しております。
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