Weekly newsletter #48
週末にカリフォルニア大学バークレー校に行ってきました。アパート近くのスタンフォード大学には散歩に行ったりもするのですが、よく比較されるUCバークレー校には未だ行った事がなかったので、思い立って車を走らせました。UCバークレー校のキャンパスは坂が多くスタンフォードとは違った趣があり、とても素敵な空間でした。未だコロナ禍ではありますが、若者が賑わい、そのエネルギーを感じられる事は素晴らしいです。日本人の青年もいました。きっと世界の未来は明るいでしょう。
ランチのため近くのダウンタウンまで歩いたですが、多くのホームレスの方々がテントを張っていました。レストランでは店先でワクチンパスポートの提示を求められ、スマホのワクチンパスポートを見せて無事に入店出来ました。殆どの人は柔かに対応していましたが、中には店員と揉めてしまう人もいました。コロナとの共存は色々な事を考えさせられます。
CA州知事へのリコール選挙 - 現職が勝利
カリフォルニア州知事へのリコール選挙が先週火曜に実施されました。コロナ対策への不満がリコールの主だった理由でしたが、蓋を開けると投票の63.6%が反対を表明したようでして、現職のNewsom氏の勝利となりました。Tech業界ではこのリコールに "No" を表明している人が多い印象でした。Yahoo前CEOのMayer氏は "No" キャンペーンに20万ドル、Netflix CEOのReed氏は300万ドルをそれぞれ提供したようです。しかし一方で、レストランオーナーといった小規模企業主でリコール賛成派が増え、また彼らに同情するTech系の人も増えていたようです。少なくない数のテック企業がシリコンバレーを去っている事も踏まえると、このリコール選挙自体に意義があったのかもしれません。
州知事へのリコール選挙はこれまで全米で3回実施され、今回が4回目、カリフォルニア州では2回目でした。Newson 勝利で現職が2勝、対立候補が2勝の5分5分となりました。NBCでは "アメリカ史上2回目の勝利!!(快挙)"と速報していましたが、FOXはアメリカ史上4人目、カリフォルニアでは2人目の、リコール対象になった知事(不名誉な事)、と紹介していました。面白いくらいに表現が違いますね。
米企業がiPhoneハッキングツールをUAEに売っていた!?
あるアメリカ企業がiPhoneハッキングツールを違法にアラブ首長国連邦に販売し、それが同国で反体制者の監視に使われていたようです。司法省のレポートによると、法的な許可無しでUAEの米国傭兵グループによりこのツールが販売されてしまったようです。Accuvant社(現Optiv)により作成されたこのツールにより、ハッカーはAppleのiMessageアプリの欠陥を悪用する形でiPhoneを完全に乗っ取る事が出来きます。UAEのスパイが国内の反対勢力に使っていたのでしょうが、どうやらアメリカ人もターゲットになっていた疑いもあるようでした。このスパイ活動に多額の報酬で雇われたプロハッカーアメリカ人もいるようでして、現在FBIがこれらを調査しているとの事です。もう、さながら映画の世界のようですね。
Zero Dayアタックは一般人はそれほど気にしなくていい、なんて記事もありましたが、はやり怖くなってしまいますね。セキュリティー概念の再検討が必要であるのかもしれません。
FacebookのWhatsAppでセキュリティーが強化、エンドツーエンドで暗号化へ
セキュリティーネタをもう1つ。WhatsAppでセキュリティーが強化され、今後はEnd to Endでの暗号化が実装されるようです。WhatsAppのメッセージは既に保護されており、送信者と受信者だけが見る事が出来ます。ただ、従来の暗号化はバックアップは対象に入っていなかったので、WhatsAppでやり取りしたメッセージや画像をiCloudやGoogle driveにバックアップした場合は、それらは暗号化されずに保存さえていました。故にAppleやGoogleが盗み見れる、とも言えたわけです。今回、Facebookはバックアップサービスを提供し、それでもってEnd to Endの暗号化をバックアップにも拡大するようです。(WhatsAppもクラウドサービスプロバイダーもバックアップにアクセス出来なくなる。)ただ一方で、政府当局者はTech企業に対し、犯罪調査のため暗号化ロールバック機能を推奨していますので、完全にセキュアかどうかは微妙なところかもしれません。
こちらでのメッセージングアプリのデファクトはWhatAppです。学校でのPTAや先生とのやりとりもWhatAppを使っています。先生との面談の時間と場所や、イベントの詳細等、子供に関わる割とセンシティブなやりとりもあるので、こういった機能は嬉しいです。
バイデン大統領が西部に来て、気候変動対策を強力に推進
先週、バイデン大統領がアメリカ西部に来ました。月曜日はサクラメントでレイク・タホ周辺での山火事被害を視察し(参考:Newsletter #46)、火曜にはコロラドで再生可能エネルギー研究所の視察をされました。「人間によって引き起こされた事は人間が解決出来るはずだ。クリーンエネルギーは経済、国家安全保障の双方から緊急性があり、待った無しだ。」、このような事を仰っていました。
この気候変動対策に向けて増税も検討しているようです。法人税の最高税率を21%から26.5%に引き上げる、キャピタルゲインの最高税率を20%から25%に引き上げることで、10年間で2.1兆ドルを調達する予定のようです。そしてクリーンエネルギー開発を加速して「高給取りなグリーンジョブ」を創出し、それでもって気候変動と戦おう、というわけです。
グリーンジョブってカッコいいな、あわよくば我が娘にはこういった分野に進んで欲しいな、と勝手に思っていたのですが、「高給取り」となると更に魅力的ですよね。シリコンバレーからのClimate ChangeへのInnovationも、今後もっと増えるでしょう。
フィアンセの死を乗り越えられなかった男性が、AIチャットボットで最愛の人を蘇らせる
これはニュースじゃないので、このNewsletter的には "おまけ"のようなものですが、先週読んでとても面白かったサイトのご紹介です。8年前にフィアンセを亡くした男性がAIボットで彼女を蘇らせ、その会話で自身も再生していく、といったお話です。感じ方は人それぞれですが、私は色々と考えさせられました。ちょっと長いですが、ご興味あれば読んで見て下さい。
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ポッドキャストも配信していますので、ぜひお聴き下さい。
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